カスタム1500万円のGT-R、61歳オーナーが目指す“爆速仕様”「これはもう自己満足の世界ですから」

生粋の日産スカイラインGT-R愛好家が思わず「これ、やり過ぎだよ」と絶句。徹底的に走りにこだわったGT-Rがある。なんと860馬力。ツウをうならせる、2000年式のBNR34 Vスペックの持ち主に突撃した。

860馬力にパワーアップのスカイラインGT-Rが圧巻のオーラを放つ【写真:ENCOUNT編集部】
860馬力にパワーアップのスカイラインGT-Rが圧巻のオーラを放つ【写真:ENCOUNT編集部】

「ランエボに負けて、悔しくてね」 走り追求の原点

 生粋の日産スカイラインGT-R愛好家が思わず「これ、やり過ぎだよ」と絶句。徹底的に走りにこだわったGT-Rがある。なんと860馬力。ツウをうならせる、2000年式のBNR34 Vスペックの持ち主に突撃した。

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「もういじるところがないぐらい、いじっちゃいました」。61歳男性オーナーは愛車への情熱をこう表現した。

 00年に新車で購入した。「その前は、R32 タイプMに乗っていました。本当はR32 GT-Rが欲しかったのですが、なかなか買えなくて」。

 胸にしまっていたGT-R熱。なじみの営業マンの猛プッシュが後押しになった。「GT-Rの分厚いカタログを渡されて。R34 GT-Rは高嶺の花だと思っていたのですが、これは速そうだな。やっぱり欲しいなって。それで決心しました」。思い焦がれた1台を手に入れることができた。

 あるとき、三菱・ランサーエボリューションの加速力に圧倒され、走りへの衝動に駆られるようになったという。「ランエボに負けて、悔しくてね」。エンジンのツインターボ変更などで540馬力にアップさせた。ところがピストンが壊れて故障してしまった。07年にさらにエンジン本体や燃料系などに強烈なパワーアップを施した。メッキ加工でピカピカの輝きを加え、「ここまでのものはめったにない」という860馬力の“完成形”に仕上げた。

 2013年の東京オートサロンに出展。カーイベントでも注目の的で、人だかりができる。エンジン仕様の詳細を表にまとめており、見学者に熱い思いを伝えている。先日は中東系の外国人から「すごいエンジンですね」と驚かれたこともあるという。

 こだわりポイントはまだまだあり、「トランクにコレクタータンクを搭載しています。燃料ポンプが2基あって、1基は常に回っていて、ブーストが1.2キロを超えるともう1基が回るという仕組みになっています。エンジンブローを防ぐためです」。トランクを開けるとGT-R愛好家が続々に集まり、驚嘆の声を上げた。

 自慢の爆速GT-Rで、07年からタイムアタック部門でレースに出場。走りを存分に楽しんでおり、「1回1回でいかに速く走れるか。限界を感じながらの走り。それで、タイムを更新できた時のうれしさ。そこですね」と実感を込める。

 購入当時は560万円ほどの価格だったという。これまで走り仕様のカスタムにかけた金額はどれぐらいなのか。

「消耗品を含めないと、これまでのトータルで1500万ぐらいかな。これはもう自己満足の世界ですから。家族はしょうがないなとあきらめてます(笑)」。

 エンジンのごう音に魅了され、いちずに走りを追求してきた。もちろん安全運転に気を付けながら、スピードにこだわる。これからもそうだ。「もうここまで来たら、もみじマークを付ける年代になっても、GT-Rに乗っていたいです。そのためには体が動く状態でいないと。健康でありたいです」と力強く語った。

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