25歳女性オーナー、650万円愛車は一括購入 出会いは偶然乗せてもらったアメ車「あ、これ買おう」
車を初めて買うとき、どんな車を候補にするだろうか。埼玉・所沢市の25歳女性ひぃさんは今年7月、初めての車に2018年式のダッジ・チャレンジャーを迎え入れた。コンパクトカーや最近では電気自動車(EV)も台頭するなかで、なぜいかついアメ車を手に入れようとしたのか。しかも、650万円を一括購入したという。詳しい経緯を聞いた。
「人生は1回」 女性の運命変えた洗車場
車を初めて買うとき、どんな車を候補にするだろうか。埼玉・所沢市の25歳女性ひぃさんは今年7月、初めての車に2018年式のダッジ・チャレンジャーを迎え入れた。コンパクトカーや最近では電気自動車(EV)も台頭するなかで、なぜいかついアメ車を手に入れようとしたのか。しかも、650万円を一括購入したという。詳しい経緯を聞いた。
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ひぃさんはもともとスポーツカー好きだった。自分の車を持ったことはなかったが、友人に同乗させてもらっているうちに関心を持つようになった。
考え方が変わったのは、米国サンフランシスコ留学だった。
当時住んでいた家の近くで、偶然、通りかかったのが黒い車体のチャレンジャーだった。
「元々車好きだったんですけど、偶然通ったの見て、かっこいいと思って。日本には全然走ってないじゃないですか」
とはいえ、帰国後すぐに買おうとは思わなかった。実はコロナ禍でひぃさんは留学を中断しており、感染が落ち着いたら、再び海を渡るつもりだった。
しかし、愛車との出会いは運命的だった。
「買うきっかけになったのは、偶然友達と大きめの洗車場に行ったんですよ。半年以上前かな。そのときにちょうどマスタングとチャレンジャーを洗車している人がいて、もう好きだったので、日本で見ることもなかったので、『ちょっと写真撮ってもいいですか?』と話しかけに行ったんですよ。そしたら、『女性でチャレンジャー知ってる子いないから、ちょっと乗せてあげる』と言われて、乗せてくれた瞬間に、『あ、これ買おう』って決めました」
米国で見た記憶がよみがえるどころか、車の性能にほれ込んだ。
「ちょっと走ってもらったら、加速と音がもうめちゃめちゃ好きだと思って。あーもう買おうって」
衝撃を受けたひぃさんは、チャレンジャーに詳しい女性オーナーにSNSを通じて連絡を取り、一緒に探してもらうなど一直線に進む。そして、7月15日にチャレンジャーを迎え入れた。
価格は650万円と高額だったが、留学のためにためた資金が残っていた。
「元々、シビックのFD2が欲しいとは思っていました。やっぱり、日本でアメ車って難しいじゃないですか。チケットを取るときとかも右側だと降りなきゃいけないし、狭かったりするし、どうかなと思っていたんですけど、でも欲しいシビックが400万ちょっとだったんですよ。450万かな。プラス200万でチャレンジャー買えるなら買おうと思って、思いきって。人生は1回なので、最初の愛車をチャレンジャーにしよう、みたいな。もうほんとノリで、生きています(笑)。アメリカ行きたい、行っちゃおう。車買いたい、買っちゃおう。みたいな感じです」
周囲はギャップに驚き 「あの車から出てくるのが……」
カラーはデストロイヤーグレー、排気量5700ccで、リッターは6キロほどだという。
「もうやばいです。音がいいので寒くても絶対、窓開けています(笑)左ハンドルなので走りにくいとか言われがちですけど、全然。逆に左側の壁に寄れるので全然怖くないし、狭い道はちょっと、ボンネットがでかいのであれですけど、超楽しいです。首都高とか大黒とかいっぱい行ってます」と、声を弾ませた。
ひぃさんの人生を一変させたチャレンジャー。フロントはいかつく、その迫力はすさまじいものがある。
購入したとき、家族の反応はどうだったのだろうか。
「お父さんは結構車好きなので、めちゃめちゃ理解はあります。『まさかこれを買うとは思わなかった』みたいに言われましたけど、自分のお金で全部やっているから全然いいよ、みたいな。ほんとによかったねって感じでした」
ひぃさんは留学のために家電量販店など仕事を3つも掛け持ちしながら貯金しており、その姿を見ていた家族は応援してくれていた。「すごい働きましたね。ほんとに」と、実感を込める。
一方で、あ然としたのは友人たちだ。車好きが多かったが、「これはもう、めちゃめちゃ驚かれました」と、“想定外の愛車”として受け止められた。
「いや、もうとんでもない反応してくれましたね(笑)。そもそもアメ車ということで左ハンドルがびっくりされたのと、『あの車から出てくるのがこれ……』みたいなことはすっごいみんなに言われました」
語った大きな夢「ゆくゆくはアメリカに行って……」
オーナーは前に2人いたと聞いているが、一部を除いて、ほぼノーマルを維持している。
「全然いじってないです。前のオーナーさんがエンブレムのところを光るように変えたりとかする以外、足周りとか何も変えてないです。ちょっとずついじりたいなとは思うんですけど、純正のままでもすごく好きなので、車高落としちゃうと山も走れなくなっちゃうので、このままでもいいかなと」
特徴的なのは白いシート。
「他の車にはない色で、珍しいんです。それも女性らしくてすごく気に入っています。アメリカにいたときのオーナーさんがたぶん女性だったのか、変えてくれたぽくて」
まだ購入して半年に満たない。「いろいろ助けていただきながら、ほんと分からないことがいっぱいなので……」と、勉強中の身と言うひぃさん。それでも、大好きな山道や峠を走ったり、先輩ドライバーにまじってチャレンジャーの集まりや11月に行われた「ガールズカーコレクション」に初参加するなど、オーナーとしてイベントも楽しんでいる。
今後の夢は、「走っていること自体がほんとに幸せなので、しばらくこっちで乗り続けようかなと。ゆくゆくはアメリカに行って、向こうでチャレンジーに乗りたいっていう夢を持ってます。それが最終的な目標ですね」。
愛車との歴史はまだ始まったばかり。どんなストーリーが紡がれるのか、ひぃさんはワクワクしながらハンドルを握っている。