『院内警察』桐谷健太「お芝居の場では話さない」敵対する瀬戸康史を意識して過ごす現場

俳優の桐谷健太と瀬戸康史が出演するフジテレビ系ドラマ『院内警察』(金曜午後9時/初回は15分拡大)が2024年1月12日に放送開始する。第1話の放送を前に囲み取材に応じた2人が、撮影現場での雰囲気や互いの印象、見どころを語った。

桐谷健太(左)は院内刑事を、瀬戸康史は天才外科医を演じる【写真:(C)フジテレビ】
桐谷健太(左)は院内刑事を、瀬戸康史は天才外科医を演じる【写真:(C)フジテレビ】

桐谷と瀬戸は5年ぶりの共演

 俳優の桐谷健太と瀬戸康史が出演するフジテレビ系ドラマ『院内警察』(金曜午後9時/初回は15分拡大)が2024年1月12日に放送開始する。第1話の放送を前に囲み取材に応じた2人が、撮影現場での雰囲気や互いの印象、見どころを語った。

 本作は、21年より青年漫画誌・ヤングチャンピオンで連載中の『院内警察 アスクレピオスの蛇』を原作とした医療エンターテインメント。物語の舞台となるのは、日本有数の大病院・阿栖暮総合病院(あすくれそうごうびょういん)。院内に設置された院内交番に所属する元警視庁捜査一課・武良井治(むらい・おさむ=桐谷)は、日々患者同士のトラブル解決や遺失物捜索に従事していた。そんな中、若き天才外科医・榊原俊介(さかきばら・しゅんすけ=瀬戸)がドイツから帰国する。帰国直後にも関わらず難易度の高いオペに執刀し、素早く正確な手術で周りの医師をうならせる榊原。事あるごとに武良井はそんな榊原に絡み、業務範囲を超えて執拗(しつよう)に粘着する。

 今作がフジテレビ連ドラ初主演となる桐谷が演じるのは、他人のちょっとした身なりや言動の違和感を見抜く抜群の洞察能力を基にしたプロファイリングスキルをもつ敏腕の院内刑事。医師や看護師をはじめ、患者の病状など情報を全て把握するほどの記憶能力持ち併せている。一方で、瀬戸は3年ぶりのフジ連ドラ出演で、日本を代表する若き天才外科医を演じる。執刀する手術は素早く正確で高い成功率を誇り、テレビ番組に密着もされるほど業界内で名をはせている超エリート医師だ。2人は、連続テレビ小説『まんぷく』(18年、NHK)以来5年ぶりの共演となる。

――今作へ意気込みと、現時点での撮影の手応えを教えてください。

桐谷「意気込みはどの作品に対してもありますが、武良井という役はやっていて役者冥利(みょうり)に尽きるというか、今までと一風変わった役でやりがいを感じています。登場するキャラクターも個性豊かで、1人1人の役がイキイキしていてエンターテインメント性もありますね。編集なども重ねてさらにブラッシュアップされていくと思うんですけど、期待できる作品だと思っています」

瀬戸「個人的には、最近は映像でも舞台でもコメディーや場を明るくする作品・役が多かったのですが、今回はシリアスで謎を秘めている役どころなので演じていて楽しいですし、これからどうなるのかという期待があります。撮影はまだ1人のシーンが多くて、桐谷さんくらいしか絡んでいないので、他の登場人物とはこれからどう絡んでいくのかなと思っています」

――お2人は対立する役柄となりますが、現場での距離感で意識していることはありますか。

瀬戸「まったく話さないとかはないです。でも、気にしていない部分で役柄的に距離感はあるような気がします」

桐谷「待ち時間は話しますけど、お芝居の場となると前みたいにはしゃべらなくなりましたね。意識しているわけではないんですけど、そういうモードではないというか、お互い役に集中しているのかなと。現場から少し離れた場所での待ち時間だと話すんです。あと、今までそんなことしたことないのに、一話の2人でのクライマックスシーンを撮ったあとは、無言で『お疲れさま』の“グータッチ”をしましたね、勝手に(笑)」

瀬戸「あー、ありましたね(笑)」

桐谷「役の距離感のために無意識に一線を超えないためなのかな、そういうのはあるかもしれないです」

――5年ぶりの共演で、互いに感じる役者としての変化があれば教えてください。

桐谷「5年前とは役が違うからね」

瀬戸「でも、桐谷さんって、演じるのに“無理な役”ってあるんですかって感じ(笑)。なんでも演じられそうな気がするんですよね。今回も難しい役なのに、桐谷さんから地続きでやっているように見えて。もちろん考えている部分も苦労されている部分もあると思うんですけど、『この線を超えたら武良井になれます』っていうのがあるようにすごくナチュラル。それは、5年前もそうでした。だから“無理な役”ってあるのかなって思っています」

桐谷「この上ない褒め言葉ですよね。今日の取材はもうここまでにして、このほかほかした気持ちのまま帰らせていただけないでしょうか(笑)」

瀬戸「いやいや(笑)」

――桐谷さんから見て、瀬戸さんはいかがでしょうか。

桐谷「榊原の“無表情”もずっとそのままでいるのではなくて、“無”の向こうに見える“有”が存在しているんです。それをしっかりと作ってきたのかなって感じがしました。えらそうなことは言えないんですけど、『ここからこいつと最終話まで切磋琢磨していける』と感じて、うれしくなりました。5年前のことはぼんやりとしていますけど、今とはもちろん違うし、自分自身も変化していると思いますし。榊原のお芝居を見ていて、軽さがないんです。プライベートでお子さんができて、新たな生命を目の前にしたという経験が康史の深みを増したと思います。芝居にはそういうのも出ると思うので」

2人が演じる武良井(桐谷=左)と榊原(瀬戸)の対立はドラマの見どころとなる【写真:(C)フジテレビ】
2人が演じる武良井(桐谷=左)と榊原(瀬戸)の対立はドラマの見どころとなる【写真:(C)フジテレビ】

原作はヤングチャンピオンで連載中の『院内警察 アスクレピオスの蛇』

――原作がある作品への出演ということについて、意識していることはありますか。

桐谷「どの作品でも原作は基になるものなので読ませていただくんですけど、脚本になるとまた違う世界観にはなっていますし、僕たちは動きますし、あまり原作に縛られないようにはしています。作品によっても違いますけどね。参考というか設計図にはしながらも、自分の直感や感覚を大事にしていきたいという思いのほうが強いですね」

瀬戸「僕も同じですね。原作に縛られちゃうと僕がやる意味が分からなくなるし。でも、原作を読むことで知る作品の良さや演じることの責任は感じてやらなきゃいけないとは思うので、参考にはさせていただきます。みんながみんな、ドラマを見て『いい』という感想を持ってくれるわけではないですが、『僕も原作が好きなんです』っていうことが伝わればいいなと思っています」

――本作においてのドラマならではの“こだわり”を教えてください。

瀬戸「僕の場合だと、原作のほうが表情が豊かですね。今のところ、ドラマの榊原はほぼほぼ無表情です。監督とも話し合って、何を考えているのか分からないような表情でやるようにしています。それが見ている人からしたらたくらんでいるように見えたり、悔しがっているように見えたり。他の役だと鼻で笑うところも笑わないみたいな」

桐谷「原作をヒントにして得ている部分はあります。でも、『ドラマのここが原作と違う』という感覚はないですね。口は悪いけど人は優しいとか、正義感もあるけどダークヒーローな部分もあって多角形なやつという、自分なりの武良井像でやっています。それをこのドラマでできれば、原作をヒントにした新たな立体的な武良井ができるんじゃないかなという思いです」

――それでは最後に、第一話のポイントを教えてください。

桐谷「患者さんのストーリーもあれば、武良井と榊原それぞれのストーリーもあって、いろんな側面があると思っています。一話ごとに完結していく部分もあるんですけど、ずっと続いていく武良井と榊原の対立はやっぱり見どころですね。と言いつつも、全部見てほしいです! 『35分から45分を見て!』とはならないので(笑)。見どころは僕が言うんじゃなくて、見た人の心に残る部分がその人の見どころになると思いますし、人によって違うんじゃないかなと思える作品になっています。いろんな人が出てくるので、共感の仕方は人それぞれできるはず。見終わってから教えてほしいくらいです」

――桐谷さんだったら、どこに共感できそうですか。

桐谷「手術する前の女の子とか、奥さんの病気に気づけず後悔する男の人がいたり、その……僕からは控えさせていただきます(笑)」

瀬戸「えー!」

桐谷「まとまらないんですよ! 全部つながってるから、『ここがこう』とか言えない。うまく言えないんですけど」

瀬戸「一話はとくにね。でも、いろんな登場人物がいるので、視聴者さんには一話ごとに“推し”を見つけてほしいです。僕は武良井さんみたいな主人公が好きなんです。スーパーヒーローというか、泥くささもあって、かっこいいいだけじゃない主人公みたいな。僕は榊原役ですけど、武良井さんを応援しています!」

――ちなみに、そんな武良井を演じる桐谷さんの“推し”は誰になりそうですか。

桐谷「推し……いや、みんな、すてきなんですよ。でも、康史も今までとは違って、榊原は多く語らないからこそ見せ方が綱渡りのような部分があると思うんです。そこを鋭くついてくるのが一緒にやっていて楽しかったです。他にも、院内交番をバカにしている看護師さんとかのやりとりも、武良井は言われる側ですけど、面白いんですよ。なので、推しはたくさんいます!」

 ドラマ『院内警察』は、24年1月12日午後9時から初回15分拡大で放送を開始する。

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