原田泰造、『おっパン』配信で東海テレビドラマ最高を記録中“漫画原作のイメージを大切に”

 ネプチューンの原田泰造(53)が主演する東海テレビ・フジテレビ系連続ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(土曜午後11時40分)が好評だ。昭和生まれのおっさんがゲイの青年との交流を機に古い価値観をアップデートしていくコメディー。原田が昭和のおっさんについて語った。

ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』で主演を務める原田泰造【写真:ENCOUNT編集部】
ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』で主演を務める原田泰造【写真:ENCOUNT編集部】

若手俳優との共演に刺激「僕の若い頃は遅刻したり」

 ネプチューンの原田泰造(53)が主演する東海テレビ・フジテレビ系連続ドラマ『おっさんのパンツがなんだっていいじゃないか!』(土曜午後11時40分)が好評だ。昭和生まれのおっさんがゲイの青年との交流を機に古い価値観をアップデートしていくコメディー。原田が昭和のおっさんについて語った。(取材・文=平辻哲也)

 同ドラマは2021年3月から「LINEマンガ」に連載中の練馬ジムによるコミックが原作。高校生の息子・翔(城桧吏)と腐女子の娘・萌(大原梓)を持つ51歳のおっさん・沖田誠(原田)が、獣医学部に通うゲイの青年、五十嵐大地(中島颯太)と出会い、古い価値観に抗い、戸惑いながらも、家族のためにアップデートに奮闘する姿を描く。TVer、フジテレビ系配信サービスFODでは東海テレビドラマ史上最高の再生回数を記録している。

「好評だと聞くのはうれしいですね」と原田。

 誠は、事務機器リース会社の営業戦略室長を務めるが、「お茶は女性が入れたほうがいい」「男は男らしく」などジェンダーレスな時代に合わない言葉で周囲から距離を置かれ、2人の子どもからも嫌われている。

「漫画を読んで、台本を読んで面白いと思いました。漫画原作があるので、そのイメージを壊さないようにと思って演じています。誠は会社でも地位があって、家族にも愛を持っていて、お父さんをちゃんとやろうとしている。僕はもっとダラダラしている。あまり、家でも動かないし。誠は価値観には問題ありますが、僕よりもしっかりしていますよ」と笑う。

 最近では、NHKドラマ『生理のおじさんとその娘』(23年)など父親役を多く演じているが、実生活では長男と長女の父親。2人の子どもは既に独立している。

「僕自身もお父さんだから、時代劇より演じやすいところはあるかもしれない。ただ、僕は子育てにあまり協力してこなかった。学校行事も、奥さんに任せっきりでしたし、子どもたちには、『やりたいことをやって欲しい』という感じはありましたけど、誠のように『ああしろ』『こうしろ』というお父さんじゃなかったかな」

 第2話では、高熱でダウンした腐女子の娘・萌に代わって、コミックマーケットに参加するエピソードもある。

「息子が中学か、高校の時にフィギュア集めにハマったことがあって、『このフィギュア捨てていい?』と聞いたことがあります。そんなに強く言ったわけでもないんだけど、奥さんはまだ怒っています。誠は、娘のために、コミケにまで行くのだから、偉いですよね。僕には、ああいうことはできなかったから」

 妻とはアルバイト時代に知り合い、結婚29年目。

「奥さんには感謝しかないですね。うちは奥さんを中心に回っている。一日あったことを、僕が言ったり、息子、娘が言ったりして、全部把握している。奥さんは、あまり仕事のことは言ってこない。僕も『どうだった?』と聞かない。批判されるのはイヤでしょ(笑)。『おっパン』で銭湯のシーンがあったけど、『(体が)ムチムチだったね』とは言っていた(笑)。こういうちょっと刺さることを言うわけです」

 ドラマの撮影は昨年末には終了しているが、若手俳優との共演には刺激をもらった。

「若い人たちが真面目で頑張っている。今もそうだけども、僕が若い頃はもっとダラダラしていたかな。翔、萌、大地君と話していると、すごくしっかりしているな、すげーなぁ、と。朝早くてもちゃんと時間通りに来るし、夜もみんなにあいさつして帰っていく。このペースでできるのかな? と思ったら、最終回までちゃんとやっていた。僕の若い頃は遅刻したり、あいさつしないで帰ったり……。それは、僕みたいのがあいさつしても仕方ないと思っていたんですけどね」

 ジェネレーションギャップは感じていない。

「向こうは感じているのかもしれないけど。ただ、最近の歌は、あんまり頭に入らなくなってきたかな。紅白歌合戦を見るのは楽しみなんですけどね。スマホの時代になって、若い子たちは自撮りしているけど、僕はちょっと恥ずかしいかな。家族で旅行に行くと、娘の写真待ちの時間もあって、そういうのを見ていると、かわいいなと思ってしまう」

 題名にちなんで、愛用のパンツを聞くと、「黒のボクサータイプかな。なんだっていいけど、黒がいいかな。大地君が履いているような派手なやつは、あんまり好まない感じかな(笑)」

 ドラマ人気を受け、シリーズ化も期待されるが、「誠にはまだアップデートできるところがあるんだろうと思っています。そういうところは残しておかないといけないですね(笑)」。最終回まで、誠はどんなアップデートを見せるのだろうか。

□原田泰造(はらだ・たいぞう)1970年3月24日生まれ。「ネプチューン」のメンバーとして活躍する一方、俳優として多数のドラマ・映画・舞台に出演。「編集王」(CX)でテレビドラマ初主演、2004年『ジャンプ』(竹下昌男監督)で映画初主演。主な出演作にドラマでは、NHK大河ドラマ『篤姫』『龍馬伝』『花燃ゆ』、NHK連続テレビ小説『ごちそうさん』、NHK特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』、『サ道』(TX)、『祈りのカルテ』(NTV)、『はぐれ刑事三世』(EX)、映画では『ミッドナイト・バス』(竹下昌男監督)、『スマホを落としただけなのに』(中田秀夫監督)など。

スタイリスト:上井大輔(demdem inc.)

衣裳提供:(株)エクスプローラーズトーキョー プレスルーム

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