「コロナ禍での公開は必然だった」 実力派・小林竜樹が東日本大震災描いた初主演作に胸中

小林竜樹が主演を務めた「横須賀綺譚」の場面カット
小林竜樹が主演を務めた「横須賀綺譚」の場面カット

「人間の深い部分を表現できる俳優でありたい」

――震災同様、今のコロナ禍も大きな出来事ですね。ステイホーム期間はどう過ごされましたか?

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「3~4月に撮影するはずだった映画やドラマが再開時期も分からない状態で延期になりましたし、ドラマは撮影途中で一旦中止になったものもありました。昨日(13日)まで宮城県で撮影をしてきたのですが、当たり前ですけども、僕らは(新型コロナウイルス感染者の多い)東京から来ているわけなので、対策にはものすごく気を遣いますし、その間、東京の感染者がものすごく増えたので、東京に帰るのも怖いなとも思いました。コロナ前とコロナ後ではいろいろなことが変わりました。身体的な接触はもちろん、それ以上にみんな、考えながら動いていますよね。普段、忘れがちだったことや政治のことも」

――そんな中、「横須賀綺譚」が公開できた思いは?

「公開自体も2か月、延びました。このコロナ禍の時期に、この(震災をテーマにした)映画というのは必然のように思えます。こういう時だからこそ、みなさんがこの映画をどう感じているのか、聞いてみたい気がします。ツイッターなどでは見ていますが、直接聞いてみたいです」

――小林さんは「パターソン」「スター・ウォーズ」シリーズのアダム・ドライバーに似た雰囲気がありますね。

「僕自身は分からないんですけども、毎日のように言われるんです。実は昨日も、言われました。本当にみなさんがおっしゃるので、多分そういうことだと思います。僕自身、アダム・ドライバーさんは好きなので、光栄だとは思いますが……」

――今後、どういう俳優を目指していきますか?

「仕事としてはもちろん、『何でもやります』っていうスタンスです。今回のコロナでもそうだったと思いますが、一つの物事に対して、いろいろな考えの人がいるわけじゃないですか。人の考えることはなかなか想像しえない部分があると思います。人間にはこういう人もいる、また違った考えを持っている人もいるわけで、そういう人間の深い部分を表現できる俳優でありたいです」

――高校時代にはオーストラリア留学もされています。英語力もあると思いますが、ハリウッド進出も考えていますか?

「英語は日常会話なら。でも、専門用語とかは分からないので、もっと勉強しないといけないとは思います。ハリウッドは最終目的ではないですが、日本だけではなく、いろいろな人たちと関わって、作っていきたいという思いはあります」

□小林竜樹(こばやし・りゅうじゅ)1989年5月30日、神奈川県出身。高校時代にオーストラリアに留学し、演技を学ぶ。2011年、カンヌ国際映画祭監督週間出品作「恋の罪」(園子温監督)で映画デビュー。同じ年に、岩松了が作・演出を手がけた「カスケード やがて時がくれば」で初舞台。「こっぱみじん」(田尻裕司監督)、「走れ、絶望に追いつかれない速さで」(中川龍太郎監督)で注目を集め、近作は関西テレビ「東京男子図鑑」。秋公開の「罪の声」(土井裕泰監督)にも出演。

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