【映画とプロレス #21】「ファイティング・with・ファイア」ジョン・シーナが消防士に扮したコメディ映画
WWE年間最大の祭典「レッスルマニア36」(2日間開催最終日の4月5日)で無観客を逆手に取り、前代未聞の“不思議試合"をやってのけたのが、ブレイ・ワイアットとの「ファイヤーフライファンハウスマッチ」に臨んだジョン・シーナだった。これを試合とカウントするならば、シーナにとって1年3か月ぶり、レッスルマニアには2年ぶりの参戦ということになる。現在、シーナはプロレス界からは距離を置き映画界に主戦場をおいている。久しぶりのリングで、シーナは見た者がどう解釈するかはともかく、スクリーンにおける経験を遺憾なく発揮しているようにもうかがえた。その作品は残念ながら日本で劇場未公開も、さいわいにして6月3日にDVD&Blu-rayでリリースされた。シーナが主演をつとめるファミリー向けコメディ「ファイティング・with・ファイア」(2019年)である。
ファミリー向けコメディ「ファイティング・with・ファイア」
WWE年間最大の祭典「レッスルマニア36」(2日間開催最終日の4月5日)で無観客を逆手に取り、前代未聞の“不思議試合”をやってのけたのが、ブレイ・ワイアットとの「ファイヤーフライファンハウスマッチ」に臨んだジョン・シーナだった。これを試合とカウントするならば、シーナにとって1年3か月ぶり、レッスルマニアには2年ぶりの参戦ということになる。現在、シーナはプロレス界からは距離を置き映画界に主戦場をおいている。久しぶりのリングで、シーナは見た者がどう解釈するかはともかく、スクリーンにおける経験を遺憾なく発揮しているようにもうかがえた。その作品は残念ながら日本で劇場未公開も、さいわいにして6月3日にDVD&Blu-rayでリリースされた。シーナが主演をつとめるファミリー向けコメディ「ファイティング・with・ファイア」(2019年)である。
「ファイティング・with・ファイア」は日本向けのタイトルで、原題は「PLAYING WITH FIRE」。昨年11月に日本で公開され今年4月にDVD&Blu-rayがリリースされたペイジ伝記映画「ファイティング・ファミリー」(原題「FIGHTING WITH MY FAMILY」)を意識したような邦題だ。「ファイティング・ファミリー」でフッテージ出演もしていたシーナ主演の本作は昨年11月8日に全米公開がスタート、これまで世界42か国で劇場公開されている。当初は今年3月20日、レッスルマニアシーズンに合わせるように上映が始まる予定だったが、映画会社の都合で繰り上げられた。
18年10月、まずはシーナ主演での製作が発表され、翌月にはアンディ・フックマンが監督に就くことが明らかになった。フックマンは09年に“ザ・ロック”ドウェイン・ジョンソン主演のSFアドベンチャー「ウィッチマウンテン/地図から消された山」を撮っており、シーナを迎えての新作も彼が得意とするファミリー向けの作品となった。ちなみに、ほかのキャストには「レッスルマニア36」でホストを務めたNFLのスタープレーヤー、ロブ・グロンコウスキーも考えられていたが、スケジュールの都合で実現しなかったといういきさつがある。グロンコウスキーは「レッスルマニア36」でどさくさ紛れに24/7王座を奪取。6・1ロウでR・トゥルースに奪われるまで(変則王座ながらも)プロレスのチャンピオンだった。「サマースラム」など今後のビッグイベント登場も噂されていたのだが、陥落時にはすでにアメフト現役復帰が決まっていたのだった。
シーナありきの撮影は19年2月4日から3月29日まで、おもにカナダでおこなわれた。「レッスルマニア35」参戦がギリギリまで不透明だったのは映画撮影のためである。スケジュールの遅れが出れば祭典出場も消えていたのだが、サプライズゲストといった形でシーナはWWEに帰ってきた。ワル学博士バージョンでリングに姿を見せると、アライアスに得意のFU(アテチュードアジャストメント)を決め、溜飲を下げたのだ。
その後、シーナは再び映画界に戻ることとなる。出演作が目白押しで、テレビでもクイズバラエティー「ARE YOU SMARTER THAN A 5TH GRADE?」(日本テレビ「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」のオリジナル版)で6月から司会を担当。遡れば18年11月にはピープルズチョイスアワードに映画「ブロッカーズ」(18年)でノミネートされており、マット界を超越するエンターテイナーとなっていたのだった。