2児の母、愛車に2メートルのサイドマフラー 雑誌で「おかしな夫婦」の異名も… 「全然いいです」と笑顔

ド迫力の愛車ダッジ・チャレンジャーに乗っているのは、2児の母・きよさんだ。2012年式の中古車を購入したのは10年ほど前。その後、ブラックの車体をパンサーピンクにオールペン(全塗装)した。最大の特徴は車体の左右に取りつけた全長2メートルのサイドマフラー。実は、夫も別のチャレンジャーに乗っている。異色のカーライフに迫った。

きよさんのダッジ・チャレンジャー【写真:ENCOUNT編集部】
きよさんのダッジ・チャレンジャー【写真:ENCOUNT編集部】

雑誌が「おかしな夫婦」と命名 夫はマフラー専門店を経営

 ド迫力の愛車ダッジ・チャレンジャーに乗っているのは、2児の母・きよさんだ。2012年式の中古車を購入したのは10年ほど前。その後、ブラックの車体をパンサーピンクにオールペン(全塗装)した。最大の特徴は車体の左右に取りつけた全長2メートルのサイドマフラー。実は、夫も別のチャレンジャーに乗っている。異色のカーライフに迫った。

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 きよさんがピンクなら、夫は黄色いチャレンジャー。夫婦そろってアメ車をこよなく愛している。そろって雑誌に掲載されたこともあるが、見出しは「おかしな夫婦」。きよさんは「撮ってもらう時に、『もう、おかしな夫婦でいいよね』って言われたんですけど、全然いいです」と、笑う。

 10年前に、チャレンジャーと出会い、すぐに引き込まれた。

「主人が車を買うときに、私がチャレンジャーに一目ぼれをしたんです。自分ではアメ車は絶対運転できないと思っていたので、主人に『いいよ、これ買いなよ』と勧めました。そこから主人もチャレンジャーが好きになって、もうずっとですね」

 当時、車体のカラーは黒だった。それでも、存在感はずば抜けていた。

「アメ車を取り扱っている車屋さんで、いっぱい車がある中で、ひと際目立っていたんですよ。何これ、みたいな。丸いライトがすごく印象的で、新しいのにちょっと古めかしいところに一目ぼれしました」

 フォード・マスタングの購入も検討していたが、見た目のかっこよさはチャレンジャーだった。衝撃が冷めやらぬままに、目の前の車を迎え入れた。

 価格は450万ほどだった。

 何と言っても目立つのはマフラーのカスタム。左右のサイドに、それぞれ2メートルほどの巨大なマスラーが備えつけられている。

「通常は後ろですね。これは横から出る。後ろはふさいであります。主人がマフラー屋。主人がやってくれるので無料、みたいな感じです」

 夫はサクソンレーシングというマフラー専門店を経営。この手の改造もお手の物だった。

 車のイベントでは注目の的だ。2020年に行われたガールズカーコレクションではグランプリに輝いている。

「皆さん横を見て、後ろを見に行くんです。これはダミーだと思って、後ろにマフラーあるんでしょうと見に行って、あれないってなって(笑)そばにいると、『これって本物ですか』って聞かれますね」

 もしかしたら、本場の米国流? 「いや、アメリカでもないです。サイドから出すというのはあまりないですね」と、きよさんは続けた。

夫婦でピンク、黄色のチャレンジャーを所有している【写真:きよさん提供】
夫婦でピンク、黄色のチャレンジャーを所有している【写真:きよさん提供】

街中では「声はかけられない」 圧倒的な存在感

 肝心の車の乗り心地、操作性については、「大きいので駐車場とか困っちゃうんですけど、運転はしやすいです。皆さん、特に女性だと背が低いので前が見えないんじゃないのって言うんですけど、前も見えます」と、話す。

 ただ、いかついデザインだけに、街中では近寄りがたい雰囲気を出しているようだ。

「イベントとか行けば、車好きばかりなので声をかけられるんですけど、街中では基本かけられないです。たぶん、ちょっとおかしい人が乗っていると思われているんじゃないですかね。こんなピンクですし、こんなおっきいアメ車ですし。街中で遠巻きに見ている人とかもいるんですよ。でも、声はかけられないです」

 夫が黄色のチャレンジャーを買ったのは4年ほど前。「主人はSRTで、排気量が大きい。私は5.7なんですけど、6.5です。外のデザインは色が違うだけで、同じですね」

 今では、夫婦でツーリングに出かける。

「夫婦でも行きますし、チャレンジャーの仲間たちが結構いるので、10何台とかで行ったりします」

 それは、ますます声をかけづらい…。

「そうですね(笑)結構もの好きなおじさんとかから、『なんていう車なんだい』みたいなことを聞かれることもありますけど、でもまあ、怖いですよね」と、空気は察している。

 巨大なアメ車をのりこなすきよさんだが、子どもが産まれてからは、おとなしいカーライフを送ってきた。

「前は子どもも小っちゃかったんで、日本車の軽自動車とか乗っていました。燃費がよくて、小回り利いて、どこでも止めれてみたいな」

 子どもが独立してから、好きな車に乗るようになった。夫が「アメ車乗りたい」と言い出し、マスタング、ダッジ・チャージャーと乗った。左ハンドルに慣れ、より大きなアメ車を運転してみたい欲が爆発した。

 ファミリーカーは持っていない。「今これが本当に趣味なので、このためだけに仕事しています。もう10年くらいたつので、少しでも長く乗れるようにメンテナンスしたい。これは手放さない」と、すっかり魅了されている。

 マフラー以外にはホイールや車高をカスタムしている。SNSに写真を掲載しており、見知らぬ人からチャレンジャーの購入相談を受けることもある。

 最後に改めて、聞いた。

「おかしな夫婦と言われて、ご心境はいかがですか」

 きよさんは、「全然いいです。どう見てもおかしいじゃないですか、こんなの。近所からもなかなか変わった夫婦だってなっているので、特には」と話し、愛車のハンドルを握った。

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