「ONE」は格闘技、eスポーツとどう向き合うか? 秦 アンディ 英之社長にインタビュー

「ONE」で様々なヒーローを伝えたいと語る秦社長
「ONE」で様々なヒーローを伝えたいと語る秦社長

ヒーローを作り、ストーリーにする方程式でeスポーツを盛り上げる

――様々な趣味嗜好が多様化されている今、新規層を開拓するのはなかなか難しい作業になりますね。

「実は昨日、私の親がファンフェスに来たんです。格闘技に全然興味がありませんでした。でも私が『ONE』に関わることになってから、見てくれるようになったんですが、全然途中で帰ろうとしないんです。会場にいるのがなんだか楽しいみたいで。もちろん数あるうちの1つのケースですけど、『ONE』は一度見たら必ず好きになってくれる大会だと思います」

eスポーツのプロアマオープントーナメントを開催した「ONE」
eスポーツのプロアマオープントーナメントを開催した「ONE」

――格闘技は持っている先入観を超えて、心を揺さぶるジャンルですからね。相乗効果でいいますと、今回のファンフェスで一番気になったのはeスポーツとの共存です。格闘技団体がここまで本気でeスポーツを取り上げるということは非常に珍しいと感じました。

「感情的な要素、情熱的な要素は格闘技もeスポーツも同じです。ヒーローを作ってストーリーにするというこの方程式は『ONE』が今まで取り組んだ部分。こういう尺度で見た時、eスポーツプレイヤーって実は格闘技が持っている課題と一緒なんです。一生懸命やっているけど、世間からは『所詮ゲーマーでしょ』と軽く見られる傾向にある。そこに我々『ONE』が持っているイベント運営、メディア、マーケティング、ブランド力、エンターテインメントで培ったノウハウ、経験値が生かせるんじゃないかと思い、取り組みをはじめました」

eスポーツ王者とエキシビジョンを行ったDJ
eスポーツ王者とエキシビジョンを行ったDJ

――格闘技とゲームは親和性があるように思います。格闘技ファンでゲームファンもいるでしょうし、逆もしかりです。

「実は『ONE』のファンの70%はeスポーツファンなんです。それにeスポーツ人口の約40%は格闘技に興味があるんです。格闘技とゲームは本当に親和性があるので、新しい取り組みは絶対必要だと思います。今回のファンフェスでeスポーツと格闘技のそれぞれの魅力をクロスオーバーさせてみました。DJ(デメトリアス・ジョンソン)がEVO王者(ボンちゃん)と対戦しましたけど、これは『ONE』だからできるひとつの強みです。DJとeスポーツプレイヤーが同じステージで戦うのは世界中の格闘技団体を見渡しても『ONE』だけ。こういう夢の舞台、ヒーロー同士が顔を合わせるのも『ONE』の魅力です」

――今回eスポーツ目当てで来た人が、格闘技に興味を示せば、裾野は広がっていきますね。

「今回やったことは間違いなく高い経験値を得ました。来場した方にeスポーツの魅力や格闘技の素晴らしさを提供できたと思います。これから日本においては、このスキームをどうやって展開するかがテーマです。ファンフェスは『ONE』本戦の1週間前の開催が最良なのか、同じ会場が良いのか、ダメなのか。今回は初めての試みだったので、テストコンセプトとしてやっています。eスポーツ、格闘技、それぞれをどうやって生かしていくか、各国々においてどう展開していくかは課題ですね」

eスポーツと格闘技が同居するのも「ONE」の魅力の一つ
eスポーツと格闘技が同居するのも「ONE」の魅力の一つ

――今回の競技は「鉄拳7」と「ストリートファイターV」でしたが、他のタイトルの大会も行う予定ですか。

「もちろん十分あります。ただeスポーツは地域ごとに競技の盛り上がりが違いますからいろいろ変えても良くないし、どれが良い競技なのかリサーチしなければいけませんね」

――ちなみに先程から”ヒーロー”というワードが出ていますが、アンディ社長のヒーローは誰ですか。

「映画でいえば『ロッキー』、『ベスト・キッド』、『スーパーマン』。無理な事を覆す努力はまさにヒーローですよね。実在するヒーローは元フィラデルフィア・フィリーズの大リーガー、マイケル・ジャック・シュミット(70)。本当に憧れました。アメリカに住んでいた小学生の時、夢は大リーガーになることでしたし、小さい頃からスポーツオタクでしたから。本当に彼には憧れました。そうプロレスラーのトニー・アトラス(65)や2017年に亡くなったジミー・スヌーカさんも好きでした。そう考えると”スポーツの力”っていうのは本当に大事ですね」

――子供がコンテンツの未来をつくり、支えていきます。だからこそ子供たちが憧れるヒーローを生み出さなければいけませんね。

「そうですね。eスポーツって『スポーツなのか、スポーツではないのか』と議論されますけど、その定義自体が実はおかしくて、私から言わせてもらうと『一生懸命頑張っているじゃん』ってことなんですよ。もちろん格闘技もそう。一生懸命やっている人に光を当てたい。『ONE』はそのプロセスをしっかりと伝えていきます」

□秦 アンディ 英之(はた あんでぃ ひでゆき)1972年10月5日、ベネズエラ生まれ。47歳。高校卒業後、明治大学法学部に入学。アメリカンフットボール部グリフィンズにて活躍。1996年、ソニー入社。FIFAとのトップパートナーシップほか、グローバル戦略を担当。2013年、ニールセンスポーツの日本法人及び北アジア地域代表に就任。2019年、「ONE Championship Japan」代表取締役社長に就任した。

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様々なアスリートに光を当てていきたいと語った秦社長
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