顔面デッドボールで“同じトラウマ”…八木将康が元プロ野球選手を演じて蘇った球児時代

野球シーンでは経験者ならではの説得力が感じられた。【写真:(C)ドリームパートナーズ】
野球シーンでは経験者ならではの説得力が感じられた。【写真:(C)ドリームパートナーズ】

高校生球児への思いも語る

――実在するプロ野球チームのユニホームを着るシーンもありました。

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「高校までしか野球のユニホームを着たことがなかったんですけど、プロの選手のユニホームは、スタイリッシュでカッコいいなと思いました。プロはくるぶしまであるタイプで、高校時代に着ていたユニホームと作りがぜんぜん違うんです。めちゃくちゃ似合っていると、千葉ロッテマリーンズの関係者の方に褒められました。それが何よりうれしかったです」

――主演の松井愛莉さんとは初共演です。撮影を通じてどんな印象を受けましたか。

「お会いしたのも今回が初めてでした。主人公の一ノ瀬里奈は松井さんと似ていて、純粋で本当に一生懸命で、松井さんもまさにそういった方です。本人もわりとすんなり演じたとおっしゃっていたので、たしかにそういうことなんだな、と思うくらい一ノ瀬里奈と近いものを感じました」

主演の松井愛莉とは初共演【写真:(C)ドリームパートナーズ】
主演の松井愛莉とは初共演【写真:(C)ドリームパートナーズ】

――映画のタイトルにちなんで、八木さんの“癒し”を教えてください。

「僕の癒しは息子です。自宅では僕が床に寝て、ラッコのように息子を乗せてゴロンとしたりしています。最近、離乳食が始まって、カボチャが美味しいようなのですが、お粥は苦手なのか、口に入れると泣いてしまうんです(笑)息子のすべてが癒しです。家族のために頑張らなくてはと気も引き締まります」

――男の子とお聞きしました。大きくなったら親子で野球もできますね。

「もし将来自分に子供ができたら、息子とキャッチボールしたいと思っていました。親子でキャッチボールは夢ですよね。それと、20歳になったら一緒にお酒を飲むのが楽しみです」

――今年は、新型コロナウイルスの影響で、春と夏の高校野球が中止となりました。甲子園出場経験のある八木さんから、高校球児のみなさんに伝えたいことはありますか。

「球児のみなさんの多くは甲子園を目指していて、その目標がなくなってしまったのは、僕には計り知れないくらい辛い思いをしたと思います。僕も高校野球ファンとして本当に残念です。でも、3年間やってきたことは、絶対に将来、社会に行っても間違いなく役に立つことばかりなので、今は本当に残念で、気も落ちますが、前を向いて頑張ってほしいです」

――新型コロナウイルス感染拡大防止のため、役者としての活動が制限されている状況です。今後、役者としての活動、役者としてできることをどう考えていますか。

「オンライン演劇などの活動をされている方がいて、逆に言えば、演劇というものが幅広くなったと思います。劇場だけではなく、オンラインでも芝居をできることを学びましたし、動画配信もできますし、やり方はいろいろあるんじゃないかと思っています。僕にできることは、引き続き勉強です。もっともっと上手くなりたいと言いますか、役者として上に行きたいと言いますか、まだまだ頑張りたいと思っています」

――最後に映画公開へ向け、みなさんにメッセージをお願いします。

「松井さん演じる一ノ瀬里奈が奮闘する物語で、仕事に対しての考え方、姿勢というの改めて考えさせられるような映画になっていますし、この映画を見て『癒やされた』という気持ちになっていただけたら幸いです。こういう状況ではありますが、ぜひ、劇場で観ていただけたらと思います」

 ■映画「癒しのこころみ~自分を好きになる方法~」ストーリー

 仕事の激務で心が折れてしまった一ノ瀬里奈(松井)は、偶然出会った有名セラピスト・鈴木カレン(藤原紀香)の施術体験で、心と身体がつながっていることを実感し、思わずセラピストの道へ。最初からうまくはいかないが、それでも客から「ありがとう」と言ってもらえた時に、今まで感じたことのない充実感が芽生えてきた。そんなある日、受け持った客が、怪我のトラウマに苦しむ元プロ野球選手の碓氷隼人(八木)だと知り、自分の施術で再起を応援しようと決意し、奔走し始める――。

□八木将康(やぎ・まさやす)、1987年8月28日生まれ、北海道出身。駒澤大学附属苫小牧高等学校時代は野球部に所属し、2005年春の選抜高等学校野球大会にはベンチ入りで甲子園に出場。12年に舞台「あたっくNo.1」の出演をきっかけに「劇団EXILE」に加入し、ドラマ「ワイルド・ヒーローズ」(日本テレビ)、「毒島ゆり子のせきらら日記」(TBS)、「HiGH&LOW」シリーズ、映画「愛の病」「jam」などに出演。18年には、“CRAZY四角形”として歌手デビューを果たし、「WANAWANA」のYouTube動画は200万回以上の再生数を記録した。

次のページへ (3/3) 【写真】八木将康のインタビューカット
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