飛行機内で過呼吸・パニック…人気芸人が明かした悩み 高所恐怖症を克服経験の医師に聞いた対処法

狭い場所が苦手、そう感じる人は少なくないだろう。閉鎖空間で体調不良に陥ってしまうとなると、悩みはより深刻だ。お笑いコンビ・バッドボーイズの佐田正樹が飛行機搭乗の際にパニック状態に見舞われてしまったことを自身のXで明かしたことが大きな話題を集めた。パニックになってしまう現象にどう向き合い、もし「パニック障害(パニック症)」であればどう対処していけばいいのか。自身も高所恐怖症を克服した経験のある、「健康塾クリニック」(愛知)院長で、内科医の鳥越勝行医師に聞いた。

飛行機内でパニック状態になったらまずは深呼吸で落ち着かせたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】
飛行機内でパニック状態になったらまずは深呼吸で落ち着かせたい(写真はイメージ)【写真:写真AC】

自分でできる対処法として「深呼吸が挙げられます」 内科医に聞いた

 狭い場所が苦手、そう感じる人は少なくないだろう。閉鎖空間で体調不良に陥ってしまうとなると、悩みはより深刻だ。お笑いコンビ・バッドボーイズの佐田正樹が飛行機搭乗の際にパニック状態に見舞われてしまったことを自身のXで明かしたことが大きな話題を集めた。パニックになってしまう現象にどう向き合い、もし「パニック障害(パニック症)」であればどう対処していけばいいのか。自身も高所恐怖症を克服した経験のある、「健康塾クリニック」(愛知)院長で、内科医の鳥越勝行医師に聞いた。(取材・文=吉原知也)

 今年2月に反響を呼んだ佐田の投稿。1年ほど前、MRIに入った時にパニックになり、閉所に対して恐怖心を抱くようになったという。昨年12月に飛行機でも同じ状況になり、飛行機移動を控えていた。ところが、今回、仕事のため久々に飛行機に搭乗しようとしたところ、「過呼吸になってパニックになりました。一度外に出て気持ちを落ち着かせましたが、やはり怖くてもう飛行機に乗れませんでした」と、体調不良に陥ったことを告白。佐田は「今後の飛行機移動に関して、事務所、専門医の方と相談していきます」「日常生活には支障ありません!!」とつづっている。

 過去にパニック症患者を診療した経験を持つ鳥越医師は、狭かったり、逃げるのが難しいなどのある特定の空間にいることで恐怖感に襲われることについて、「動悸(どうき)や発汗、過呼吸、めまい、手足の震えといったパニック発作が起き、これを繰り返す状態をパニック症と言います」と解説する。電車や飛行機といった乗り物、人混みの中、トンネルやエレベーターなど多くの空間が挙げられ、「人によって恐怖を感じる場所や状況は違いますが、『死ぬかもしれない』という強い恐怖心を覚えること、自分ではコントロールできない体の異常が起こることが特徴です」とのことだ。厚生労働省の資料などによると、人口の約1~3%の有病率があるという。

 突然襲い掛かってくる不安と恐怖心。その場での対処法があるといい、鳥越医師は「まず、パニック発作が起きた現場で、自分でできることとして、深呼吸が挙げられます。3秒かけてゆっくりと息を吸い込み、続いて3秒かけてゆっくり吐きます。これを繰り返すことで、数分で落ち着くことが多いです」と説明する。日常生活に支障をきたす場合は、治療が推奨され、「パニック症に対応した薬の投薬治療、認知行動療法も有効とされています」。

 認知行動療法はカウンセリングを通して行われ、症状の改善につなげていく手法だ。鳥越医師は「パニック発作は数分でピークに達します。そのあと必ず収まります。このことを理解しましょう。次に、自分がどんな場所や状況で怖さを感じるのかをリストアップして把握します。そして、『何が怖いのか』を考えていきます。飛行機の場合だったら、閉じ込められるのが怖いのか、落ちてしまうのが怖いのか。もし、墜落に恐怖を感じるのならば、『極端なことを想像せずに、墜落する確率はほぼゼロなんだ』と現実を理解しましょう。こうして、恐怖の洗い出しと理解を繰り返すことで、改善を目指します」と教えてくれた。

 ここで、治療に関して1つ注意点があるという。「怖いと思うことを避け続けてしまうのは、実はあまりよくありません。自分が守られている状況の中で、少しずつ体験を繰り返し、恐怖を感じる状況に慣れていきましょう」と言及した。

 また、もし飛行機を降りたあとも体調不良が続く場合は「エコノミークラス症候群や心臓に関する病気の可能性も出てくるので、そのままにせず医療機関への受診を検討しましょう」と補足した。

 もともとは循環器内科で心臓カテーテル治療を専門とし、内科クリニックを開業。うつ患者や心身不調を訴える人の治療にもあたっている。そんな鳥越医師は自身の経験談を明かす。「実は私自身、高所恐怖症です。バイクが趣味ですが、バイクに乗って高い橋を渡る際、橋の下が見えると、極端に怖くなり、全身がこわばって、よろよろ運転になっていました。それが嫌で、わざと橋の下を見ながら走ったりすることで、数年かけて克服しました」と話している。

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