【相棒22】シーズン1に出演の落語家が22年ぶりに登場 視聴者「相棒だからできること」

俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒SEASON22』(水曜午後9時)の第16話が、14日に放送された。今回は、2002年放送の『相棒SEASON1』に出演した落語家・橘亭青楽(小宮孝泰)が22年ぶりに登場し、話題となっている。

水谷豊【写真:ENCOUNT編集部】
水谷豊【写真:ENCOUNT編集部】

22年前に罪をおかした青楽が復帰落語会で行方不明に

 俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒SEASON22』(水曜午後9時)の第16話が、14日に放送された。今回は、2002年放送の『相棒SEASON1』に出演した落語家・橘亭青楽(小宮孝泰)が22年ぶりに登場し、話題となっている。

 同作は、2000年に誕生した刑事ドラマシリーズ。警視庁で“人材の墓場”と呼ばれる『特命係』に配属された警部・杉下右京とその相棒たちが、数々の犯罪事件を解決していく。もともとキャリアとして警察庁に入庁した右京は、“切れモノ”過ぎるが故に上層部からにらまれ閑職に追いやられたが、卓越した洞察力と名推理で事件の謎を解き明かしていく。

 寺脇演じる特命係巡査部長の亀山薫は、SEASON1からの“初代相棒”。約14年ぶりに“五代目相棒”として右京とのコンビが復活し、今作で再会2年目となる。

(※以下、ドラマの内容に関する記述があります)

 右京と薫は、とあるクラブで開催された落語会を訪れる。落語家の橘亭青楽が、『復帰NIGHT』として高座をつとめるという。青楽は、薫が特命係に配属された当初、元アイドルの妻・美奈子(大西結花)を脅迫していた男を殺害した罪で服役していた人物。出所後、落語界に戻り、世話になった右京たちを復帰公演に招いたのだった。会場のクラブは、親が青楽ファンだったという若いオーナー(瀧川鯉斗)が提供してくれたという。

 しかし開演直前、青楽は控室から姿を消してしまう。急きょ、公演は中止に。オーナーによると、誰かと電話で言い争っていた青楽は、「目黒」という地名を口にしていたという。同じ頃、都内のバーでマスターが刺殺された。マスターの名前は目黒徹(大賀太郎)。現場には青楽の物と思われる手ぬぐいが落ちていた。

 調べると、青楽はボランティアとして刑務所で落語を教えており、元受刑者だった目黒も教わっていた。右京と薫は独自の捜査を進め、青楽から熱心に稽古をつけてもらっていた根津幸作(菅田俊)に話を聞きに行くことに。

 根津は23年前に鉄工所の社長を刺殺し、800万円を奪った強盗殺人の罪で無期懲役の刑に服している。奪った800万円のうち、200万円を元妻に送り、あとはギャンブルで使ったという。しかし根津は、青楽の落語会を熱心に学び、赤ん坊が登場する演目『子ほめ』では、根津をうならせるしゃべりを見せていた。美奈子によると、青楽は「一線を超えた人間にはその人間にしかないニオイがある。なのに根津さんは違う。そのニオイがしないんだ」と根津を気にしていたという。しかし根津は、面会に訪れた右京たちに何も語らない。

根津が隠していた事実…青楽との師弟関係に「切なく染みる話だぁ…」

 捜査を進めた右京たちは、根津に“福ちゃん”と呼んでいた長男・福太郎がいたことを知る。しかし釣りに行った際、根津の不注意で川で溺れて亡くなってしまっていた。右京は根津の過去や、根津に差し入れをしている人物がいること、青楽と根津の落語指導ノートを見たことから、ある可能性を思い浮かべる。

 右京と薫は、膵臓癌で医療刑務所に送られた根津のもとを訪れた。ベッドで横たわる根津に右京は、鉄工所の事件で根津が他の人物の罪をかぶったと指摘する。根津は「助けてくれ、師匠を」と、目黒殺しの容疑をかけられた青楽を救うため、事実を打ち明けた。

 当時、実際に社長を殺害したのは、根津の同僚だった瀬尾福一という若い男だった。瀬尾を“福ちゃん”と呼んでかわいがっていた根津は、母親の入院費用を手に入れるため社長を刺殺した瀬尾をかばい、罪をかぶっていた。奪った800万円のうち600万円は瀬尾に渡し、残り200万円は息子のお墓を建てるために元妻に渡していた。青楽もまた、根津の無罪に気づいていたのだった。根津は、その事実を知った目黒が瀬尾を脅迫しようとしていたことを知り、瀬尾をかばうため、隠した凶器のありかを青楽に伝えていた。

 行方不明になっていた青楽は、拘束された状態で落語会の会場となったクラブで見つかった。クラブのオーナーは、顔を変えた瀬尾(瀧川鯉斗)だったのだ。根津や目黒と接点のある青楽に近づいた瀬尾は、青楽が落語会に右京たちを招いたことで、過去の事実がバレたと勘違いし、青楽を拘束。目黒を殺害していた。

 病床の根津のもとへ向かった青楽は、無事に高座復帰できることになったと報告する。青楽が、「最期に、あんたに聞いてほしかった」と語ると、「最期じゃねえよ」と口にする根津。「俺にとっちゃ、門出だ。やっと息子に会える」と伝え、息を引き取った。ラストシーンでは、“浅草東陽亭”で『子ほめ』を披露する青楽の姿があった。

 過去に罪をおかした青楽と服役中の根津との師弟関係に、SNS上では「あじわい深い人間ドラマでした」「何もかも報われない根津さんの人生だったけど、師匠の落語のおかげで最後の最後に救われて、青楽さんはそれでまたやり直そうと思えた。切なく染みる話だぁ…」と感想が。また、「シーズン1の犯人が20年以上の時を経てこうして出てくるのすごいな。相棒だからできることだよな」「再登場はこれまでの歴史を感じる」とシリーズの歴史に感心する声もあがっている。

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