八代亜紀さんお別れ会で本人の声から生成されたAI音声「感謝の気持ちでいっぱいです」

昨年12月30日に亡くなった歌手の八代亜紀さん(享年73)のお別れ会が26日、都内の片柳アリーナで行われた。本会は、生前ステージ復帰を熱望していた八代さん自身の思いを実現するべくコンサート形式で執り行われた。

八代亜紀さん、お別れ会の祭壇【写真:ENCOUNT編集部】
八代亜紀さん、お別れ会の祭壇【写真:ENCOUNT編集部】

『八代亜紀 お別れ会 ~ありがとう…これからも~』

 昨年12月30日に亡くなった歌手の八代亜紀さん(享年73)のお別れ会が26日、都内の片柳アリーナで行われた。本会は、生前ステージ復帰を熱望していた八代さん自身の思いを実現するべくコンサート形式で執り行われた。

 2018年に撮影されたピンク色のドレス姿の写真が遺影として飾られ、祭壇は八代さんが生前、コンサートで使用していた美術セットや、胡蝶蘭、バラといった故人が愛した花、好きだった色味(紫)のカーネーションで装飾。回廊スペースには、八代さんが描いた絵画作品が展示された。関係者の部、一般の部を合わせて、約3000人が参列し、別れを惜しんだ。

 お別れ会では、八代さんの声から生成されたAI音声によるナレーションが流された。自分の声を残したという八代さん自身の希望により、20年に約400文章を読み上げて、音源データを記録。株式会社エーアイの最新音声合成エンジンにより、八代さんらしい自然な合成音声が実現された。

 オープニングVTR上映後、『愛を信じたい』がピアノで演奏される中、八代さんのAI音声が「みなさん、お元気でしたか。八代亜紀です。今日は、私のためにわざわざお出かけくださって本当にありがとうございます」とあいさつ。「昨年暮れ、残念でしたが、長い歌手人生に終止符を打ちました。苦しい時も、楽しい時も、心の支えになったのは、みなさんからの声援でした。感謝の気持ちでいっぱいです。今日は、ありがとう、そしてこれからも。そんな思いを込めた、集いになればと願っています」と思いが伝えられると、『舟唄』『愛の終着駅』といった名曲が再現され、会場は大きな拍手に包まれた。

 八代さんは熊本県八代市出身。1971年にデビューし、73年の『なみだ恋』が大ヒット。その後も次々とヒット作をリリース。80年に発表した『雨の慕情』で日本レコード大賞を受賞した。紅白歌合戦には23回出場。トリを3度飾った。昨年9月に「膠原(こうげん)病」を理由に活動を休止するとアナウンスされていたが、12月30日に亡くなったことが所属事務所のミリオン企画から発表された。

次のページへ (2/2) 【写真】会場に展示された八代さんの絵画や衣装
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