三谷幸喜氏、声を震わせ『セクシー田中さん』原作者を追悼「踏みとどまってほしかった」
脚本家の三谷幸喜氏が3日、レギュラーを務めるTBS系『情報7daysニュースキャスター』(土曜午後10時)に出演し、日本テレビ系でドラマ化された『セクシー田中さん』の原作者で、1月29日に急死した漫画家・芦原妃名子さんのニュースに思いを語った。そして、「実は僕も」と死を考えるほど追い込まれてきたことを明かした。
劇作家、脚本家、映画監督の立場で「原作者の世界観を逸脱してはいけない」
脚本家の三谷幸喜氏が3日、レギュラーを務めるTBS系『情報7daysニュースキャスター』(土曜午後10時)に出演し、日本テレビ系でドラマ化された『セクシー田中さん』の原作者で、1月29日に急死した漫画家・芦原妃名子さんのニュースに思いを語った。そして、「実は僕も」と死を考えるほど追い込まれてきたことを明かした。
劇作家、脚本家、映画監督の三谷氏は、原作のある作品を映像化する難しさ、気をつけるべきことを説明した。
「脚本家はできる限り、原作者の思いをくんで……。世界観は原作者が考えたものだから、そこを逸脱してはいけないと思うんです。だから、脚色って本当に難しくて、だから僕はできない、得意ではない方なんだけど。アカデミー賞だって脚本賞と脚色賞が別れてるんですよ。それぐらい違うものなんです。オリジナル脚本と脚色って」
その上で「でも、脚色をする人の思いもあって、原作者の思いもあって、それを擦り合わせていくのがプロデューサーの仕事だと思うんです。だから、原作者、プロデューサー、脚本家がきちんと心を一つにして作っていかないと、きっといろんな問題が起こっていくんだな、と思いますね」と話した。
その後、安住紳一郎アナウンサーに「もう1個、いいですか」と断り、自身の経験を語った。
「僕も長い間、仕事をしてきて、『何でこんな思いをしなきゃいけないんだ』『何でみんな分かってくれないんだ』『何で僕の作ったものを勝手にいじってしまうんだ』と思ったことも何度もあるし。本当に『全部投げ捨てたい』と思うし、『死にたい』と思ったことだって、実はあるんですよね。のほほんと書いているように見えるかもしれないですけど。でも、その時に踏みとどまったんです。僕は書いたものに対して責任があるし、これから書くものに対しても責任があるし、今、書いているものにも責任があるし。多分、この先、自分の作ったものを楽しんでもらう人たちがいるとするならば、その人たちに『変な感情で読んでもらいたくない、見てもらいたくない』っていうのがあるから、ここは踏みとどまらなければと思うんですよね」
そして、亡くなった芦原さんについて声を震わせながら「踏みとどまってほしかったですね」と話した。
生前の芦原さんは、ドラマ化された『セクシー田中さん』の脚本をめぐって日本テレビ側との折り合いがつかず、自らが9・10話の脚本を書くことになった経緯をブログとXで説明していた。発言は話題を呼んだが、1月28日に該当の投稿を削除。「攻撃したかったわけじゃなくて。ごめんなさい」とポストしたのが最後となり、同29日に死亡が確認された。
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