【M-1】なぜ令和ロマンはトップバッターで優勝できたのか 決勝前にライバルへネタ開示「俺らこのネタやるんで」

漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2023』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が24日、行われた。結成5年目かつネタ順がトップバッターだった令和ロマンが第19代王者に輝いた。決勝後に配信された「イブより熱い大反省会!」(Lemino)でメンバーの高比良くるまが緻密な戦略を明かし、レジェンド芸人たちを驚かせた。

『M-1グランプリ2023』で優勝した令和ロマン【写真:ENCOUNT編集部】
『M-1グランプリ2023』で優勝した令和ロマン【写真:ENCOUNT編集部】

レジェンドも驚愕「普通相手にネタを教えるなんて絶対ないよ」

 漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2023』(ABCテレビ・テレビ朝日系)が24日、行われた。結成5年目かつネタ順がトップバッターだった令和ロマンが第19代王者に輝いた。決勝後に配信された「イブより熱い大反省会!」(Lemino)でメンバーの高比良くるまが緻密な戦略を明かし、レジェンド芸人たちを驚かせた。

 これまでのM-1ではネタ順でトップを引いた芸人は、最終決戦に勝ち残れないなど苦しめられてきた。トップバッターで優勝したのは2001年初代王者の中川家のみ。最終決戦進出も05年の笑い飯以来。令和ロマンは「令和」に偉業を成し遂げた。

 大反省会の場でMCの麒麟・川島明にトップバッターを引いたときの心境を問われるとくるまはこう答える。

「もう私の仕事ですね、これからはと思いました。勝ち残るわけはないから、データ的にも。でもマジでウケようと思って、超神大会にしてやろうと思って、つかみとかめっちゃ入れて、ネタを何個か考えてたんですけど、お客さんに話しかけてウケたら『全員ウケるぞ、この後』って思った」

 令和ロマンは、パンくわえ遅刻学生が道の角で別の学生とぶつかる青春のひとコマを題材にしたネタを披露。漫才のつかみでセンターマイクから離れ、観客に近づき話しかけるなど“空気”を作り、いきなり爆笑をかっさらった。

 いきなりの爆笑に審査員も苦戦。その後の点数付けにも影響した。くるまは「でもなんかあまりそういう空気にならなくて、マジ申し訳なかった」とうなだれる。これに川島は「あなたたちがウケ過ぎたんですよ」とポツリ。

 運営側には披露する可能性のある「ネタを4本提出」していたといい「しゃべくりの人が出た後だったら漫才コントやろうかなとか」と決勝初進出ながら落ち着いて戦略を練っていたと振り返った。

 最終決戦前には異例の作戦会議。自ら披露するネタを他コンビ2組に開示した。

「ええ残るんだって思った。でも大会自体の点数が出てなかったので、ヤバいと思いました。『良くない会とか言われたくない』ってよぎっちゃって。絶対最終決戦ウケなきゃって。めっちゃ気合い入りましたね。進出の3組にすぐ話しましたもんね。『俺らこのネタやるんで』って。

 新山さん(さや香)に『ネタ順何番がいいかな』って聞かれて、去年はさや香さんがトップバッターだったらウエストランドさんの優勝じゃなかったんじゃないかって言いました。俺ら(令和ロマン)が1番で絶対ウケるんでって作戦会議を3組でめっちゃして」

 これを聞いた『M-1グランプリ 2010』王者の笑い飯哲夫は「今風ていうか大分進化してんだね」と仰天。MC・川島も「普通相手にネタを教えるなんて絶対ないよ」と口をあんぐりさせていた。

 トップバッターでも優勝できる。“令和スタイル”の漫才師優勝の裏には緻密な戦略があった。

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