【ズバリ!近況】NHK朝ドラ「心はいつもラムネ色」で主演した新藤栄作、数々の病乗り越えた過去初激白

新型コロナウイルス感染症による自粛期間中に股割りができるように!【写真:荒川祐史】
新型コロナウイルス感染症による自粛期間中に股割りができるように!【写真:荒川祐史】

新人時代は俳優という仕事をなめていた

 ウチの社長には「また変なことやってる」なんて言われましたけど、芝居をするってウソをつくことでしょ。芝居はウソの世界だから。一般の社会でウソをつく人間の末路は不幸なんだから、役者も理にかなった生き方をして、いいウソの付き方――芝居をしないと身体が悪くなるんじゃないかなって思うんですよ。芝居って“人間学”。どうせやるなら、突き詰めてやろうと思っています。2年前から、教えてもいます。元アイドルのひかる一平さんと仲がいいので、彼に頼まれて俳優養成事務所で偶数月の一か月間、週1回。

 デビューしたときは芝居をなめていましたね。俳優になる前はプロのキックボクサーだったんですよ。たかだか4回戦っただけですけど、キックボクシングの試合に出るときは命がけ。その点、演技で命を落とすことはあんまりないですから。キックボクシングは一生できる仕事じゃないなと思ってやめて、俳優に方向転換しましたけど、若いときは生意気だったし、デビューのときに大きなチャンスに恵まれて、傲慢にもなったと思います。いろいろ病気をして、年もとって、丸くなってきました(笑)。

読書が趣味で自宅には数千冊もの蔵書がある

 この5月には、山本陽子さん主演の舞台に出演予定だったんですけど、コロナでできなくなっちゃって、この2か月間は家にこもりきり。読書していましたね。ブックオフを重宝していて、しょっちゅう寄って気になった本を買うのがクセなんで、たまっていた本を読んでいました。実用本、エッセイ、小説、ノンフィクション……何冊も並行して読む。ウチには全部で数千冊はあるでしょうね。本を読み始めたのは、芝居を始めたとき。当時、ロシアの “スタニスラフスキー・システム”って演技論の話をよく聞いたんで、バイトしてはスタニスラフスキーの著書を1冊ずつ買うのが楽しみだったんです。

 読書のほかは毎日欠かさず、夜寝る前に、30~40分ストレッチや呼吸法をしていました。60歳を過ぎたら身体が硬くなってきたんでね。肩周りや股関節中心にやっていたら、股割りができるようになりましたよ。それから、夕食前は週2回筋トレ。内転筋、スクワット、腹筋、背筋……腕立て伏せは200回。それから、ついビール飲んじゃって……ほとんどテレビは見ません。代わりにラジオを聞いています。世田谷のコミュニティー放送局「FM世田谷」の、知り合いがDJをやっている番組で、吉田拓郎サンとか松田聖子サン、河合奈保子サンとか、昔よく聞いていた曲をずっと流しているから、それを聞いています。

 講談のネタ覚えもやっていましたね。26歳のとき、手軽にできる“1人芸”を持っておいたほうがいいと思って、先代(2代目)の神田山陽師匠に一度稽古つけてもらったことがあったんです。2年前に再開し、また町の講談教室で一般人に交じって習っているんです。来年、赤穂四十七士の生き残りの寺坂吉右衛門の噺を1人芝居でやりたいなと思っているんですよ。四十七士の名前を覚えるだけでも大変なんですけどね(笑)。これまで劇団で演出したりもしましたけど、みんなでやるとうまくかみ合わないときもある。その点、1人芝居は結果が良くても悪くても、その責任を全部自分1人で背負うわけだから、潔いかなと思います。楽しみにしていてくれたら、嬉しいですね。

□新藤栄作(しんどう・えいさく)1958年11月28日、和歌山県・美山村(現・日高川町)生まれ。摂陵高校(現・早稲田摂陵高校)在学中に極真空手を始め1977年、奈良大学を中退し上京。キックボクサーとしてプロデビューしたが俳優に転向し1979年、「演劇集団 円」演技研究所入所。1984年10月、NHK朝の連続テレビ小説「心はいつもラムネ色」で主役に抜擢されデビューし平均視聴率40.2%とヒットさせた。翌1985年、映画「俺ら東京さ行ぐだ」(松竹)で主演し第9回日本アカデミー新人俳優賞受賞。1989~1998年、旅バラエティー番組「ふるさとZIP探偵団」(関西テレビ)出演。現在はドラマ、映画、舞台で活動し、2020年9月18、19日には大阪の「HEP HALL」で行われる朗読劇「遠き夏の日」出演。

次のページへ (3/3) 【写真】取材当日、自粛中に読んだ本を持参した
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