蝶花楼桃花、31日間連続独演会「夜の街、池袋を活性化したい」 2席のうち1席はネタ下ろしで自分に負荷

落語家の蝶花楼桃花が1日、東京・池袋演芸場で会見し、31日連続独演会「桃花三十一夜~ももか さんじゅういちや~」に挑むことを発表した。同演芸場の夜の部終演後の時間帯(午後9時~午後10時20分)を利用した、いわゆるレイトショー=“レイト落語会”の開催。発案者でもある桃花は「いろんな寄席に派生していけたらうれしい」と、寄席興行形態のあり方に一石を投じる。

会見に登場した蝶花楼桃花【写真:ENCOUNT編集部】
会見に登場した蝶花楼桃花【写真:ENCOUNT編集部】

「桃花三十一夜」で自分をさらけ出す覚悟「いろんな寄席に派生していけたら」

 落語家の蝶花楼桃花が1日、東京・池袋演芸場で会見し、31日連続独演会「桃花三十一夜~ももか さんじゅういちや~」に挑むことを発表した。同演芸場の夜の部終演後の時間帯(午後9時~午後10時20分)を利用した、いわゆるレイトショー=“レイト落語会”の開催。発案者でもある桃花は「いろんな寄席に派生していけたらうれしい」と、寄席興行形態のあり方に一石を投じる。(取材・文=渡邉寧久)

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「日頃から寄席の昼席・夜席以外でも、何か寄席を使える時間帯はないだろうか、ということを私はずっと考えていました」という桃花が打ち出す、深夜帯を利用した連続独演会開催。現状、新宿末広亭が月に一度(コロナ以前は毎週)、深夜寄席を開催する以外はほぼ手つかずだった時間帯に目をつけた。夜9時からの1時間20分で、桃花が2席、ゲストの二つ目が1席しゃべるという番組構成だ。

「2席のうち1席はネタ下ろし(いわゆる初演)。31日間連続ネタ下ろしで自分に負荷をかけた」と、無謀にも近い高いハードルを課す。同演芸場のキャパは約100人。持ち前の動員力を武器に、「新しい、若いお客さんにも来てほしいですね。いろんな寄席に派生していければうれしいなと思います」と、広がりに期待する。

 企画は昨年末、池袋演芸場に直談判する形で持ち込んだ。

「話を聞いてくださって、(桃花が所属する)落語協会がOKならいいよ、と。無事、落語協会にもオッケーをもらいまして、とんとん拍子で進みました。師匠の(春風亭)小朝にも相談したところ『やってみたら』って言われました」と、企画の目の付けどころが推進力になった。

 桃花の考え方の背景には、コロナ禍の寄席のありようが色濃く反映している。

「コロナ禍でお客さんがガラガラの寄席を見て、寄席がなくなってしまうこともあるんだな、ということを考えました」という危機意識をバネに、昨年3月には浅草演芸ホールで、出演者全員が女性という「桃組」公演を成功裏に導いた。「今年も提案させていただいたもの(=桃組興行)が、落語協会の百周年のイベントに組み込まれました。私も、すこしでもお手伝いできるんじゃないかと」という思いが、企画する落語家、桃花の背中を押している。

 7月1日の初日までちょうど3か月。ゲストの二つ目のブッキングに取り掛かると同時に、自身のネタの仕込みのために奮闘努力のネジを巻き始める。

「今、落語を必死で詰め込んでいる状態です。古典落語と新作派から教えてもらった新作落語、どちらもやりますが、毎日ネタ下ろしをやるとどういう風になるのかも見どころ」と、ドキュメント桃花として一切をさらけ出していく覚悟もすがすがしい。

「夜の街、池袋演芸場の深夜帯でぜひ街を活性化していきたい。31日間連続ネタ下ろしは、少し後悔しているところもありますが(笑)、かじりついて頑張りたい。終わったら一杯飲んだり、池袋の楽しい夜を過ごしてもらいたいと思います」と、ナイトタイムエコノミーに落語で貢献することも狙いだ。

 最後に4月7日の放送で明らかになる「笑点」の新レギュラーに話題が及ぶと、「私でないことは確かです」ときっぱりと伝えた。

次のページへ (2/2) 【写真】ガッツポーズを見せる蝶花楼桃花
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