ハリウッドの大ヒットメーカーが贈るB級映画の怪作「オーヴァーロード」
伝統的な戦争映画とモンスター・ホラー映画をごちゃ混ぜに
『フロム・ダスク・ティル・ドーン』では、銀行強盗を企てるゲッコー兄妹(ジョージ・クルーニー&クエンティン・タランティーノ)を描く正統派アクションで始まりながら、後半は吸血鬼との戦いに転換していく。その吸血鬼が、本作ではナチスの科学者が生み出した“トンデモ”な敵というわけだ。冒険映画のジャンルでは、ナチスの科学者はおなじみの悪役。『キャプテン・アメリカ』の敵もナチスの科学力が生み出したモンスターだった。
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プロダクションノートによれば、エイブラムスは「伝統的な戦争映画に、モンスター・ホラー映画をぶつける設定が気に入った。特にオープニングのシークエンスは、ロッド・サーリングが考えたのではないないかと思ったくらいだね」と語っている。ロッド・サーリングとは人気テレビシリーズ『トワイライトゾーン』で知られる脚本家だ。なるほど、そういうことか。
作戦の指揮を執るフォード伍長を演じたのはワイアット・ラッセル。どこか見覚えのある俳優だと思いきや、『遊星からの物体X』(1982年)、『ニューヨーク1997』(1981年)などジョン・カーペンター監督作品でおなじみのカート・ラッセルと『プライベート・ベンジャミン』(1980年)など知られる女優ゴールディ・ホーンの長男。あごに父親の面影があり、役柄もどことなく、『ニューヨーク1997』の主人公スネークを彷彿させる。
ラッセルJrはプロアイスホッケーを経て、俳優に転身したそうで、Netflixの人気シリーズ『ブラックミラー』のエピソード「拡張現実ゲーム」では主演を務めている。父親同様、こういうB級テイストのアクションがよく似合う。
監督はカンヌ国際映画祭に出品した短編で頭角を表し、ユアン・マクレガーが出演した『ガンズ&ゴールド』(2014年)で長編監督デビューしたジュリアス・エイヴァリー。これが2作目となる。現在は『フラッシュ・ゴードン』のリメイクを準備中という期待の新鋭。この『オーヴァーロード』は、戦争映画&モンスター映画をごちゃ混ぜにして、いいとこ取りした“怪作”となっている。
5月10日公開。