「ホンマ、あかんて」ネット震撼 置き石で紙一重の危険…親子に厳重注意、目撃者が明かした一部始終

電車が踏切を通過した際に聞こえた「ゴン」という衝撃音。目撃したのは、小さな子どもによる“置き石”が疑われる事案だった。沿線の桜が見ごろの千葉・松戸の流鉄流山線での出来事。現場の近くに居合わせ、SNSを通して注意喚起を行った男性は旧国鉄で働いた経験があり、保護者と男児に直接、厳重注意を伝えたという。当時の様子を聞いた。

置き石の発生事案が波紋を広げている【写真:トレインタイムス(@TrainTimesCIC)提供】
置き石の発生事案が波紋を広げている【写真:トレインタイムス(@TrainTimesCIC)提供】

「何かいい対策って無いもんかね?」 千葉・流鉄流山線で発生

 電車が踏切を通過した際に聞こえた「ゴン」という衝撃音。目撃したのは、小さな子どもによる“置き石”が疑われる事案だった。沿線の桜が見ごろの千葉・松戸の流鉄流山線での出来事。現場の近くに居合わせ、SNSを通して注意喚起を行った男性は旧国鉄で働いた経験があり、保護者と男児に直接、厳重注意を伝えたという。当時の様子を聞いた。

 千葉・流山の流山駅から千葉・松戸の馬橋駅までを結ぶ全長5.7キロの単線路線。当時現場付近にいた男性によると、4月6日午後2時28分ごろ、流鉄流山線4号踏切付近で、馬橋行き電車が通過した際、衝撃音と共に振動があった。「その瞬間は地震かと思いましたが、周囲を確認しますと幼稚園に入るか入らないかぐらいの男の子が線路上に石を置いたのを視認しました」。すかさず駆け寄り、「ダメだよ」と叱り、石を撤去。レール付近にすでに砕けた石があったためカメラを取りに戻り、「その子とお母さんにご注意申し上げて、同時に砕石による負傷者の検索にあたったものです」と説明した。付近にいた人や花見客らにけがはなかったという。

 母親の見た目は東南アジア系に思えたといい、「私には差別意識はありません。お母さんは『(子どもに)ちゃんと言います』『もうさせません』と仰ったので日本在住が長いと判断し、すぐに負傷者確認へ移りましたが、まぁ突然の出来事でお母さんも驚いたでございましょう」と振り返る。

実際の現場(東から西へ向いての撮影)【写真:トレインタイムス(@TrainTimesCIC)提供】
実際の現場(東から西へ向いての撮影)【写真:トレインタイムス(@TrainTimesCIC)提供】

 男性が電車事情に詳しいのは、もともと国鉄上野駅で働いていた鉄道業従事者だったから。蒸気機関車やイベント列車の警備設計と実施の責任者を務めていたという。1979年に会報「トレインタイムス」を発行する鉄道趣味サークルを始め、市民組織として活動。蒸気機関車復活運行支援や団体列車設計運営、地域観光や防犯支援、流鉄線の催事支援などに従事してきた。現在は流鉄線のライブ中継などYouTubeチャンネルの運営も行っている。今回の危険な出来事はXのアカウント・トレインタイムス(@TrainTimesCIC)で報告した。

 そんな鉄道に思い入れの深い男性が神経をとがらせるのには理由がある。亡くなった人の搬送を含めたシビアな人身事故の対応にあたった経験があるからだ。「国鉄末期の上野駅では人身支障事故は日常茶飯事で、私も幾人も救出し搬送したことがあります。修羅場を経験した者として、また『安全は輸送の生命である』との国鉄の基本標語の精神で若造時代を過ごした者として、とても看過できない状態でした」。列車往来危険の罪は重い。一方で、子どもが関わる事案のため事後対応は慎重に考えた。砕石の飛散によるリスクを考慮し、負傷者検索の対応を優先した。当該電車が車両の損傷もなくそのまま運行していたこともあり、警察などには届け出なかった。自身が親子に厳重注意する範囲にとどめたという。

 ネット上では「ひえ…大事ならなくて良かったです…」「子供の悪戯なのでしょうけど万が一が起きてしまったら悪戯では済まなくなりますからね」「ホンマ、あかんて」「実際に京阪本線が置き石で脱線した事例があるので、本当にやめてほしいですね」「電車が脱線しなくて良かった。子供には親が教えるべき」「何かいい対策って無いもんかね?」などと、驚きの反応が寄せられている。投稿は約4000件のリポストなど大きな反響を呼んだ格好だ。

車両は事案に遭遇した流山線5002編成「さくら」で当時と同じ「馬橋行」【写真:トレインタイムス(@TrainTimesCIC)提供】
車両は事案に遭遇した流山線5002編成「さくら」で当時と同じ「馬橋行」【写真:トレインタイムス(@TrainTimesCIC)提供】

 今回の事案で肝を冷やしたものの、大事に至らなかったことに安堵(あんど)しているという男性。「この場所で事故もけがも起こってほしいものではございません」と、切なる思いを明かす。

 改めて鉄道の安全について考えることがあったといい、「鉄道が好きと言うよりは鉄道に青春を費やした者として、どこまでも鉄道は『簡単に死ねる道具』でもなければ、『政治家のおもちゃ』でもございません。どこまでも『未来に生きる人間の道』です。他の同世代の人間より多少多くの『生死』を見て触った者として、その『人の道』だからこそ、鉄道を使う側も経営する側も『大切』にしていただきたいです」と強調。そのうえで、「一般の方は不審な事態の目撃などされましたら、迷わず警察へご一報いただくことを強くお勧めいたします」と話している。

次のページへ (2/2) 【写真】生々しい現場の様子
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