高橋ヒロム、DDTに翻弄される…12年分の相思相愛は変則ルールで“思わぬ結果”に

DDTが12日、秋のビッグマッチ『Ultimate Party 2023』を開催した。今年2回目となる両国国技館大会には豪華メンバーが集い、白熱した戦いを見せた。第9試合にラインナップされたのは「ニベア クリームケア ボディウォッシュ W保水美肌 presents アイアンマンヘビーメタル級選手権試合~Dramatic Dream Round“楽しもうぜ!!”何が出るかな!?お楽しみデスマッチ」。新日本プロレスの高橋ヒロムが、自身が保持するタイトルを賭けて、平田一喜を迎え撃つこととなった。DDTの9.9大田区総合体育館大会における平田の対戦希望表明から2か月、2人の”相思相愛“はリングでどのような化学反応を見せたのか。

意を決して踊りまくるヒロム(右)に合わせる平田【写真:DDTプロレスリング提供】
意を決して踊りまくるヒロム(右)に合わせる平田【写真:DDTプロレスリング提供】

ヒロムと平田の12年物語は新木場1stRINGから両国国技館へ

 DDTが12日、秋のビッグマッチ『Ultimate Party 2023』を開催した。今年2回目となる両国国技館大会には豪華メンバーが集い、白熱した戦いを見せた。第9試合にラインナップされたのは「ニベア クリームケア ボディウォッシュ W保水美肌 presents アイアンマンヘビーメタル級選手権試合~Dramatic Dream Round“楽しもうぜ!!”何が出るかな!?お楽しみデスマッチ」。新日本プロレスの高橋ヒロムが、自身が保持するタイトルを賭けて、平田一喜を迎え撃つこととなった。DDTの9.9大田区総合体育館大会における平田の対戦希望表明から2か月、2人の”相思相愛“はリングでどのような化学反応を見せたのか。

 IWGPジュニアヘビー級王者として、新日本プロレスのみならず日本のプロレス界のジュニアのけん引者となったヒロム。そのヒロムがデビューしたのは2010年8月のことだが、初勝利を挙げたのはその半年後の11年2月。その相手が、10年3月にDDTでデビューしていた平田。平田が新木場1stRINGで開催された新日本の若手主体興行『NEVER.5』に参戦し、ヒロムが迎え撃つというシチュエーションだったため、ヒロムとしては是が非でも負けられない戦いだったのだ。その1か月後にはDDTの『月間若手通信3月号』(奇しくも会場は新木場1stRING)にて、平田はヒロムに返り討ちに遭ってしまっている。

 そこから12年、止まっていた歯車は急に回りだす。今年3月1日に、ヒロムの提唱で後楽園ホールにて開催された『ジュニア夢の祭典 ~ALL STAR Jr FESTIVAL 2023~』に平田がサプライズ参戦。デビュー前に練習生として所属していたDRAGON GATEの大先輩であるCIMAとシングルマッチを行い「平田ここにあり」を存分に見せつけ、DDTにおいてもDDT EXTREME王座・アイアンマンヘビーメタル級王座の二冠王に輝くなど、その存在感は増すばかりだった。

 そしてDDTの9.9大田区大会。同二冠王者となった平田は試合後、ヒロムへの手紙を朗読し、両国大会での対戦希望を表明。平田は新日本の後楽園ホールに出場予定のヒロムに思いが伝わるよう、観客に拡散を要請しているところでヒロムが突如全速力でリングに現れ、背後から平田にスクールボーイ……アイアンマン王座を奪おうとしたのだ。驚きふためく平田に対し、ヒロムはその場で対戦表明を受諾。その後、ヒロムはアイアンマン王座を奪い、坂井澄江や石森太二らに一時的に王座を奪われるも、無事(?)王者として両国のリングに上がった。

IWGPジュニアヘビーの"ベルト"がチャンピオンに【写真:DDTプロレスリング提供】
IWGPジュニアヘビーの"ベルト"がチャンピオンに【写真:DDTプロレスリング提供】

ヒロムにDDTの洗礼…人生で初めてアレを装着することに

 赤井沙希の引退試合の余韻に浸る場内に、あおりVTRが流れ始めると多くのファンが平田の光るサングラスを着用し、両国の客席が幻想的な雰囲気に。その中を平田、ヒロムの順で入場。ちなみにこの試合はアイアンマンヘビーメタル級王座が賭けられているだけでなく、ラウンドごとにルーレットで試合形式が決まる超変則ルール。

 まず1つめのルールになったのが「ミュージカルシチュエーションデスマッチ」。流れる曲に合わせて、技を繰り出さなければ、今林久弥GMからダメ出しをされてしまうという、ヒロムにとっては“試される”試合形式に。さっそく曲を無視してヒロムが試合を進めてしまうと「何年プロレスやってるんだよ!」と今林GMに罵倒される始末。その後のヒロムはムーディーな曲が流れると意を決して平田にキスを迫るも、非情にも第1ラウンド終了のゴング。

 第2ラウンドは「2vs1のハンディキャップマッチ」となり、平田のパートナーとして現れたのはヨシヒコ。“地獄の墓掘り人形”がIWGPジュニアヘビー級王者と巡り合いを果たすという異次元の世界感に突入するも、ヒロムはいきなりヨシヒコを叩きつぶし、大ブーイングを浴びる。そしてヒロムのフィニッシャーのひとつであるTIME BOMBを発射。しかしヨシヒコはカウント1でキックアウト。その後、ヒロムはパワーボム6連発にTIME BOMBIIまで発射するも、ヨシヒコはカウント2でキックアウト。その直後に第2ラウンド終了のゴング。

 第3ラウンドはDDTではおなじみの「目隠し乳隠しデスマッチ」。目隠しとブラジャーをした状態で戦い、ブラジャーを取られた方が負けという、新日本では120%実現しないであろうルールに、ヒロムは困惑しながらも初めてブラジャーを装着。客席からのヒントを手掛かりにお互い技を出すも、ロープがどこにあるかわからず顔面からロープにぶつかったり、誰もいないところでドロップキックをしたりという珍場面が続出。このデスマッチの経験者である平田がヒロムのブラジャーをはがそうとするも、ここで第3ラウンドのゴングが鳴る。

 第4ラウンドは「ダンシングデスマッチ」。ダンスを踊らなければ勝ちの権利を得られないという、平田に断然有利なルールに。しかし、大ヒロムコールに後押しされ、平田のサングラスを奪いダンスをするかと見せかけて、結局サングラスを放り投げ大ブーイングを浴びたところで第4ラウンド終了のゴング。

 そして運命の第5ラウンド。通常ルールに決まったかと思われたが、ルーレットが謎の確変に突入しすべての枠が「ダンシングデスマッチ」に。その結果、1ラウンド55分の「ダンシングデスマッチ」で雌雄を決することに。ここでヒロムも確変モードに入ったのか、平田ばりの手刀からサングラスを装着。ヒロムは「DDTのリングには踊りに来たんだ!」と叫んでから、オリジナルが過ぎるダンスを披露(後半は完コピ)。いつの間にか平田もサングラスを装着していたため、2人で平田の入場曲である『TOKYO GO!』を踊りきる。その後、ヒロムが優位に試合を進め、5ラウンド3分33秒、平田からデビュー初勝利を挙げたフィッシャーマンズ・スープレックス・ホールドで勝利を奪った。

 ちなみに試合後、ヒロムがIWGPジュニアヘビーのベルトをアイアンマンのベルトの上にして寝そべった状態で3カウントが入ったため、IWGPジュニアヘビーのベルトが第1590代アイアンマン王者に。ぼう然とするヒロムを尻目に、平田がIWGPジュニアヘビーのベルトに覆いかぶさって3カウントを奪い、結果的に平田が無事(?)第1591代アイアンマン王座に返り咲いた。

 ヒロムの受難はそれだけにとどまらず。花道を下がるヒロムの背後に男色ディーノが現れ、強烈なリップロック。ヒロムは唇を奪われたままバックステージへと消えていった。

次のページへ (2/2) 【写真】ムーディーな曲が流れる中、平田とヒロムが急接近
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