少年サンデーの“黄金時代”…『タッチ』に『らんま1/2』80年代の名作マンガ5選

『週刊少年ジャンプ』(集英社)は1980年代から90年代にかけてヒット作品を連発し、黄金期を迎えるが、その裏で、『週刊少年サンデー』(小学館)にも数多くの名作が生まれていた。本記事では黄金期のジャンプに負けない80年代のサンデー名作5選を紹介しよう。

六三四の剣 1巻(作:村上もとか/小学館)
六三四の剣 1巻(作:村上もとか/小学館)

あの双子の物語や男女入れ替え漫画も

『週刊少年ジャンプ』(集英社)は1980年代から90年代にかけてヒット作品を連発し、黄金期を迎えるが、その裏で、『週刊少年サンデー』(小学館)にも数多くの名作が生まれていた。本記事では黄金期のジャンプに負けない80年代のサンデー名作5選を紹介しよう。

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 まず紹介するのは、81年からサンデーで連載されていた『タッチ』だ。作者であるあだち充氏の代表作で、85年にはフジテレビ系でテレビアニメ化されて多くのファンに愛された。物語は、甲子園を目指す野球部が舞台。上杉達也・和也の双子の兄弟と、2人の幼なじみであるヒロイン・浅倉南の3人を中心に野球や恋模様が描かれた。

 物語の途中、双子の弟・和也が甲子園予選決勝の前に事故に遭い命を落とす。当時、和也の死を受けて、編集部に抗議の電話が殺到したようで、ここまでの反響は、作者のあだち氏も予想していなかったと語る。

 同じく81年から連載されたのが、剣道を舞台にした『六三四の剣』(作:村上もとか)だ。主人公・夏木六三四は、岩手県警の剣豪である父・栄一郎と日本一の女性剣士・佳代の間に生まれた男の子。東堂修羅をはじめとする個性的なライバルたちと激闘を繰り広げる物語である。

 そんなある日、東堂修羅の父・東堂国彦との試合で六三四の父・栄一郎は帰らぬ人になる。六三四は、父の死を乗り越え、仲間たちと小学生剣道日本一を目指す。その後も六三四は父と同じく日本一の剣士を目指して奮闘するのだった。

 野球やサッカーと比べると、漫画の題材にするには珍しい剣道ながら、85年にはテレビ東京系でアニメ化されるほどの人気を誇った。

 82年に連載スタートした『Gu-Guガンモ』(作:細野不二彦)は、人間の言葉を話す正体不明の生物・ガンモと、その飼い主となる小学3年生・佃半平太たちが巻き起こすギャグ漫画だ。84年にフジテレビ系でテレビアニメ化され、ガンモを演じた声優・杉山佳寿子氏のしゃべり方が印象的で話題に。SNS上では「よくお兄ちゃんがガンモのモノマネしてた」など、ガンモのしゃべりのモノマネをしていたという思い出コメントが多く見られた。

 次に紹介する漫画家・高橋留美子氏が描く『らんま1/2』は、87年から連載されていた作品で、89年にフジテレビ系で開始されたテレビアニメも人気を博した。

 主人公・早乙女乱馬は、父・玄馬と修行していた中国で、水を被ると女の姿になり、お湯を被ると男に戻るという不思議な体質になってしまう。ヒロイン・天道あかねはそんな乱馬の許嫁。出会ったころは乱馬のことを嫌っていたあかねだが、徐々に心の距離を近づけていく。乱馬のことが気になるのに素直になれないあかねには、SNS上で「元祖ツンデレ」との声が寄せられている。

 最後に紹介するのは88年から連載されていた『機動警察パトレイバー』。物語は、汎用人間型作業機械「レイバー」があらゆる分野に進出した東京が舞台。主人公・泉野明が警視庁特車2課への正式配備されるレイバー「98式AV イングラム」に搭乗してさまざまな事件に立ち向かっていくストーリーだ。

 本作は、連載開始と同年である88年にOVAが発売され、翌年にはOVAの設定を基に日本テレビ系でテレビアニメ化された作品だ。作者のゆうきまさみ氏はテレビアニメの企画が先にあって、その宣伝用として漫画を描いたと語っている。

 現在連載されている作品だけでなく、懐かしの作品を手に取ってサンデーの歴史を堪能してみるのも面白いのではないだろうか。

次のページへ (2/2) 【写真】『Gu-Guガンモ』&『機動警察パトレイバー』の書影
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