21歳のUFCファイター鶴屋怜、平本蓮は「格闘家なのか」 姿勢に疑問符「UFC目指しているのかな」

今年2月にUFCとの契約をかけた格闘技トーナメント「Road T0 UFC シーズン2」で優勝し契約を勝ち取った格闘家の鶴屋怜。ABEMA格闘ドキュメンタリー番組『格闘代理戦争-THE MAX-』に21歳ながら監督として登場した。同番組へのイメージや話題の格闘家・平本蓮、そしてUFCについて話を聞いた。

インタビューに応じた鶴屋怜【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じた鶴屋怜【写真:ENCOUNT編集部】

『格闘代理戦争-THE MAX-』で21歳ながら監督に

 今年2月にUFCとの契約をかけた格闘技トーナメント「Road T0 UFC シーズン2」で優勝し契約を勝ち取った格闘家の鶴屋怜。ABEMA格闘ドキュメンタリー番組『格闘代理戦争-THE MAX-』に21歳ながら監督として登場した。同番組へのイメージや話題の格闘家・平本蓮、そしてUFCについて話を聞いた。(取材・文=島田将斗)

 鶴屋が同番組のトーナメント推薦したのは同じジムで元サッカー部だった諸石一砂。1回戦ではクレベル・コイケ推薦のギレルメ・ナカガワと当たり、1R・一本負けを喫した。TEAM鶴屋は1回戦で姿を消すことになってしまった。試合前から当たりたくない選手と明かしていた。

「それこそイゴール選手、クレベル選手のところと当たるのは嫌だなって思っていました。自分の推薦選手は打撃の選手なので寝技で極められる可能性はあるんじゃやないかなと思っていましたね」

 この番組へはまさかの出演だった。『格闘代理戦争』の1シーズンが始まったころはまだ中学生。「結構はやってました」と振り返り、印象をこう語った。

「『格闘代理戦争』は名前を売るチャンス。実際に300万円を手に入れられれば海外のジムに行けるし、格闘技の幅が広がる。仕事をしながら格闘技って大変だし、そこで飛び級できたら今後の格闘技生活に生かせる良いエンタメですよね」

 今シーズンの監督には青木真也、秋山成勲、岡見勇信などのベテランファイターのほか、イゴール・タナベ、中村倫也、平本蓮といった次世代も名を連ねている。同じ20代の平本と接点は少ないが、どう見ているのか。

「良い意味で言うと格闘技界を日本では相当盛り上げてくれている。でも本当に『格闘家なのか』『UFCを目指しているのかな』、そういう思いはありますね。とはいえ、勝つのが目的ではなくてエンタメで盛り上げてくれるんだったら、格闘技界が盛り上がるのでいいんじゃないかなと。あっちはエンタメというか、言葉(口)で有名になりたいんですよね。自分はそういう目的じゃなくてUFCでチャンピオンになりたい。『そっちはそっちでどうぞ』って感じですね」

 平本は今年7月に朝倉未来と対戦することが決定している。約4年間、SNSでの舌戦で温まっている一戦についてこう言及した。

「強気な言い方をすると“今”だけなんじゃないですかね。長く続いている選手っているけど、一瞬だけ出てきて消えてしまう選手も多い。テレビと一緒で一発屋で終わるかどうかみたいな話だと思います。口だけいろいろ言っていますけど、平本と次誰と見たいかって言われたら……。

 正直あまり強くないし、1年ぐらいいろんな選手と対戦したら、誰とも見たくないなってなるんじゃないですか。売れるのはいまだけで10年後にいるのかな?って思います。朝倉未来とやったら、そこで終わり。そこでその熱はマックスでそれ以上はないじゃないですか」

 鶴屋は“世界”を目指している。今月13日に行われた自身も所属する新ジム「THE BLACKBELT JAPAN」の発足会見では本物の格闘家について「有名になりたいだけじゃなくて格闘家を仕事にしたい人」と語り、RIZIN一強の国内格闘技界に対して悔しさとも言える感情をあらわにしていた。心の内をこう明かす。

「RIZINという舞台は日本の格闘技界を盛り上げてくれている。国内では格闘技と言えばRIZINとなっている。でもそれは、UFCチャンピオンがいないからそうなってるだけで、UFCのベルトが日本に来れば、絶対みんながUFCを見てくれる。そういう思いで僕はいます」

 若手ファイターの選択肢は「RIZINだけではない」と強調した。

「『有名になりたい』でRIZINに行ってしまう若い選手が最近多い。バスケットボールやるならNBAを目指す。UFCもそういう存在であってほしいなと思います。それを分かってもらうためにも自分がチャンピオンになる。そうすれば少しは変わるかなって。例えばUFCの日本大会でメインをやるとか、それだけで格闘技の盛り上がり方は違ってくると思う」

プライベートを明かしニコニコの鶴屋怜【写真:ENCOUNT編集部】
プライベートを明かしニコニコの鶴屋怜【写真:ENCOUNT編集部】

平良達郎との対戦可能性にも言及「自分が思う穴はひとつだけあって…」

 4月から所属する新チーム「THE BLACKBELT JAPAN」発足会見で話題になったのが、これから同門になる平良達郎との対戦の可能性だ。両者の戦場は同じフライ級。同ジムの鶴屋浩代表は「本人次第」と語ったが本人はどう考えているのか。

「日本人同士の戦いっていままでUFCではないし、マッチメイカーとしてもやりたがらないと思う。確率は相当低いと思う。でもタイトル戦でもしやるってなったらやるしかないですよね」

 平良の印象について「全体的にバランスがすごく良い。打撃もできるし寝技もできる。でも自分が思う穴はひとつだけあって、それはレスリングだと思うんですよね。レスリング、寝技の部分では自分の方が上回っているとは思うので、自分的には相性いいのかなと思います」と語り「レスリングの体の動きって格闘技に1番必要な動き。それを小さい頃からやってるかやってないかは大きい」とうなずいていた。

 同じ階級の若手でいえば、神龍誠の名もよく上がってくる。しかし、眼中にないようだ。

「神龍誠はもちろん若くて強い。UFCに行けば、いずれ自分たちとやり合うかなとは思っていたんですけど、近道しようとしましたよね。堀口恭司戦で負けて、ずっとRIZIN。なのでこれから戦うことはないかなと思っているので、意識はしていないですね。契約も残っているだろうし、自分は2、3年でチャンピオンになっちゃいますし」

 あと何年でUFC王者になろうとしているのか。「計画を紙に書いているんですよ」と照れくさそうに笑いながらこう明かした。

「デビューしたのが18歳。23歳でUFC契約をして、28歳でチャンピオンになろうと思ってたんです。でも3年で行けちゃって。勢いも大事なので、23歳~24歳くらいにはUFCチャンピオンになろうと思っています」

 日本を拠点にUFCで戦う。試合での緊張感を練習で取り入れるためにあることをしていた。

「ジムでも良い練習はできるんですけど、どうしても試合のドキドキ感はなくなっちゃう。なので最近自分は週に2回くらいの頻度で出稽古に行かせてもらったりしています。初めての相手が何をしてくるか分からない緊張感を練習に取り入れていますね」

 鶴屋代表は日本が世界に後れを取っていることを指摘していた。日本の練習環境と北米などの練習環境が比べられることが多いなか鶴屋(怜)はどう考えているのか。

「日本に1人チャンピオンが生まれれば、意見は変わってくると思う。いままで生まれていないから『日本の練習でトップになれるの?』って疑問があるだけなんじゃないですかね」

「でも日本人チャンピオンが生まれるのはもう近いと思います」と笑う。「達郎くんか自分か、よーいドンで始まっているのでどちらかがなると思います」と豪語した。

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