「朝ドラに出たくて」芸能界入り→大食いで有名になった上原わかなが今度はプロレスに魅了されたワケ

2023年、東京女子プロレスは6人の新人選手がデビューを果たした。その中で、昨年開催されたオーディション企画『夢プロレス』を完走し、晴れてプロデビューにこぎつけたのが上原わかな。テレビのバラエティー番組の大食い企画で注目を集めた彼女は、『夢プロレス』に参加するまでは、全くプロレスを知らなかったという。その上原がなぜ、プロレスの世界にどっぷりと浸かってしまったのか、その背景を聴いた。

大食いタレントとして知名度を上げた上原わかな【写真:橋場了吾】
大食いタレントとして知名度を上げた上原わかな【写真:橋場了吾】

大食いで注目を集めたタレントがプロレスと出会うまで

 2023年、東京女子プロレスは6人の新人選手がデビューを果たした。その中で、昨年開催されたオーディション企画『夢プロレス』を完走し、晴れてプロデビューにこぎつけたのが上原わかな。テレビのバラエティー番組の大食い企画で注目を集めた彼女は、『夢プロレス』に参加するまでは、全くプロレスを知らなかったという。その上原がなぜ、プロレスの世界にどっぷりと浸かってしまったのか、その背景を聴いた。

 小さいころから「大物になりたい」という気持ちを漠然と抱いていたという上原は、高校時代にモデルオーディションを受けて芸能活動をスタートした。

「高校時代に初めて、大学時代には朝ドラに出て……と夢を抱いていたんですが、そううまくはいかないものですね(笑)」

 最初はアイドル活動をしていた上原は、いくつかのグループを渡り歩いた苦労人でもある。メジャーデビューも果たしている彼女は、「大食い」という特技が注目を集めることになる。

「実は母も結構な大食いで。なので、私は自分が大食いだという自覚はなかったんですよ。軽い気持ちでプロフィールの特技のところに『大食い』と書いていたら、大食い企画のお話が来て……テレビに出られるほどたくさん食べられないよ~と思っていたんですが、2.5キロのカレーを食べるというオーディションで規定量をペロっと完食してしまい、急遽スタッフさんが追加でカレーを買って来てきださるという(笑)。ちゃんと計って食べた中では、シンガポール料理のラクサ(辛さが特徴の麺類)を4.2kg完食が最高です」

 アイドル時代はグループで活動していたが、個人でタレント活動をすることが多くなった上原は、2022年にプロレスと出会うことになる。初めてプロレスをライブで見たのが、同年3月19日の東京女子プロレス・両国国技館大会『GRAND PRINCESS ’22』だった。

「オーディションを受けた当初は、やるからには1位になりたいと思っていましたが、まさかプロレスラーになるとまでは考えていませんでした。でも両国で中島(翔子)さん(※プリンセス・オブ・プリンセス王座に挑戦し勝利)が飛び回って躍動している姿を見て、私もああなりたいと思うようになりました」

『夢プロレス』では憧れの中島翔子とのシングル戦に臨んだ【写真提供:東京女子プロレス】
『夢プロレス』では憧れの中島翔子とのシングル戦に臨んだ【写真提供:東京女子プロレス】

企画だけで終わらず、練習生となりプロレス正式デビューへ

 半年余りに渡る企画『夢プロレス』には、4人が参加し3人が完走した。東京女子プロレスの選手たちはもちろん、あのアジャコングも練習に参加し、最終課題は同年10月14日・新宿FACEでシングルマッチを行うというものだった。上原の相手は、初めて見たプロレスで憧れを抱いた選手である中島翔子。

「『夢プロレス』に参加するようになって、東京女子プロレスの会場でお客さんの熱気を感じたときに、心がいい意味でざわつくというか……もちろん、アイドルとしてライブをしていたのも楽しかったんですが、私もリングの上に立ちたいという気持ちが大きくなっていきました。中島さんとの試合は……「何もできなかった」という記憶しかないです。圧倒的な技術の差を感じて、プロレスラーって本当にすごいなと思いました」

 当時の上原の肩書は「タレント」。企画が終われば、プロレスの世界から離れることもできたはずだ。しかし上原は、東京女子プロレスの練習生となり、プロデビューを目指すことになる。

「『夢プロレス』に参加していたときは、プロレスを知らな過ぎて毎日空き時間にプロレスの動画を見ていました。半年間プロレスを見続ける生活をして、『夢プロレス』が終わったときにプロレスがなくなるのが寂しくなる自分がいたんです。プロレスが私の生活の一部になっていたので、ここでやめられない!と思いました」

 今年年1月4日、上原はプロレスラーとして後楽園ホールのリング上にいた。遠藤有栖をパートナーに、宮本もか&長野じゅりあ組と対戦。惜しくも宮本の羅生門(変形卍固め)により、ギブアップ負けを喫した。しかしその1か月後、同じく後楽園ホールで同日デビューのHIMAWARIとのシングルマッチで、プロ初勝利を挙げた。

「(『夢プロレス』で)中島さんと対戦したときは、内側にしか目が向いていないというか、お客さんに見てもらえるプロレスではなかったと思います。今もまだまだだと思いますが、少しずつお客さんにも意識を向けられるようになったかなと感じています。(初勝利のフィニッシャーとなった)スリーパーホールドは、絶対に決めてやろう、根性で何とかするしかないと思って必死で出しました」

 デビュー後は、アイドルからプロレスラーへ転身した荒井優希(SKE48)とタッグを組み、沙希様&メイ・サン=ミッシェルのNEO美威獅鬼軍との対戦が組まれるなど、急成長を遂げた上原。その上原に大きな試練が訪れたのは、10月9日の東京たま未来メッセ大会。『夢プロレス』でプロレスの凄さを体感させてくれたアジャコングと対戦することになったのだ。

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