『セクシー田中さん』ドラマ脚本で局と対立 事前の約束は守られず…原作者が裏側を告白

日本テレビ系で2023年10月クールに放送された連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子氏が26日、脚本をめぐって局側と折り合いがつかず、自らが9・10話の脚本を書くことになった経緯を自身のブログならびにXで説明した。

日本テレビ【写真:ENCOUNT編集部】
日本テレビ【写真:ENCOUNT編集部】

9・10話の脚本を芦原氏が担当することに…

 日本テレビ系で2023年10月クールに放送された連続ドラマ『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子氏が26日、脚本をめぐって局側と折り合いがつかず、自らが9・10話の脚本を書くことになった経緯を自身のブログならびにXで説明した。

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 第9回ananマンガ大賞を受賞、発行部数100万部を誇る芦原妃名子氏の同名漫画を原作にした同ドラマ。地味で友達も恋人もいないアラフォーOLとベリーダンサーと2つの顔を持つ田中京子と、自分の市場価値はないと焦り、生きづらさを感じる派遣OL・朱里が化学反応を起こし、周りからのレッテルをはね除け、新しい自分を見出していくストーリーだ。主演を木南晴夏が務めた。

 芦原氏は「色々と悩んだのですが、今回のドラマ化で、私が9話、10話の脚本を書かざるを得ないと判断するに至った経緯や事情を、きちんとお伝えした方が良いのではと思い至りました」とブログを更新。小学館とも事前に確認をとったうえで今回の投稿に至ったと説明を加えた。

 初めに「『セクシー田中さん』は一見奇抜なタイトルのふざけたラブコメ漫画に見えますが…。自己肯定感の低さ故生きづらさを抱える人達に、優しく強く寄り添える様な作品にしたいという思いが強くあり、ベリーダンスに纏わる方々の思いにも共鳴しながら、担当編集と共に大切に描いてきた漫画です」と作品に込めた思いを説明。

 まだ漫画が完結していないことなどを考慮した上で、ドラマ化を承諾するにあたり、「ドラマ化するなら『必ず漫画に忠実に』」、「漫画が完結していない以上、ドラマなりの結末を設定しなければならないドラマオリジナルの終盤も、まだまだ未完の漫画のこれからに影響を及ぼさない様『原作者があらすじからセリフまで』用意する」、「原作者が用意したものは原則変更しないでいただきたいので、ドラマオリジナル部分については、原作者が用意したものを、そのまま脚本化していただける方を想定していただく必要や、場合によっては、原作者が脚本を執筆する可能性もある」などの条件を提示していたという。

 さらに、「大変失礼な条件だということは理解していました」とし、「この条件で本当に良いか」と念押しをしたうえで、ドラマ化に至ったと明かした。

 しかし、「毎回、漫画を大きく改編したプロットや脚本が提出されていました」と当初の想定とは異なっていたようで、芦原氏の思いとはズレた脚本が用意されていたという。芦原氏は「私が描いた『セクシー田中さん』という作品の個性を消されてしまうなら、私はドラマ化を今からでもやめたいぐらいだ」と訴え、加筆修正をしたうえで、7話まではほぼ原作通りとなったとのことだ。

 しかし、8~10話に関しては、「私が準備したものを大幅に改変した脚本」となったとのこと、「特に9話、10話の改変された脚本はベリーダンスの表現も間違いが多く、ベリーダンスの監修の方とも連携が取れていないことが手に取るように分かりましたので、『当初の約束通り、とにかく一度原作者が用意したあらすじ、セリフをそのまま脚本に落としていただきたい』『足りない箇所、変更箇所、意見はもちろん伺うので、脚本として改変された形ではなく、別途相談していただきたい』といったことを、小学館から日本テレビさんへ申し入れをしていただきました」と説明した。

 その後も、交渉を続けるも、約束は守られず。撮影まで時間が迫ってきたことで、「原作者が用意したものをそのまま脚本化していただける方」に交代をお願いしたという。そして、「結果として、日本テレビさんから8話までの脚本を執筆された方は9話、10話の脚本には関わらないと伺ったうえで、9話、10話の脚本は、プロデューサーの方々のご要望を取り入れつつ、私が書かせていただき、脚本として成立するよう日本テレビさんと専門家の方とで内容を整えていただく、という解決策となりました」と9・10話の経緯を説明した。

 芦原氏は「何とか皆さんにご満足いただける9話、10話の脚本にしたかったのですが…。素人の私が見よう見まねで書かせて頂いたので、私の力不足が露呈する形となり反省しきりです。漫画『セクシー田中さん』の原稿の〆切とも重なり、相当短い時間で脚本を執筆しなければならない状況となり、推敲を重ねられなかったことも悔いてます。9話、10話の脚本にご不満をもたれた方もいらっしゃるかと思います。どのような判断がベストだったのか、今も正直正解が分からずにいますが、改めて、心よりお詫び申し上げます」と視聴者やファンへ謝罪した。

 そして、「最後となりましたが、素敵なドラマ作品にして頂いた、素晴らしいキャストの皆さんや、ドラマの制作スタッフの皆様と、『セクシー田中さん』の漫画とドラマを愛してくださった読者と視聴者の皆様に深く感謝いたします」と感謝をつづった。

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