林家正蔵、協会分裂の過去に言及も「落語の力強さ、落語家のたくましさ、寄席の存在価値」で未来に太鼓判

2024年に誕生100年目を迎える一般社団法人落語協会が26日、都内で会見し、100年事業寄席特別興行の概要を発表した。

会見に出席した林家正蔵【写真:ENCOUNT編集部】
会見に出席した林家正蔵【写真:ENCOUNT編集部】

落語協会100年事業発表 来年3月1日から1年間 ユニクロコラボTシャツも発売

 2024年に誕生100年目を迎える一般社団法人落語協会が26日、都内で会見し、100年事業寄席特別興行の概要を発表した。

 会見には落語協会副会長で、同協会百年委員長を務める林家正蔵、実行委員の柳家喬太郎と林家彦いちが出席した。

 正蔵は「今年1月、実行委員会を立てようということになり、(柳亭市馬)会長から委員長を、と(依頼されました)。噺家はバラバラで集まらないよ、と不安になっておりましたが、協会員にお声かけしたところ、喬太郎師匠、彦いち師匠、(会見の司会を務める春風亭)一之輔師匠、約80名の方が委員として名を連ねてくれました。100年に向けていろんなことをやっていきます、よろしくお願いいたします」と意気込みを伝えた。

 来年2月25日、東京・上野の精養軒で記念式典を行い、3月1日に上野鈴本演芸場で始まる、100年事業に関連のあるお題の落語『百年目』のリレー公演で特別興行の幕は切って落とされる。

「予定では再来年の2月まで1年間」(喬太郎)という長丁場で、寄席の楽しさ、演芸の楽しさを祭り気分に仕立てて客席に伝える予定。寄席の高座の工夫意外にも、雑誌『東京人』での特集企画、ユニクロとのコラボTシャツの発売なども決定しているという。

 彦いちは「随時落語協会のホームページ等々でお伝えしていきます」と、まだまだ未発表のサプライズがあることをにおわせた。

 100年間の歩みは決して平坦ではなく、実行委員就任後に落語協会のこれまでを調べてみたという彦いちは「こんなに何度も分裂してたんだ。それがまた一つになることに驚いた」と一筋縄ではいかなかった組織のあり方に言及。それでも続いている落語協会の強さについて「楽屋のにおいを後輩にバトンで渡していく。においを受け取って渡している自負があるのでずっと続いている」と、寄席の楽屋で培われる芸人の力強さに胸を張った。

 登壇者3人の中で、協会の分裂騒動を唯一経験している正蔵は、落語協会が一時期、真打ち昇進試験を実施していたことについて「芸というものは試験でできるものではないということを痛感しております」と振り返り批判。

 試験制度がなくなった後も、有望な新真打ちが誕生している現状やコロナ禍のパンデミックを乗り切ったことを踏まえ「これから先、どんなことがあろうとも寄席は木戸が開いているし、お客様に来ていただける。落語の力強さ、落語家のたくましさ、寄席というものの存在価値、この3つは信頼できるものであると信じております」と落語の未来に太鼓判を押した。

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