堀口恭司、「BreakingDownが嫌い」も「似たような感覚を持っている」朝倉未来との“代理戦争”は実現するか
堀口恭司がエグゼクティブプロデューサー(EXP)を務める「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦(21日、オープンハウスアリーナ太田)開催を前に、早くも今後の構想に期待が高まっている。それは朝倉未来の所属するジャパン・トップ・チーム(JTT)との開戦に関するもの。今回は取材を堀口の通うラーメン店で実施しながら、堀口と山田義則代表に話を聞いた。
BreakingDownのことが嫌い
堀口恭司がエグゼクティブプロデューサー(EXP)を務める「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦(21日、オープンハウスアリーナ太田)開催を前に、早くも今後の構想に期待が高まっている。それは朝倉未来の所属するジャパン・トップ・チーム(JTT)との開戦に関するもの。今回は取材を堀口の通うラーメン店で実施しながら、堀口と山田義則代表に話を聞いた。(取材・文=“Show”大谷泰顕)
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昨年末、一部メディアの仲介により、堀口恭司と朝倉未来の対談が実現した。その模様は、堀口のYouTubeチャンネルでも確認することができるが、そのなかで、堀口の所属するアメリカン・トップ・チーム(ATT)と朝倉未来の所属するジャパン・トップ・チーム(JTT)との開戦、つまり堀口×朝倉の代理戦争についての話が出てくる。
これに関して堀口は、「メディアは対立的なものをつくっていきたいんじゃないですかね。それが交わる時に大きな、(那須川)天心くんと武尊くんじゃないですけど、そういう構図をつくりたいのかなと思いますね。そうやれば盛り上がるじゃないですか、魔裟斗さんと山本“KID”徳郁さんじゃないけど」と話しながら、「(メディアも)数字を取らなきゃいけない。未来くんは数字を持っているから、そこを絡めれば、俺の名前もちょっとは見てもらえるって、絡めているのかなとは思いますね」と付け加えた。
しかしながら、そもそも論の話をすると、堀口が「自分はBreakingDownのことが嫌いって言ってますから」と話す通り、朝倉はJTTよりもBDのイメージが強い。
それでも、山田代表は「BDというよりはJTTだと思っていまして、そこで本物の格闘家を集めようとされているじゃないですか」と、あくまでJTTとの連携を模索していく腹積りがあることを明かしながら、「実際、(対談の際に朝倉未来と)生でしゃべったのも初めてでしたけど、本当に格闘技が好きなんだなっていうのも感じましたし、今は入口が全然違いますけど、どこかで合う瞬間があるのかなとは感じましたね」とその動機を述べた。
興味深いのは、そういった今後の方向性を模索しつつも、堀口が「自分はまだ1回も興行も打ってない」と話していることだろう。
「だから本来はまだ、何も言える話じゃないですよ。自分ら、1回も大会を開いてないわけだから。それがうまく行き始めてからそれを話すのであれば、とは思いますけどね」と堀口は続けた。
「格闘技の火を途切れさせないように」
もちろん旗揚げ戦すら終えていない「TOP BRIGHTS」は、スタート地点にも立っていない。にもかかわらず、堀口VS朝倉の代理戦争には、自然と反応を示してしまう。
「期待はあるんでしょうね。自分もなんだかんだいって総合のトップ選手だし、未来くんもトップ選手じゃないですか。その二人が協力すれば、いいものができるかもしれないですけど、視聴者が全然違うので……」(堀口)
堀口の言う通り、一見しただけだと堀口と朝倉では水と油のように真逆の関係に思える。だが、そうは言っても水と油とはラーメンのように美味しいスープになることもある。
この話をすると、堀口は「それでここになったんですか」と笑ったが、そうは言いつつも朝倉に対し、「お互いに、格闘技ってもので人生が変わって、格闘技の魅力もお互いに知っている。もちろん自分たちの力だけじゃないですけど、RIZINのお陰もあって、ここまで広められた。ただ、やっぱり格闘技って一瞬に火が消えちゃうので、そこを継続して格闘技の火を途切れさせないようにしなきゃなとは思いますね」と格闘技の火を絶やしたくない思いを吐露した。
これに山田代表も補足する形で、「もし日本の格闘技界が氷河期になっちゃうと、次の選手が生まれてこなくなってしまう。僕が見ていて、(堀口と朝倉が)共通だなと思ったのは、未来選手も格闘技を愛していて、格闘技のためにっていうのは一致しているのかなって、先日、対談を見ていて率直に感じた感想です」と話している。
ちなみに山田代表は、8日に実施された会見上、「年内にJTTとATTとの開戦を仕掛けられたら」といった旨の今後に関する話をしていたが、「僕らはまず自分たちの興行をっていうのが一番ですけど、僕らの強みは、世界中のどこのジムの方と話をしても、『堀口恭司』の名前を知らない人がいないんです。僕がそれを言うと手前味噌なんですけど。だから海外から選手を集めやすいっていうのはあると思います。それに対して朝倉選手は日本での影響力もあるわけじゃないですか。堀口選手は世界で影響力があって。その両者が協力して、日本の格闘技を盛り上げられたら一番いいですね」(山田)とコメントしている。
なお、堀口は朝倉未来と対談した後に感じた印象について、「意外と冷静だなっていうか。人にも気遣いできるし、やっぱり似たような感覚を持っているのかなって思いますね。先にビジネスとかやっているし、向こうが先輩なわけですから吸収するものはあると思いますね。現段階ではまだ具体的には何もないですけど、関わっていけば出てくると思いますね」と話した。
そういったことを踏まえて、山田代表は「世論じゃないですかね、格闘技のファンの人たちが何を求めて、何を答えられるか。それは真摯に受け止めて、ファンの声を受け止めながらやっていきたいなとは思いますね」とJTTとATTによる“日米決戦”、引いては堀口VS朝倉の“代理戦争”開戦についての見解を述べる。
果たして代理戦争は実現するのか。「TOP BRIGHTS」旗揚げ戦を目前に控えながら、すでに終わった後の「物語」へと注目は移り変わっている。