STU48今村美月が“避けてきた”写真集に挑戦した理由 「メンバーの今後につながったら」

瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループSTU48の1期生・今村美月は、3月4日に1st写真集「月の位置」(東京ニュース通信社)をリリースする。17歳でアイドルとなり、自分に自信を持てずにいた彼女がこれまで挑戦を避けてきた写真集。奇しくもグループ卒業のタイミングと重なった一冊に込めた思いについて聞いた。

STU48今村美月が写真集を発売。水着やランジェリー姿にも初挑戦【写真:小田智史】
STU48今村美月が写真集を発売。水着やランジェリー姿にも初挑戦【写真:小田智史】

初挑戦の写真集は「ありのまま」と「大人っぽさ」を追求

 瀬戸内7県を拠点とするアイドルグループSTU48の1期生・今村美月は、3月4日に1st写真集「月の位置」(東京ニュース通信社)をリリースする。17歳でアイドルとなり、自分に自信を持てずにいた彼女がこれまで挑戦を避けてきた写真集。奇しくもグループ卒業のタイミングと重なった一冊に込めた思いについて聞いた。(取材・文=小田智史)

 写真集の話が検討され始めたのは、2023年の夏頃。「写真集という表現する場が、女優として、また、ステージに立つ表現者としての今後の道につながってくれたら」という出版社側の熱意が、「(肌の)露出の面もあって、写真集とかグラビアはやらないと言っていた」今村の心に届く形となった。

「私も好きなアイドルさんの写真集を買うことはあって、ファンの人は自分の推しだけが映っている本は絶対に嬉しいんだろうなと思っていました。ただ、自分自身に置き換えてみると、自信もないし、ずっと見られるのが恥ずかしくて(笑)、あまり考えたことはなかったんです。でも、卒業を考えて、今しかできないことをいろいろやれたらいいなと思っていました。(48グループの総合プロデューサーを務める)秋元(康)先生からの(写真集の)タイトルとか帯(文)は48グループメンバーである今しかいただけないものだなというイメージがあったのと、『B.L.T.』さんや『blt graph.』さんに出ている時の私を好きと言ってくれるファンの方がたくさんいたので、いろんなことが合わさって決断しました」

 撮影は、地元である広島県と岡山県をロケ地に3泊4日で実施。STU48の活動でゆかりのある広島港や尾道、自身初となるゲレンデ、のどかな佇まいを残す岡山県の真鍋島など、さまざまな場所で今村の姿が切り取られている。

「STU48にいるうちにということで、瀬戸内で撮影できたらいいなとは思っていました。瀬戸内はもちろん、ほかにも行きたい場所はたくさんありましたが、自分が生まれた広島県で撮影ができてうれしかったです。1番最初に撮影したのが(広島の)雪山のゲレンデで、スキー場に行くのが初めての経験でした。北海道で雪景色を見たことはありましたけど、広島でのきれいな雪景色には感動しましたし、雪まみれになって撮影したり、自由にやらせていただいて、いいスタートが切れました」

 今回の写真集では、自身初となる水着やランジェリー姿にも挑戦。今村らしいキュートさはもちろん、「大人っぽく」という本人の意向も反映されている。撮影にあたっては、極端な食事制限などはせず、「甘いものを少し控えようかなくらいで、ありのままで行こうという気持ち」で臨んだという。

「中学2年生以降は泳いでいなくて、大人になったから大丈夫かなと思ったんですけど、泳ごうとしたらすぐにおぼれてダメでした(笑)。水着やランジェリーは私自身初めてで、最初は恥ずかしかったです。でも、スタイリストさん、メイクさん、カメラマンさんが素敵な作品を作ってくださったので、恥ずかしさからどんどんノリノリになっていって、楽しく撮影できました。今は早く世に写真集が出てほしいという気持ちです」

お気に入りは尾道の古民家でのショットだという【写真:小田智史】
お気に入りは尾道の古民家でのショットだという【写真:小田智史】

タイトル「月の位置」はミステリアスさに惹かれる

 写真集のコンセプトとしては、「卒業の思い出」「アイドルとして最後の姿を残す」ではなく、「女優として何を表現できるのか」を目指した。今村も「ステージに立っていると同じような感覚で撮影させていただきました」と話す。

「少しシックな場所や衣装で撮影した時は大人っぽい楽曲のイメージで自分も表情づくりをしました。ステージに立っている時のありのままの自分、普段のありのままの自分、みたいな感じですかね(笑)。(写真集は)ずっと自分がやらないものだと思っていましたけど、すごくいいタイミングでお話をいただいて決断したので、やって良かったなと。食わず嫌いではないですけど、自分のイメージだけで挑戦しないことはもったいないし、初めて挑戦したこともあって、その分成長できたと思います」

 全132ページの中で、今村のお気に入りのショットは――。「尾道の古民家で、紺色のランジェリー姿で書道をしているカット。夕方頃に撮影したんですが、光も良くて、すべての世界観がマッチしている感じがお気に入りです」と明かしつつ、写真集の見どころを語る。

「1ページ1ページ表情も違うと思うのでそこを見てほしいし、メンバーにはたくさんヒップをほめてもらったので、そこが注目ポイントかなと思います。私は恥ずかしいと思ってしまう性格で、遠征した時の宿泊先に大浴場があっても見られたくないからあまり行かないタイプ(笑)。メンバー同士でボディラインを見せ合うことはこれまでなかったけど、写真集の機会をいただいて、写真を見てほめてもらって、メンバーに気づかせてもらうというか、そこで自分のヒップの良さに気づきました(笑)。

 ファンのみなさんも(写真集を)喜んでくださっています。(肌の)露出の面もあって私が写真集とかグラビアはやらないということを言っていたので、写真集を出すことにびっくりしている方もいらっしゃいました。でも、『出さないと言っていたから諦めていたけど、出してくれてうれしい』と言ってくださる方も多くて、これまで自分が避けてきたことで、知らぬ間に我慢させてしまっていたんだと気づきもありましたし、予想していなかったからこそギャップもあって喜んでいただけているのかなと思います」

 そんな写真集のタイトルは、自身の名前にある「月」が入った「月の位置」。帯文では、秋元氏から「美しい月は、確かにそこにある。ただ、正しい位置がわからない。だから、誰もが毎夜、空を見上げることになる」とコメントが寄せられている。

「タイトルに自分の名前の『月』が入っていて、自分の今いる『位置』も分からないし、ミステリアスな雰囲気がいいなと思いました。帯のコメントをいただいて、私は卒業でグループを去るタイミングで、自分がこれからどうなっていくのか、未来は分からない。ふと気になって見上げるというか、私のことを思い出してみて、今の私をこれから先もみなさんに感じてもらいたいというような思いを感じ、とてもうれしかったです」

今村はステージでは「自信のある人に化けようとしている」と話す【写真:小田智史】
今村はステージでは「自信のある人に化けようとしている」と話す【写真:小田智史】

アイドル今村美月は「音楽とステージが大好きな表現者」

 今村は「月」にかけて、写真集の出来に「満点ならぬ満月(笑)。素晴らしい作品ができました」と笑顔を覗かせる。

 昨年12月24日にSTU48からの卒業を発表。卒業コンサートの開催日であり、最終活動日である「3月31日」はグループが結成された記念日にあたる。「卒業コンサートの日程は自分で決めた」という。

「STU48にゆかりのある日、(結成の)大切な日に旅立てたらいいなという思いがありました。最近は池ちゃん(STU48 2期生の池田裕楽)がソロコンサートを開催しましたけど、ソロツアーはSTU48の中で初めてのことで、卒業を決めてから、写真集やソロツアーと個人で挑戦させていただくことが増えました。コンサートもできればメンバー全員にやってもらいたいくらい。グループ初めてのこともさせてもらえているので、自分がいい結果を残して、今グループにいるメンバーの今後につながったらいいなと思います」

 自分に自信が持てずにいた謙虚な性格でありながら、2020年1月からキャプテンの重責を担い、メンバーを支えながらグループを牽引してきた今村。自分が見た「アイドル今村美月」はどんな印象なのか。

「難しいですね(苦笑)。私はいわゆる王道アイドルではないと思います。ただただ音楽とステージが大好きな表現者、かな。何事にも上には上がいるという考えで、周りを見てしまうタイプ。歌もダンスもお芝居もまだ自信があるわけではない。でも、ステージに立つ時だけはそれを忘れて、(自信のある人に)化けようとしています。私自身、自信のある人を見るのが好きなので」

 今回の写真集挑戦は、今村が自分自身の殻をまた1つ破るきっかけになったに違いない。

□今村美月(いまむら・みつき)2000年2月19日、広島県出身。STU48 1期生。得意のダンスと歌はもちろん、自分らしく優しさと思いやりでメンバーを支える2代目キャプテン。今年3月31日の卒業コンサートを持ってグループを卒業。2月には新事務所所属も決まっており、今後は歌やダンス、芝居に力を入れていく未来像を描く。

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