若い人と映画の未来を作りたかった―世界で活躍する永瀬正敏が学生映画に出る意味とは
コロナ禍で「予定していた仕事がいっぱい流れた。ずっと家にいました」
――コロナ禍での仕事の影響はいかがでしたか。
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「予定していた仕事がいっぱい流れましたね。中止にはなっていないんですけども、撮影時期は不透明になったり、公開予定の作品はずれ込んでしまいました。やれた仕事は写真の連載くらいで、ずっと家にいました。こんなに家にいたのは不遇の時代以来かもしれません。僕は47都道府県をテーマに撮りたいと思っているので、まったく人がいない東京を撮りに行きたいとは思いましたけども、外出しませんでした。宅配便が届いても、消毒液でスプレーしたりと常にコロナ対策をしていました。もし、僕がコロナになってしまって、再開した現場に持っていったら、大変だと思いまして、まず自分ができることはできるだけやろうと」
――ステイホームでは何をしていましたか。
「映画をいっぱい観ましたね。できれば劇場に行きたかったのですが、閉まってもいたし、世の中全体が行けるような状態でもなかったから。それだけに、余計に映画を観たいなぁと思っていました。最近はBSや配信などいろんなチャンネルがありますし、たまってしまった映画のDVD、ブルーレイもあったので、あらゆるジャンルを観ましたよ。僕は、映画の撮影に入る時は、ほかの映画は観ないことにしているんです。ほかの情報は入れたくないので。だから、ある意味、こう言う言い方は適当ではないかもしれませんが、貴重な経験になりました。150本は観たんじゃないかな」
――1日3本くらいですかね。すごい数ですね。
「観ているうちに、強く映画の可能性を感じました。コロナ禍だけども、未来は絶対、明るいはずだ、と。だって、こんなに素晴らしい作品が世の中にはいっぱいあるわけですよ。それは映画に限らず、音楽も演劇も。すべてのエンターテインメントに対してです。もちろん、ソーシャルディスタンスを含め、形はなんらかのアレンジがされるかもしれないですが」
――面白かった作品を教えて下さい。
「もういっぱいありますね。見返した中では、成瀬巳喜男監督の『浮雲』、(河瀨直美監督の『Vison』で共演した)ジュリエット・ビノシュ出演の『ポンヌフの恋人』、亡くなったエドワード・ヤン監督の『クーリンチェ少年殺人事件』。見逃した作品では、東京国際映画祭で出会った、フィリピンの巨匠ブリランテ・メンドーサ監督の『ローザは密告された』、スパイク・ジョーンズ監督の『her』、配信ものでは、DCコミックやマーベルのヒーローものも観ました。『ウオー!』『コノヤロー!』と言いながら(笑)。それはそれで楽しかったですね、これぞエンタメという感じで」