俳優の水谷豊が主演を務め、寺脇康文が共演するテレビ朝日系連続ドラマ『相棒SEASON22』（水曜午後9時）のの第11話が、10日に放送された。

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　同作は、2000年に誕生した刑事ドラマシリーズ。警視庁で“人材の墓場”と呼ばれる『特命係』に配属された警部・杉下右京とその相棒たちが、数々の犯罪事件を解決していく。もともとキャリアとして警察庁に入庁した右京は、“切れモノ”過ぎるが故に上層部からにらまれ閑職に追いやられたが、卓越した洞察力と名推理で事件の謎を解き明かしていく。

　寺脇演じる特命係巡査部長の亀山薫は、SEASON1からの“初代相棒”。約14年ぶりに“五代目相棒”として右京とのコンビが復活し、今作で再会2年目となる。

（※以下、ドラマの内容に関する記述があります）

　化学メーカーの研究員が猛毒の神経ガスで殺害された。右京と薫は事件を捜査する中で、人気キャラクター“ほっぺ丸”のデザイナー・丹生初音（映美くらら）の息子が誘拐されていることを知る。ほっぺ丸はキャラクターグランプリで大賞を受賞し、グッズ化もされていた。

　誘拐事件を調べる内に、実はほっぺ丸をデザインしたのが初音ではなく、持永凛（吉田凜音）という女性であることが明らかになった。凛は初音の会社の後輩で、ほっぺ丸は会社をあげて応援していたキャラクターだった。しかし凛は、キャラクターグランプリ発表前に突然、自ら命を絶っていた。また、凛が5歳の頃に遊園地で親から置き去りにされ、児童養護施設で育ったことも明らかに。

　神経ガス事件と誘拐事件が絡んでいることが分かり、誘拐犯に浮上したのは、凛の母親の持永登紀子（山下容莉枝）だった。夫に先立たれた登紀子は、幼い凛を1人で育てていたが体調を崩しがちだった。凛は登紀子を元気づけるため、「ほっぺを押すと元気になる」とほっぺ丸を描いていた。しかし、自分で凛を育てることが限界となった登紀子は、思い出作りで遊園地に出かけた後、凛を置いて逃げたのだった。

　キャラクターグランプリ大賞のニュースでほっぺ丸のことを知った登紀子は、成長した凛の活躍を知り、会社を訪れた。ところが社長から、凛が初音によるパワハラを苦に自殺し、そもそもほっぺ丸のデザイナーも初音であることを知らされる。登紀子は初音への復讐（ふくしゅう）と、娘を置き去りにした自身の罪の意識から、初音の息子の誘拐を決意。さらに、初音に指示を出しながら凛のゆかりの場所を巡らせる。最後は、ガスが噴射する仕掛けをほどこしたほっぺ丸を使って、初音を殺害しようとしていた。

　しかし実際は、初音は凛にパワハラしておらず、むしろ応援し支えていた。凛は社長の指示でキャラクターグランプリ審査員に便宜をはかるため金銭を渡しており、自責の念から選考辞退を申し出たところ、もみ合った社長に殺害されていたのだった。

　事実を知った登紀子は自棄になり、隠していたほっぺ丸のガスで命を絶とうとする。すると初音は凛の思いを伝えた。

「『お母さんに会いたくて、キャラクターデザインの道に進んだ』って言っていました。『覚えてくれていてありがとう』、もしお母さんと再会できたら、そう伝えたいって、言ってました」

　凛は、ほっぺ丸が大賞を受賞し人気になれば、登紀子が自分を思い出してくれるのでではないかと期待していたのだ。右京は泣き崩れる登紀子からそっとほっぺ丸を奪うと、「あなたはかつて、凛さんを捨てた自分も許せなかったんですね。だから復讐の矛先は、自分にも向けられていた」と気持ちに寄り添う。そして「あなたは生きなければいけませんよ。生きて、罪を償ってくださいね」と諭すのだった。

　今回のストーリーには、「遊園地に置いてけぼりにされた事を恨むんじゃなくて、お母さんとの大事な思い出であるほっぺ丸を覚えていて、いつか会いたいと思っていたんだという事が唯一の救いだった」「ほっぺ丸は誰かを元気にしてくれるキャラであるという事は、一切ぶれない最後が良い……」と感動するファンも。

　また、1日に放送された元日SPで右京と薫が海外の東国（とうこく）の日本大使館に保護されていたことから、「元日からずっと気になってるんだけど、東国からどうやって帰ってきたの？」「いつの間に帰ってきたんだ」「日本戻ってた」「無事に帰国できたのね」といった声もあがっている。