ハリウッドの大ヒットメーカーが贈るB級映画の怪作「オーヴァーロード」

『オーヴァーロード』は、『スター・ウォーズ ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー(原題)』(今年12月公開)を始め、『スター・トレック』『ミッション:インポッシブル』シリーズを手がけたハリウッドを代表する大ヒットメーカー、J.J.エイブラムスが製作を手がけた戦争サバイバル・アクション。どこかデジャヴを感じる本作は、B級アクション好きは楽しめるはずだ。

『オーヴァーロード』(c)2018 PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
『オーヴァーロード』(c)2018 PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

ノルマンディー上陸作戦を舞台に戦争サバイバル・アクション

『オーヴァーロード』は、『スター・ウォーズ ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー(原題)』(今年12月公開)を始め、『スター・トレック』『ミッション:インポッシブル』シリーズを手がけたハリウッドを代表する大ヒットメーカー、J.J.エイブラムスが製作を手がけた戦争サバイバル・アクション。どこかデジャヴを感じる本作は、B級アクション好きは楽しめるはずだ。

 舞台は1944年6月、連合国軍によるノルマンディー上陸作戦の開始前夜のナチス・ドイツ占領下のフランス。第101空挺師団はシエルブランという村に降り、連合国軍の通信を妨害している教会の電波塔を破壊する密命を帯びていた。激しい空中戦の末、なんとかパラシュートで降り立った兵士たち(ジョヴァン・アデポ、ワイアット・ラッセル)。彼らは森の中でフランス人女性のクロエ(マティルド・オリヴィエ)と遭遇。ナチスは村民たちを拉致し、教会で人体実験をしていることを知る。そこで生まれたのは、恐るべきモンスターだった……。

『オーヴァーロード』(c)2018 PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
『オーヴァーロード』(c)2018 PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

 題名の『オーヴァーロード』は、「君主」といった意味だが、ノルマンディー上陸作戦からパリの解放までのヨーロッパ反攻作戦全体のコード名を指す。ノルマンディー上陸作戦は、映画の題材としておなじみ。ジョン・ウェインらオールスター映画『史上最大の作戦』(1962年)、スティーヴン・スピルバーグ監督の『プライベート・ライアン』(1998年)、チャン・ドンゴン主演、オダギリジョー共演の『マイウェイ 12,000キロの真実』(2011年)など。最近でも、作戦決行までのウィンストン・チャーチル英首相の姿を描くヒューマンドラマ『チャーチル ノルマンディーの決断』(2017年)もあった。

 近年、有名なのは海中で銃弾が飛び交う冒頭20分の上陸シーンが話題になった『プライベート・ライアン』だろう。『オーヴァーロード』では、それを空中戦で見せる。米軍の輸送機がナチスの攻撃で蜂の巣のようになるのだ。落下傘部隊の活躍は『鷲は舞い降りた』からの引用かもしれない。このジャック・ヒギンズ原作の名作はナチスの秘密部隊が、イギリスの片田舎を訪れるチャーチル首相の拉致を企てるという冒険小説。教会が舞台になるのも同じだ。

『オーヴァーロード』(c)2018 PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.
『オーヴァーロード』(c)2018 PARAMOUNT PICTURES CORPORATION. ALL RIGHTS RESERVED.

 一見、正統派の戦争スペクタル映画として始まるが、中盤から一変。その後の詳細は、映画を観る人のお楽しみに取っておきたい。例えていうなら、『ヘイトフル・エイト』(2016年)のクエンティン・タランティーノが製作・脚本を手がけ、『アリータ: バトル・エンジェル』(2019年)のロバート・ロドリゲスが監督した『フロム・ダスク・ティル・ドーン』(1996年)のノルマンディー上陸作戦版といった感じだ。

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