100万円ナビ、仰天価格の理由は“メイドインジャパン” ターゲットは旧国産・外車オーナー
いまや運転に欠かせないナビゲーションシステム。メーカー純正商品からカー用品店で購入できる商品までさまざまなバリエーションがあるが、11月に行われた『ジャパンモビリティショー 2023』(東京ビックサイト)では驚きの価格100万円のナビが登場した。製造の経緯と理由を聞いた。
カーナビブランド「マンタレイ」のブースに注目
いまや運転に欠かせないナビゲーションシステム。メーカー純正商品からカー用品店で購入できる商品までさまざまなバリエーションがあるが、11月に行われた『ジャパンモビリティショー 2023』(東京ビックサイト)では驚きの価格100万円のナビが登場した。製造の経緯と理由を聞いた。
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展示を行ったのはカーナビブランド「マンタレイ」。ブースには種類豊富なナビが展示されていたが、中でも金沢の金・銀箔を使用した100万円のナビには注目が集まり、訪れた招待客らも足を止めて商品を見ていた。
担当者は開発の経緯についてこう話す。「旧車、高級外車向けのナビがないという話になったんです。印象に残っているのは『(今あるものは)カッコいいものがなくて、デザイン性も一切ないよね』という友人オーナーからの言葉です。今から2~3年前の話ですね」。周りに旧車や外国製中古車が趣味の友人が多く、“悩み”の声を聞いたのが最初だという。
地図・データ集録関連の受託開発を中心にソフトウエアを開発・販売する企業に勤め、ナビゲーションなどのシステムは作れたため、ハード面の作成に取り掛かった。
仕事柄、中国と行き来することが多く、当初は現地で売っていた自由に開閉できるドライブレコーダー方式のナビからイメージを得た。しかし、「いろいろ考えて、時間がたっていく中で、もっとデザインがきちんとしていて、機能もちゃんとしているものが作りたいと思いました」。
ナビは内蔵されたWi-Fiを使用してスマートフォンと接続され、スマホの画面がそのまま表示される。工事も不要で、接続後すぐに使用可能だという。音声入力にも対応し、ナビゲーションアプリ以外の表示も可能だ。「取り付ける際、ナビが吸盤の安いタイプだと変にくっついてしまって、うまくはがせない場合もあります。外車の中古車だと取り付ける部分がメーカーの純正品で、交換が高くなってしまったり、できない場合があります。最悪、車検が通らないリスクも。
当社では簡単に取り外し可能な樹脂を使用しているため、くっつけても、夏の炎天下でも溶けず、冬でもはがせるものを使っているので、そのような心配もありません」と強調した。
試行錯誤の末、生まれた1品。それにしても100万円の価格設定には驚く。萬田さんが語るその理由とは。「一つ一つ手作りのオールハンドメイド、そしてメイドインジャパンなのでどうしても値段が高くなってしまいます。世界に一つだけのナビをご提供したい。ですから、現状、量産はしていません。一番高い100万円の商品は石川県の金沢箔を使用しています。高級な外車の中古車や、旧車に大事に乗っている方がターゲットですね」。購入者とは相談しながらアップデートやアレンジも可能だとした。
デザインは車メーカーを担当した経験を持つデザイナーを招へい。国宝級の金箔屋にお願いして、金箔と銀箔を貼ってもらい製作した。今後は廉価版の発売も視野に入れているという。
販売予定などはまだ何も決まっていないとしたが、販売を検討しているとして連絡を受けているのは5社ほど明かした(取材当時)。最後には「将来的にChatGPTなどをAIを導入も検討しているので、いろいろなアップデートを行い、このナビをより便利に出来たらと考えています」と構想を掲げた。