メンバー卒業が相次ぐAKB48…新センター目指す下尾みうの人生を変えた韓国のオーディション番組

AKB48の下尾みうが、初写真集『僕だけのもの』を2月9日に発売する。韓国のオーディション番組『PRODUCE48』でのパフォーマンスで注目され、クールなたたずまいと確かなスキルでグループの選抜入りも続けている。彼女は今、何を考えながら活動をしているのか。進化する22歳の思いを聞いた。

1st写真集を出版したAKB48の下尾みう【写真:北野翔也】
1st写真集を出版したAKB48の下尾みう【写真:北野翔也】

性格診断は「多才で頑固な自由人」

 AKB48の下尾みうが、初写真集『僕だけのもの』を2月9日に発売する。韓国のオーディション番組『PRODUCE48』でのパフォーマンスで注目され、クールなたたずまいと確かなスキルでグループの選抜入りも続けている。彼女は今、何を考えながら活動をしているのか。進化する22歳の思いを聞いた。(取材・文=大宮高史)

――初めての写真集ですが、コンセプトは。

「着飾りすぎない『今の下尾みう』を、たくさんの角度から掘り下げて撮っていただけました。お風呂場で撮った正統派のグラビアもありつつ、(地元山口県の)秋吉台や下関、(北九州市の)門司でも撮ってきました。私の実家でも、家族や愛犬と一緒に撮影もできました。久々の帰省でもあり、『次はいつ会えるかな、いつまで健康でいられるかな』と思うと、家族と別れる時はどうしても寂しさがこみ上げてきて。その別れる時のショットも載せていただきました」

――好きなショットはありますか。

「下関の市場で夜に撮った(素の)ショットです。本来は撮影が終わって街を散歩していたところのオフショットだったのですが『表情がすごくいい!』と現場で話題になって、(写真集に)載りました。『天然キャラ』と言われることが多い私ですが、女優さんのような大人っぽいショットが撮れて、新しい一面も開拓できたと思います。アイドルらしさと大人っぽさ、どちらの私も楽しんでほしいです」

――2年前からYouTubeで始めた倉野尾成美さんとの「なるたおちゃんねる」が人気ですね。

「もともとなる(倉野尾)が1人でチャンネルを持っていて、彼女に誘われてここまで続けてきました。仲良くなれたきっかけはその前にあって、なると一緒に帰り道を歩いて、気づいたら1駅分歩いていたくらいお互いのことを話していたことがありました。心の距離が近づいて、それ以降、特に何でも話し合える仲になれました」

――最近、おふたりでMBTI(自己申告型アンケート)の性格診断をやってみた動画がありましたが、下尾さんはISFP型で「多才で頑固な自由人」という結果が出ていました。

「『自由人』という自覚がなかったので、意外に感じつつうれしかったですね。『自分に素直に振る舞いたくても、周囲を気にしすぎてしまう性格だな』と思っていたので。『もっと、自由にしていいよ』ってグループの中でも言われていたんです」

――他人と比較しがちだったのでしょうか。

「気にしなくてもいいようなことを気にして、勝手に気分がへこんでしまう傾向がありました。ネガティブさを打ち消すために『今日は楽しかったことだけを振り返る。終わり!』と気持ちを切り替えると、他人との比較にとらわれなくなったんです。そうすることで自分の意見も言えるようになって、引っ込み思案な面がなくなっていきました」

――下尾さんといえば、2018年の『PRODUCE48』への応募とパフォーマンスでも話題になりました。

「実は『PRODUCE48』に応募する前は、ここまで芸能活動を続けようとは思っていなかったんです。当時高校2年生でしたが、卒業したらAKB48も卒業して大学に進学しようと思っていました。なので、『AKB48を卒業する前にやりたいことは何でもチャレンジしよう』という一心で受けたのがあの企画でした。おかげで韓国の文化を直に体感して大好きになれましたし、出演がきっかけでファッション誌のお仕事をいただいたりと、大きな転機になりました」

――その後も韓国や山口県にまつわる仕事が続きつつ、昨年は『美男ペコパンと悪魔』で映画主演も経験しました。

「ヴィクトル・ユゴーの童話をアレンジしたファンタジーな映画になりました。私は中世ヨーロッパの姫と現代の女子高生の1人二役をさせていただきつつ、恋愛要素もあったので緊張しながらのクランクインだったんです。共演者やスタッフの皆さんのやさしさに助けていただいた作品で、海外の映画祭でも上映の機会をいただけました」

――昨年から今年にかけて、AKB48では多くのメンバーの卒業もありました。心境にも変化はありましたか。

「頼っていたメンバーが卒業していって『頼られる側になったことを自覚しないと』と思っています。ライブパフォーマンスひとつにしても、今まではアドバイスをくれた仲間に助けられていたので、『今度は私がその穴を埋めてあげないと』と考えています。そして、いい意味で行動にブレーキをかけないようになりました」

――先ほどの「自由人」に近づいてきたということでしょうか。

「そうですね。もともとの私が人の目を気にし過ぎてしまうところがあって、自由な人に憧れていたのに踏み出せずにいました。先輩ポジションになったからといってことさらに使命感を意識しているわけではありません。なので、気づいたらやりたいお仕事にも踏み出せていて、以前よりものびのびと振る舞えるようになりました。動画の中でもなるに言われたように、自由人になれているようです」

――3月には柏木由紀さんの卒業コンサートも開催されます。

「ゆきりん(柏木)さんは飾らなくて、一緒にいるとすごく居心地のいい人です。振り返ると、私が加入したての頃は『芸能人として近づきがたい存在なのかな』と勝手に思っていました(笑)。おそるおそる話しかけてみたら、人柄まで好きになっていました」

――昨秋には柏木さんのYouTubeに倉野尾さんと出演した時、パフォーマンスも褒められていました。

「感無量でした。デビューした頃に『チームB推し』の振り覚えが苦手ですごく怒られてへこんでしまい、ゆきりんさんのダンスを必死で覚えて鍛えていた思い出があるので、『お手本にしていた方に褒めていただける日が来るなんて』という思いです。そして、ゆきりんさんはコンサートへの真剣さが抜きんでているんですよ。個々のメンバーのために立ち振る舞いはもちろん、カメラへの目線の送り方までアドバイスをくれていました。卒業されても私たちのコンサートの演出をやってほしいくらいに思っています。本当に感謝と信頼の気持ちでいっぱいです。」

――YouTubeでは、多くの「今年の目標」も話していました。「髪をブロンドに染める」「センター曲の獲得」「選抜入りの継続」など。

「今年、大学を卒業するタイミングでもありますので、イメチェンで髪も変えてみようかなと。『AKB48にいるからには、代表曲といえる楽曲をいただきたい』と思っていたのですが、やはり、人からの反応が気になってなかなか口に出して言うのが恥ずかしくて。ですが、公言すれば“言霊”になって実現すると信じています。センター曲も取りに行きます」

――『ONE PIECE』のアニメ全話視聴や“パン活”も目標にしていて、趣味の方もアクティブです。

「『ONE PIECE』はなるに勧めてもらったんですよ(笑)。今、700話くらいまで見てきたので、あと300話ほどで目標達成です。趣味の活動も発信していきたいですし、山口県に関わるお仕事なら何でもオファーを待っています。山口の話題なら何でも話せますので、観光大使のお話もぜひともお待ちしています!(笑)」

□下尾みう(したお・みう) 2001年4月3日、山口県生まれ。14年4月、AKB48メンバーとしてお披露目。18年にオーディション番組『PRODUCE48』で最終選考まで進出し、同年には、AKB48 54th シングル『NO WAY MAN』で初選抜入り。23年に映画『美男ペコパンと悪魔』で主演。最新シングル『アイドルなんかじゃなかったら』で7度目の選抜入り。163センチ。血液型A。

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