eスポーツで「生活できる人が増えるように」 大型ゲームイベント支える“技術者”の願い

国内最大級のeスポーツエンターテインメント「RAGE(レイジ)」が、バトルロイヤルシューティングゲーム『Apex Legends』のローンチ5周年を記念した祭典「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」を、東京・幕張メッセで2月24日、25日に開催した。RAGEはこれまでにも大規模ゲームイベントを開催してきたが、成功の裏にはイベントを支える“技術者”たちの存在がある。その舞台裏をRAGEの技術パートナーとして4年目を迎えたコーユーイノテックス株式会社の常務執行役員・坂本政弘氏に話を聞いた。

多くの技術者が関わった「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」【写真:ENCOUNT編集部】
多くの技術者が関わった「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」【写真:ENCOUNT編集部】

RAGE技術パートナー・コーユーイノテックスにインタビュー

 国内最大級のeスポーツエンターテインメント「RAGE(レイジ)」が、バトルロイヤルシューティングゲーム『Apex Legends』のローンチ5周年を記念した祭典「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL 2024 WINTER」を、東京・幕張メッセで2月24日、25日に開催した。RAGEはこれまでにも大規模ゲームイベントを開催してきたが、成功の裏にはイベントを支える“技術者”たちの存在がある。その舞台裏をRAGEの技術パートナーとして4年目を迎えたコーユーイノテックス株式会社の常務執行役員・坂本政弘氏に話を聞いた。(取材・構成=石井宗一朗)

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 日本初開催となった「APEX LEGENDS ASIA FESTIVAL」。世界的トップチームであるTSMやAllianceが参加したほか、“日本代表”としてHIKAKIN、加藤純一、SHAKA、山本彩、貴島明日香といった豪華インフルエンサーらが出場。試合が観戦できるステージエリアとは別に、プレイエリアや展覧エリア、フードエリア、チームブースも用意され、会場でしか楽しめないコンテンツが勢ぞろいした。

 ◇ ◇ ◇

――コーユーイノテックスはどういった会社なのでしょうか。

「幅広いICT機器のレンタルラインアップを取り揃えており、必要な台数を必要な期間素早くレンタルで提供しています。最近では、eスポーツのオフラインイベントにおいて会場内のネットワーク設計から工事、保守に至るまでを一貫してサポートしています」

――RAGEの技術パートナーとして4年目を迎えました。きっかけは何だったのでしょうか。

「もともとネットワーク工事が得意な会社で、国内の大きなゲームイベントのネットワーク設計を10年間行っておりました。その知識から今後発展するであろうeスポーツ業界においてお手伝いできることがあるのではと思い、RAGEの皆さんに我々から積極的に働きかけたのが始まりです」

――大型オフラインイベント開催までにどのような苦労がありましたか。

「初めは一緒にやるにあたり、“目指す場所”に対し、我々がどういうふうに応えていかなければならないのかを知る必要がありました。コロナ禍でイベント開催が難しい時期でしたが、さまざまな人に“実現したいこと”を聞いて回りました。

 ゲームそのもの、そしてRAGEさんがやろうとしていることへの理解を踏まえた上でサ―ビスを提供していく、という考えは1年目から持っていて、ネットワークを使ってRAGEにどうやって貢献していくのかを本気で考えるようメンバー1人1人に指導しています。言われたことをただやるのではなく、“一緒に面白いものを本気で作る”という意識。そこは今でもまったく変わっていません」

60台の端末で同時にゲームを行った【写真:ENCOUNT編集部】
60台の端末で同時にゲームを行った【写真:ENCOUNT編集部】

――“裏”を支えている側としてRAGE、そしてゲーム業界の発展についてどのように感じていらっしゃいますか。

「我々の業務はRAGEチームが自由な発想でイベントを設計できるよう、eスポーツの根幹となるネットワークでその下支えを行っています。昨今ではeスポーツイベントのコンテンツも多様化してきており、事前にきっちりと要望をヒアリングしたうえでのネットワーク設計が求められる。特に今回のイベントは60台の端末が同時にゲームを行う関係上、慎重なネットワーク構築が求められましたが、これまでのイベントの経験をフルに活用することでこの問題に対処できました」

――RAGEの技術パートナーとして、これまでに難しかったこと、予期せぬトラブルなどはございましたか。

「基本的にイベントは生モノですのでいろいろな問題が起きてしまうものなんです。大切なことはその問題をどこまで予測して、どこまで準備をしておくか。それに加え、我々のこだわりとして“ネットワークの見える化“を行っていますので、トラブル発生時に関係各所とすぐに原因追及ができるようにしています。過去にあった事例として、事前に申請のあったネットワークの使い方以上の使用を検知して、トラブルの元を未然に防いだこともありました」

インタビューに応じたコーユーイノテックスの坂本政弘氏【写真:ENCOUNT編集部】
インタビューに応じたコーユーイノテックスの坂本政弘氏【写真:ENCOUNT編集部】

――これまでRAGEと一緒にやっていく中で、特に印象的だったことは。

「一番印象的だったのは、コロナ明けにやった大きなイベント(2022年5月開催のRAGE VALORANT 2022 Spring)。ものすごい数の人が声援を送っていて、“熱”を感じることができました。『やっとコロナが明けたんだな』と実感するとともに、『RAGEもこれからどんどん大きくなっていくんだろうな』と思えるようなイベントでした」

――今後のRAGEにどのようなことを期待していらっしゃいますか。

「RAGEさんはこれから“斬新なこと”に取り組んでいかれると思います。そこにコミットするのが我々の仕事。RAGEの進化はコーユーイノテックスの進化であると考えています。

 そしてRAGEをきっかけに、このeスポーツ業界がもっともっと盛り上がって欲しい。最終的に、この業界でご飯が食べられる人、生活していける人が1人でも増えるよう我々も支えていきたいです」

――RAGEを見てこの業界に携わりたいと思った人もいると思います。コーユーイノテックスではどういった人材を求めていらっしゃいますか。

「この業界が好きな新たな技術者を募集しています。専門的な知識があることが望ましいですが、携わりたいという思いが形になるのが技術者。まったくの素人がやるのは大変かもしれませんが、やりながら覚えることのできる熱意ある方を待っています」

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