記者が見た東出昌大の山暮らし 毎日のルーティン? “東出会”とは? 地元との交流は?

俳優の東出昌大(35)は2年前から関東近郊にある山奥の小屋に住み、猟師としても活動している。東出が暮らす山小屋を訪ねた。東出はどんな毎日を送り、何を感じているのか。

東出昌大の山での暮らしぶりに迫る【写真:ENCOUNT編集部】
東出昌大の山での暮らしぶりに迫る【写真:ENCOUNT編集部】

山奥の小屋に住む東出はどんな毎日を送っているのか

 俳優の東出昌大(35)は2年前から関東近郊にある山奥の小屋に住み、猟師としても活動している。東出が暮らす山小屋を訪ねた。東出はどんな毎日を送り、何を感じているのか。(取材・文=平辻哲也)

 その山小屋は都内から車で約1時間半の山中にある。標高1000メートル弱。林に囲まれ、徒歩数十秒には清流もある。小屋近くから東出に電話しようとすると、スマホのアンテナが1本も立たない。仕方なく周囲を探し回っていると、にぎやかな声が聞こえてきて、「ここだ」と分かった。

 小屋外のタープに入ると、口ひげ、あごひげを蓄え、ニット帽を被った東出がいた。189センチの長身も手伝って、山男といった風情だ。ほかにも、友人たちがたき火を囲んでいる。この日は20歳の時からの付き合いという友人とその長男、東出をきっかけに猟師の資格を取り、この地に移住してきたという俳優ら数人がいた。

「いつも、こんな感じなんですよ」と東出。老若男女がなんとなく集まり、火を囲んで談笑したり、酒を飲み交わしたり……。ネットでは、“東出会”とも言われているが、移住してきた仲間、東京からの客人が自然と集まっているのだという。近くには俳優仲間の20代の女性3人、40代の男性も住んでいるが、「共同生活」といったニュアンスではなく、それぞれが自立した生活を送り、時折、集っている。

 しばらくすると、軽トラに乗った地元の猟師2人が「でっくん、これ獲れたから」とニホンジカを持ってきた。「今日も猟に行ってきたんですけど、獲れなかったんです。ありがとうございます」と東出は答える。

 猟師の資格を持つ20代の俳優が慣れた手つきで、シカの腹にナイフを入れ、東出がアドバイスを送る。冬の冷気で、シカの体内から湯気が立つ。内蔵が見えたが、鮮やかなピンクだ。腑分けは神聖な儀式のように思えた。2人は内蔵を大きなバケツに取り分けて、坂下にある渓流に運んだ。半日、川水にさらし、冷却をするのだという。

 山小屋の周囲も案内してくれた。

 母屋のすぐ近くには、建築中の新たな小屋もある。広さは八畳ほどか。壁の内張りが手つかずで、「数日あれば、完成できるのですが」と話す。畑でナスなど野菜を育てていたが、舞台の出演中に全部荒らされてしまった。「ひがしで農園 2022.6月」「鹿と猪 立入禁止」とのイラスト入りの立て看板がその名残りだ。

 山暮らしは丸2年が過ぎた。同居の相手は、昨年知人から譲り受けた猟犬のしーちゃんだ。シーちゃんは寂しがりやで、ほっとかれると、ほえてしまう。「小さい頃から太郎、二郎、三郎と飼ってきて、4匹目の犬なので、シ(四)ーちゃん。猟犬ですが、猟には一緒に出ません。今はペットですね。一緒に寝ています」。

 ネットではバッシングが絶えないが、地元では関係ない。風呂でも、地元シニアからは「でっくん」と呼ばれ、よもやま話に花を咲かしていた。小屋は家主の好意で無償で借り、米や野菜は近くの農家が譲ってくれる。風呂は近所の温泉。山小屋には地域の無料Wi-Fiも飛んでいる。生活費はほとんどかからず、不自由はしない。

「東京で仕事がある時以外は、こちらにいます。今朝は5時に起きて、火を起こして、朝ごはんは昨日の残りものにご飯を入れたおじやを食べて、5時40分頃、猟をするため山に向かいました。日の出から発砲できるのですが、大雨だったので、待機してから9時40分ぐらいまで山を歩いたんですけど、何も獲れなかったんです。それから、友人を迎えに行き、一緒にお昼を食べました。夕方にお風呂入って、夜ご飯を作って食べる。毎日そんな感じでしょうか」。都会の喧騒を忘れ、大自然の中で穏やかな日常を過ごしているようだ。

□東出昌大(ひがしで・まさひろ)1988年2月1日、埼玉県生まれ。2012年、映画『桐島、部活やめるってよ』で俳優デビューし、第36回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。以後、数々の作品に出演。主な作品として、第71回カンヌ国際映画祭の『寝ても覚めても』、人気の『コンフィデンスマンJP』シリーズ、第77回ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞の『スパイの妻』、『Blue』、『草の響き』、『Winny』、『福田村事件』など。東出の狩猟生活を追ったドキュメンタリー『WILL』(2月16日)、『青春ジャック 止められるか、俺たちを2』(3月15日)を控える。『週刊文春CINEMA!』で「山暮らし日記」を連載中。

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