なぜ、ミュージカルからグラビアの道へ 小南満佑子の決断 撮影現場では「布少なっ!」

俳優の小南満佑子(27)が、10月20日に初の写真集『Luce』(講談社刊)を出版した。演技力、歌唱力が評価され、「ミュージカルの新女王」と注目される27歳はなぜ、グラビアにも出続けるのか。表現者としてボーダーレスに挑戦していく思いを聞いた。

写真集では大胆なビキニショットも披露している小南満佑子【写真:ENCOUNT編集部】
写真集では大胆なビキニショットも披露している小南満佑子【写真:ENCOUNT編集部】

27歳・小南満佑子「誰もやっていないことをやってみようと」

 俳優の小南満佑子(27)が、10月20日に初の写真集『Luce』(講談社刊)を出版した。演技力、歌唱力が評価され、「ミュージカルの新女王」と注目される27歳はなぜ、グラビアにも出続けるのか。表現者としてボーダーレスに挑戦していく思いを聞いた。(取材・文=大宮高史)

 インタビューが始まると、小南は関西弁で快活に話し始めた。

「まさか写真集を出させていただく日が来るとは夢にも思ってなくて、発売記念の会見にも『誰もおらんかったらどうしよう』って思ってたんですが、何社も来ていただいて本当にありがたくて、すごく幸せな日になりました。ありがとうございます」

 8年前、ミュージカル『レ・ミゼラブル』で俳優デビューした。音楽大で学びながら、『Endless SHOCK』(2016年)ではヒロインのリカ、NHK連続テレビ小説『エール』(20年)ではヒロインのライバルで舞台俳優・夏目千鶴子役を演じ、歌も披露した。今年も『キングアーサー』『ヴァグラント』と舞台出演が続くミュージカル界の新星が、沖縄ロケで初めての写真集を撮り切った。大胆なビキニ姿や泡風呂でのショット、ランジェリー衣装での撮影もいとわなかった。

「最初は『布少なっ!』とビックリしたんですが、慣れますね。小学4年生の頃からオペラを学んでいて演技をお見せする経験はあったのですが、『ドレスが似合ってすごく舞台映えするね』と言っていただくことも多かったです。体のプロポーションが外国人に近いのかなと思います。海外ミュージカルを国内で上演するのに、私の衣装は日本人向けに補正しなくてもそのまま着させていただいたり…。昔はそれがコンプレックスだったのですが、大人の女性・表現者として強みにしてもいいなと考えて、制作を進めるうちに自信を持てるようになりました」

 4歳からバレエや声楽を学び、いくつものコンクールで入賞。音楽大在学中に舞台デビューと、俳優業一筋に見えるキャリアから異例にも見える挑戦。写真集のタイトル『Luce』はイタリア語で光の意味だ。海外のグラビアも研究し、色気だけでなく、同性からも憧れられるような健康的な美しさを目指し、ピラティスなどのトレーニングにも打ち込んだという。

「身長とか胸とかおしりとか、突出したところはなくても体のバランスがいいところが売りかなと思います(笑)。水着もありますし、露出の多い衣装を着る分、ナチュラルな造形美を目指しました。お腹にも腹筋のラインが綺麗に入っているんです。だから、女性にも、先入観を持たないで肉体美をフラットな目で見てほしいです」

 思い出の舞台は俳優デビューの作品であり、その後もコゼット役で抜てきされた『レ・ミゼラブル』だ。

「こんな全世界で愛されている作品で、18歳の大学1年生をオーディションで選んでいただいて、キャストもスタッフもプロ意識の高い方々ばかりで…。衣装の扱い方や、舞台裏での皆さんへの気配りまで、ゼロから学ばせてもらいました」

 そして、前田美波里を尊敬している。

「生き方も素敵で、芸能界のお母さんです。『Endless SHOCK』で母と娘の役で共演させてただいたのですが、今でも外国人のようなプロポーションを保っていらっしゃるのが素晴らしく、いくつになってもパフォーマンスもスタイルも衰えないことのすごさを学びました」

 だが、小南は舞台だけにこだわっているわけではない。

「『誰もやっていないことをやってみよう』と考えて、あえてミュージカルからグラビアの道を選んだ面もあります。舞台での生のパフォーマンスってなかなか形に残りにくいのと、そこで見ていただくのは役としての私です。だから、意外と小南満佑子としての、ナチュラルな私をお見せする機会は少ないんだなと思って。グラビアを通じて27歳の私が、生身の体でできる表現を追求しました」

 幼い頃、マイケル・ジャクソンを好きになってダンスを始め、『マイ・フェア・レディ』を見てミュージカル俳優を志した。そして、「メリル・ストリープやジュリー・アンドリュースのような役者像も目標です」と海外エンタメへの憧れを抱きながら、国民的な映像作品に出る目標がある。

「『いつかNHK大河ドラマに出たいな』と思い、ずっと黒髪でピアスも付けていません。よろしくお願いします! 『ミュージカルの新女王』なんて肩書きもいただくようになりましたが、ボーダーレスに多彩なジャンルで、羽ばたける存在になりたいなと思っています。原点である舞台はもちろん、映像に雑誌、それからトークのお仕事もお待ちしています。関西人なので(笑)」

 屈託のない笑顔でアピールに余念がない。写真集作りで恒例の「自己採点するなら?」の質問にも、「100万点です!」と自信満々で答えた。

「ニューヨークに以前行った時に、すごく芸術にあふれた街だなというのが印象的だったので、そういった街並みで撮影するのも楽しそうだなと思いますし、(今回が沖縄で撮ったので)海つながりで次はハワイにも行けたらいいなと思ったりしています」

 とにかくどん欲な27歳。次の写真集もイメージしつつ、あらゆるオファーを待っている。

□小南満佑子(こみなみ・まゆこ) 1996年8月10日、神戸市生まれ。東京音楽大音楽学部声楽専攻卒。2014年、イタリアコンコルソムジカアルテ音楽コンクール・クルラトゥーラ部門奨励賞、兵庫県高等学校独唱独奏コンクール金賞などを受賞。15年、ミュージカル『レ・ミゼラブル』で俳優デビュー。16年には、『Endless SHOCK』にヒロイン・リカ役で出演。20年にNHK連続テレビ小説『エール』に出演。特技は英会話、オペラ、ダンスなど。身長165センチ。

次のページへ (2/2) 【写真】小南満佑子が公開した“へそ出し”ショット
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