杉咲花へのオファー理由は「表現の幅」 女優主演賞を受賞に笑み「光栄に思っています」

俳優の杉咲花が14日、都内で行われた、「第77回毎日映画コンクール」の表彰式に出席した。映画『市子』での熱演が評価され、女優主演賞を受賞した。

表彰式に登壇した杉咲花【写真:山口比佐夫】
表彰式に登壇した杉咲花【写真:山口比佐夫】

映画『市子』での熱演が評価

 俳優の杉咲花が14日、都内で行われた、「第77回毎日映画コンクール」の表彰式に出席した。映画『市子』での熱演が評価され、女優主演賞を受賞した。

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 杉咲は、痛ましいほどの過酷な家庭環境で育ちながらも、「生きること」を諦めなかった川辺市子を演じた。抗えない境遇に翻弄された彼女の壮絶な半生を、凄まじい熱量で体現。芝居を超えて役を生き抜く姿を鮮烈に観る者の心に焼き付けた。

 黒のドレス姿で登壇した杉咲は「すてきな賞をいただき光栄に思っています。この賞は映画に関わったみなさんと喜びを分け合いたいと思います」と感謝を伝えた。

 さらに、ステージには戸田監督が祝福にかけつけ、花束を贈った。オファーした理由を、戸田監督は「表現の幅。何より目から引力を感じる女優さんだと思っていて」と説明した。

 今後について、杉咲は「変化というものはあまり感じていないんですけども、引き続き粛々と向き合っていきたい」と意気込んだ。

 毎日映画コンクールは1946年に創立された映画賞で、映画・作品だけではなく撮影や美術、録音のスタッフ、日本映画を代表する名女優・田中絹代の名を冠する賞など、幅広い部門を設けているのが特徴となっている。

 各賞は、第一線で活躍中の映画評論家やジャーナリスト、専門家など約70人が選考に関わる。対象作品は2023年1月1日から12月31日までに国内14日以上、有料で劇場公開された作品。なお、アニメーションおよびドキュメンタリー部門は、同期間に完成もしくは上映された作品が対象となる。司会は生島ヒロシらが務めた。俳優部門の受賞者にはトロフィーとスーツケースが贈られた。

 原作は、戸田彬弘監督が主宰する劇団チーズtheater旗揚げ公演作品でもあり、サンモールスタジオ選定賞2015では最優秀脚本賞を受賞した「川辺市子のために」。観客から熱い支持を受け再演された舞台が映画化された。

第78回毎日映画コンクール 表彰式登壇一覧

日本映画大賞:「せかいのおきく」(阪本順治監督)

日本映画優秀賞:「ほかげ」(塚本晋也監督)

外国映画ベストワン賞:「TAR/ター」(トッド・フィールド監督)

男優主演賞:鈴木亮平「エゴイスト」

女優主演賞:杉咲花「市子」

男優助演賞:宮沢氷魚「エゴイスト」

女優助演賞:広瀬すず「キリエのうた」

スポニチグランプリ新人賞(男性):アフロ「さよなら ほやマン」

スポニチグランプル新人賞(女性):サリngROCK「BAD LANDS バッド・ランズ」

監督賞:石井裕也「月」

脚本賞:阪本順治「せかいのおきく」

撮影賞:鎌苅洋一「月」

美術賞:上條安里「ゴジラ-1.0」

音楽賞:ジム・オルーク「658km、陽子の旅」

録音賞:志満順一「せかいのおきく」

アニメーション映画賞:「アリスとテレスのまぼろし工場」(岡田麿里監督)

大藤信郎賞:「君たちはどう生きるか」(宮崎駿監督)

ドキュメンタリー映画賞:「『生きる』大川小学校 津波裁判を闘った人たち」(寺田和弘監督)

TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・日本映画部門:「劇場版 美しい彼~eternal~」(萩原利久、八木勇征)

TSUTAYA DISCAS映画ファン賞・外国映画部門:「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(ダニエル・クワン ダニエル・シャイナート監督)

田中絹代賞:薬師丸ひろ子

特別賞:鈴木敏夫(スタジオジブリ プロデューサー)

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