青木真也「遊びじゃねぇんだよ、本当に」 “弟子”に伝えたプロとアマの違い【格闘代理戦争】
ABEMAのドキュメンタリー番組『格闘代理戦争-THE MAX-』が3日、放送された。準決勝で姿を消すことになった「TEAM青木真也」のその後が明かされた。
準決勝で姿を消すことになった「TEAM青木真也」のその後
ABEMAのドキュメンタリー番組『格闘代理戦争-THE MAX-』が3日、放送された。準決勝で姿を消すことになった「TEAM青木真也」のその後が明かされた。
技術以前に心の弱さが最大の弱点だった「TEAM青木真也」の中谷優我は準決勝で優勝候補のトミー矢野と対戦し、わずか18秒で一本負け。呆然とし、試合後の控室では涙を流していた。
3日放送回ではそんな中谷に番組の“天の声”から「君のことが忘れられないんだ。決勝戦で行うスペシャルマッチをオファーすることにしたんだ」と驚きの事実が明かされる。
映像が変わると中谷の監督・青木真也が「これは本音」と心境を明かす。
「やって良かったなってものにしてあげたい。不完全燃焼だし、自分にも負けてる。最後、納得してちゃんと次に向かっていくことが彼(中谷)の人生にとって前向きだと僕は思う。トーナメントでは負けたけど、ある一面ではここからが真骨頂。“プロ”の格闘技選手としては。もう1試合頑張りたいですよね」
そんな青木の元に当事者である中谷がやってくる。スタッフから試合をオファーされると「試合で膝を痛めてしまってまだ練習もできる感じではない状態で……。短いスパンでやるのは厳しいのかな」と消極的な言葉が漏れる。
青木は見抜いていた。「ここまできて俺に嘘をつく?」と投げかけ「心が折れただけじゃん」と断罪。さらに「それがどういうことかと言うと恥をかくのが嫌なだけ」と一緒にここまで戦ってきたいわば弟子とも言える存在にストレートに、それでも優しく言葉をぶつけた。
「別に今からできないっていうことを『やれ』とは俺は言わないよ。でも結局、仕事を全うできなかったんだよ。心が折れるとかやりたくないとか、そういう話じゃないんだよ、仕事って。やるんだよ、それがプロ格闘家だよ。遊びじゃねぇんだよ、本当に。負けて恥かいて、もうできません。それはアマチュア。だったら最初からやるな。その根性がねぇんだったら」
現在、大学生の中谷。青木は「今は『何を言ってるんだろうな?』って思っていると思う。『何でこの人こんな厳しいこと言う?』って思っていると思うよ。でも、もしもここからあなたが、別に格闘技じゃなくてもいいよ。自分の“持ち場”で自分の仕事を頑張ったときに『あの人(青木)こういうこと言ってるんだ』って分かると思うよ。一生懸命生きていれば。もし俺がいま言っていることが分からなかったとすれば一生懸命働かなかったときだね」と穏やかに伝える。
そして最後に「とにかく俺はあなたの自分に負けたこと、そして心が折れたこと。仕事を全うできなかったことが残念です。それ以上に言うことはないですよ」と師として最後の言葉を贈った。
話を聞いていた中谷の目には涙が。「仕事を全うしきれていないという件についてはその通りだと思いますし、諦めが悪かったのでね。これでいい諦めというか、(他の)やりたいことへの動きだしになると思います。候補者の中で1番教えてもらった。格闘技も社会で今後生きていくためにも。一周回ったら愛だと思いますし、別にどうでもいい人に自分がどう思われるのか分からないなかで言わないんじゃないですかね。青木さんに教えてもらって良かった。青木さんにも教えて良かったなって思ってもらえるように生きていきたいですね」と格闘技をやめるかのように語った。