加藤シゲアキ、ライブ会場で珍光景「小説現代を振っている人が…」 直木賞は「考えないように」

NEWSのメンバーで作家の加藤シゲアキが24日、都内で新刊小説『なれのはて』発売記念会見を行った。

発売記念会見を行ったNEWS・加藤シゲアキ【写真:ENCOUNT編集部】
発売記念会見を行ったNEWS・加藤シゲアキ【写真:ENCOUNT編集部】

新刊小説『なれのはて』発売記念会見

 NEWSのメンバーで作家の加藤シゲアキが24日、都内で新刊小説『なれのはて』発売記念会見を行った。

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 舞台は東京、秋田、新潟。時代は令和から、戦前戦後の昭和、そして大正までが描かれる。物語のきっかけになるのは、終戦前夜に起きた日本最後の空襲といわれる秋田・土崎空襲。加藤の母の地元でもある。いつの時代も悲劇と後悔は背中合わせ。やるせない人間の業(ごう)と向き合いつつ、力強く生き抜こうとする人々の姿を、一枚の絵のミステリを通じて描く。

 また、書店員、書評家からの評価が高く発売前にもかかわらず注文が殺到したため、異例の発売前重版が決定した。加藤は「有り難い限りです。自分としても自信作になったと思っています。話題になったことが、間違っていなかったと再確認しているところです」と笑みをこぼした。

 土崎空襲は、第二次世界大戦末期の1945年8月14日夜間から翌日15日にかけて、秋田県秋田市周辺を標的としたアメリカ軍によって行われた大規模空襲。加藤は「ネットで『秋田 戦争』で、土崎空襲という日本最後の空襲を知りました。たくさんの資料を読み込む内に、史実を元に小説を書くのは初めて。事実として起きた空襲、被害者のいるものを物語にしていいのかっていう葛藤はありました。一方、書くことで伝わるものはあると思いました」と複雑な心境を吐露した。

 また、秋田は母の地元でもあり祖父母がいる。今年8月には取材も兼ねて、約20年振りに帰省した。「久しぶりに訪れたんですけど、光景は変わっていないと思いました。戦争の体験をしたことがあるか聞いたら祖母は当時10歳で、『3か月の妹をおぶって空襲がきたからあぜ道に出たことがある』と言っていました。自分の祖父母ともそういった話をしたことはなかった。とても近い家族でありながら、知らないことがたくさんあった。快く話してくれたんですけど、こういう話ができただけでも書いた意味があったなと思いました」と感慨深い表情を見せた。

 また、NEWSは結成20周年を記念したライブツアー『NEWS 20th Anniversary LIVE 2023 NEWS EXPO』を行っている。ライブ会場で、加藤は珍光景を目撃した。「『小説現代』を振っている人が何人かいて。“発売前重版”といううちわもありました」と驚きを明かしていた。メンバーの反応についても「まだ発売していないので渡していません。小山(慶一郎)は『読ませろ』って言ってくるので『買え』って言っています。10冊買って、家族に配ってくださいと。90歳の祖母がプロット版を3日で読んだそうで『面白かった』という感想をいただきました」と告白。直木賞についても「考えないようにしています」と苦笑いした。

次のページへ (2/2) 【写真】『なれのはて』発売記念会見に登壇した加藤シゲアキの全身ショット
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