「子どもを産む資格ない」 先天性四肢欠損症の佐野有美に届いた誹謗中傷、出産までの葛藤を明かす
先天性四肢欠損症の障がいを持つタレント・佐野有美に密着した映像が『ABEMAエンタメ』で配信された。1児の母として、子育てに励む中で浴びせられた心無い声や発信を続ける理由などについて語っている。
発信を続ける理由は「諦めかけていた人の勇気になれば」
先天性四肢欠損症の障がいを持つタレント・佐野有美に密着した映像が『ABEMAエンタメ』で配信された。1児の母として、子育てに励む中で浴びせられた心無い声や発信を続ける理由などについて語っている。
左足に3本の指がある先天性四肢欠損症で生まれた佐野。中学校までは普通学級で、周囲の助けを借りながら生活してきたと過去を振り返った。恋愛についても「諦めていた」と明かしながらも、現在の夫は「自然体」で「一人の女性として見てくれた」と説明。3年の交際を経て2017年に結婚に至った。
その後、20年5月に1年間の不妊治療の末に長女を出産。幸せな家庭を手に入れたと思った矢先、SNSのDMなどを通じて「障がい者が子どもを産むな」「自分のことが何もできないくせに子どもを産む資格はない」「子どもがかわいそう」などの誹謗(ひぼう)中傷が寄せられたという。
佐野は当時の心境について、「感動して、看護師さんや周りの方に喜んでもらえて、笑顔に包まれたのに、いざSNSを開くとそういった強い誹謗中傷的な言葉を見た時は本当にショックでしたね。本当に『何で?』って思いました。『障がい者が子どもを産むっていけないの?』と思いましたね」と振り返った。
佐野自身も出産については葛藤があったと明かし、「友達の姿とか、姉も子どもがいたので、子育てをしている姿を見て、ほとんどが両手を使ってするもの。だけど、自分にはない。できないかなと思っていて。本当に命だから『産んでやっぱり育てられない』、そういうわけにはいかない。大事な命を産むことってものすごく大きいことだし、真剣に考えていかなければいけないことだなって」と覚悟を持って出産したと告白した。
「産んだ以上は自分で育てたい」と考え、出産前には子育て支援センターでおむつ替えなど、自分であればどのようにできるかを考えながら、できる限りの対策を講じて、赤ちゃんを迎え入れたようだ。
YouTubeなどで育児の様子を発信している佐野。その理由については「障がいを持っていても子育てをできるというところを見せていこうと思って始めました。それを発信することによって、他の障がいを持った人が、『自分も子どもを授かってみようかな』とか『家庭を持ちたいな』とか諦めかけていた人の勇気になるような動画をアップしていこうと思って、発信していこうと思いました」と語った。