中学受験、開成は3番手のワケ 長男の受験日程公開した父が解説 「渋谷周辺の活気ある場所に魅力」

首都圏の私立中学受験が始まった。10日には先陣を切って埼玉県で始まり、千葉県では20日から、東京都と神奈川県では2月1日からスタートする。私立中学の入試が本格化する中、某最大手進学塾で30年ほど数学と算数の指導およびマネジメント経験を積んで独立した元塾講師が長男の中学受験の日々をXで公開し注目を集めている。「志望順位は筑駒≧渋渋≧開成」と明かすなど、渋谷教育学園渋谷中学(以下、渋渋)の近年の人気ぶりを示している。長男の受験スケジュールを赤裸々に公開する意図を投稿者の青山ミノル(aoyama_math_edu)さんに聞いた。

近年、開成以上の人気を集めている渋谷学園【写真:ENCOUNT編集部】
近年、開成以上の人気を集めている渋谷学園【写真:ENCOUNT編集部】

四谷大塚に通塾させ、父は助言と質問対応に専念

 首都圏の私立中学受験が始まった。10日には先陣を切って埼玉県で始まり、千葉県では20日から、東京都と神奈川県では2月1日からスタートする。私立中学の入試が本格化する中、某最大手進学塾で30年ほど数学と算数の指導およびマネジメント経験を積んで独立した元塾講師が長男の中学受験の日々をXで公開し注目を集めている。「志望順位は筑駒≧渋渋≧開成」と明かすなど、渋谷教育学園渋谷中学(以下、渋渋)の近年の人気ぶりを示している。長男の受験スケジュールを赤裸々に公開する意図を投稿者の青山ミノル(aoyama_math_edu)さんに聞いた。

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「教え子達は全国模試1位を度々獲得。旅・キャンプ・マラソン・料理・酒・男子2人の父」と自己紹介している青山さん。一昨年春からYouTubeとオンライン指導の周知を目的にX投稿を始めている。

「塾業界で30年以上の経験を積み、さまざまなノウハウを持っている中で、教育関係を中心に投稿をしています。以前気まぐれに行った長男の成績公開が大きな反響を呼び、これがきっかけでオンライン授業の申し込みにつながっています。実績を公開することの宣伝効果が高いことは実感していますが、顧客の成績を公開することには慎重ですので息子の成績公開で指導実績をアピールしています」。「青山ミノル」はビジネスネーム。長男の顔出しも避けているため、入試スケジュールを公開しても「個人特定」などのリスクは特にないと判断している、という。

 長男の受験スケジュールで注目されるのは志望順位だ。第一志望群として「筑駒≧渋渋≧開成」と投稿しているように、東京大合格者数日本1位の開成より渋渋を優先している。この理由については「渋渋が男女共学であるという要素ではなく、渋谷周辺の活気ある場所に魅力を感じています。特に渋渋の国際教育の充実ぶりや自主性を尊重する気風に期待しています。筑駒(筑波大学附属駒場)は国際教育の面では不足を感じつつも、本人が説明会と文化祭で惚れ込んだため第一志望に据えています」。別格の筑駒を第一志望としつつも、渋渋の国際性に強い魅力を感じているようだ。

 中学受験に備えて通っている塾を聞くと「他の塾から四谷大塚に転塾した経緯があります。開成を目指す本人の意向や、もとの塾の教材レベルの不足から、転塾は自然な流れとなりました。教科指導においては、私が全教科を教えることも可能でしたが、本人の主体性の育成を考えて四谷大塚に通塾させ、私は助言と質問対応に専念しました。結果として通塾は楽しく、本人の主体性も期待どおりついてきたと感じています」と柔軟な姿勢だ。

首都圏私立中学入試が本格スタート。受験生を応援する栄東中学の名物看板【写真:ENCOUNT編集部】
首都圏私立中学入試が本格スタート。受験生を応援する栄東中学の名物看板【写真:ENCOUNT編集部】

 気になるのは東京都の私立高校授業料実質無償化。私学の学費が高いため家庭の経済状況を踏まえて特待生としての合格を狙うケースは多いが、青山さんによると特待生には別の魅力があるようだ。

「特待生としての経済的支援だけでなく、自信や責任感を醸成する効果があると考え、実際に特待制度を積極的に狙っています。ただ、私学の実質無償化により特待制度がなくなる可能性には『ちょっと困るな』と危機感を抱いていますね」。実際に長男は10日に開智所沢①、11日に同[特待A]、12日に同[特待B]と連続受験。これらは第二志望群に位置付けているが、「息子はどこも気に入っているので進学可能性があります」と青山さん。

 今回の投稿について「選択のポイントが気になりました」の声が寄せられており、青山さんは「合不合判定では渋渋80%、開成70%が出ているのでむちゃな組み方ではないと思っています。埼玉東部在住でして、近隣には適度なレベルの学校はなく、2月がインフル等で全滅の場合には、開智所沢の将来性にかけることにしています」。

 他にも「どこも素晴らしい学校ですね!」「すごくいいスケジュール。参考にさせていただきます」「埼玉入試を栄東ではなく開智所沢にした理由は何でしょうか」など多くの反響が寄せられた。家庭では青山さんが料理を担当しており、その写真投稿も話題に。特に「塾弁」の投稿には多くの反響があり、読み手とのSNSを介しての交流も楽しんでいる。「教育に関心を持つ方々からの反響は狙い通りでありつつも、“心ない言葉”も受けることがあると認識しています。それには覚悟が必要であり、今後もX投稿を続けつつ上手に“スルー”していく姿勢を示したいです」と締めくくった。

次のページへ (2/2) 【写真】中学受験に挑む長男が喜んだ父親手作りのオムライス弁当
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