木南晴夏、ゆとり映画でトリリンガルの“バリキャリ”を熱演 私生活では家族と育児を分担し「気持ちが楽に」

俳優の木南晴夏が映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』(水田伸生監督、公開中)で有能なキャリアウーマン、チェ・シネを熱演している。俳優の岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥らが、“ゆとり時間”を過ごしている中で、韓国語、英語なまりの日本語を披露する木南の出演シーンは刺激的だ。「これ!」と決めたことは、役はもちろん趣味などのプライベートでも追求し続ける木南に、映画について、さらに学ぶ楽しさなどについて聞いた。

映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』で有能なキャリアウーマン、チェ・シネを演じる木南晴夏【写真:ENCOUNT編集部】
映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』で有能なキャリアウーマン、チェ・シネを演じる木南晴夏【写真:ENCOUNT編集部】

韓国語、パンなど好きなことはとことん追求、学びたい意欲が自分を向上させる

 俳優の木南晴夏が映画『ゆとりですがなにか インターナショナル』(水田伸生監督、公開中)で有能なキャリアウーマン、チェ・シネを熱演している。俳優の岡田将生、松坂桃李、柳楽優弥らが、“ゆとり時間”を過ごしている中で、韓国語、英語なまりの日本語を披露する木南の出演シーンは刺激的だ。「これ!」と決めたことは、役はもちろん趣味などのプライベートでも追求し続ける木南に、映画について、さらに学ぶ楽しさなどについて聞いた。(取材・文=西村綾乃)

 映画は7年前に日本テレビ系列で放送されヒットしたドラマ『ゆとりですがなにか』の劇場版。アラサーになったゆとり世代の3人が騒動に巻き込まれる中で、成長する姿を描いていく。

 木南が務めたのは日本の食品メーカーを買収した韓国企業のスーパーバイザー、チェ・シネ役。成果を出せない相手に詰め寄る、隙を与えない話術など、“ゆとり”時間が流れる中で、ピリッとした緊張感は映画のいいエッセンスになっている。

「『ゆとりですがなにか』のドラマをオンエアのときに見ていて好きだったので、出演のお話をいただいたときは、“ゆとり”の一員になれる! と思ってうれしかったです。韓国語のセリフがあると聞いて、以前、ジェジュンさんと共演したドラマ(『素直になれなくて』)などで韓国語を使う演技をしたことはあったのですが、『どのくらい話すのかな?』と最初は不安でした」

 そう謙遜するが、ドラマ『素直になれなくて』の放送後には夜間の大学に通って学び、映画『知らない、ふたり』(今泉力哉監督)で流ちょうな韓国語を披露した。また、「大好き!」と公言しているパンもパンシェルジュ2級資格を取得し、パンに関しての雑誌連載やバラエティー番組でレギュラーコーナーを持ったり、セレクトしたパンの販売を行うなど、「これ!」と決めたことには、努力を惜しまない。

「学生のときから勉強することが大好きで覚えることも好きなので、テストは得意でした。韓国語の初歩は簡単でしたが、学校に通って集中的に勉強しました。言語を知るのは、文化の違いなどを知る機会にもなりますよね。最近は韓国の方のSNSをみて日常会話を学ぶこともあります」

 メガホンを取った水田監督は、撮るスピードが速く、ほぼ全てのシーンを1回で撮影したという。

「ドライ(カメラ無しで始めから終わりまで行うリハーサル)、テスト(カメラワークを確認する)をしたら、すぐに本番という感じでサクサク進んでいきました。私は韓国語はもちろんですが、英語、韓国語なまりがある日本語でもセリフがあり、ずーっと緊張感の中にいました。大好きな作品に出演できたのに、余裕が全くなかったです(笑)」

 百戦錬磨の役者が顔をそろえた撮影では、アドリブも多かった。中でも俳優の吉田鋼太郎が見せた“怪演”は、度肝を抜いたと苦笑いする。

「鋼太郎さんがお酒を飲んで酔う場面があり、リハーサルは台本通り和やかに進んでいたんです。本番が始まって、私とすれ違ったときに、バタッと倒れたので、『死んでしまった!?』と驚いちゃって(笑)。アドリブだったんですけどね(笑)」

 劇中には仕事を持つ女性が直面するハラスメントについて触れる場面がある。映画では目撃した木南が怒号を上げ追い払うが、18歳で芸能界入りした木南は“働きやすさ”についてどのように考えているのだろう。

「撮影が深夜までかかるなど、大変なときもありますが、魅力的な役者さんたちとお仕事ができる仕事に、やりがいを感じています。映画の中で問題視されたようなことについて、私自身は経験したことはありませんでした。それはとても幸運なことだと思っています」

 プライベートでは、2018年に結婚。その後、第1子が誕生した。

「ママになってからは、プライベートのほとんどの時間を子どもに使うようになったので、生活ががらりと変わりました。1日は24時間。家族と過ごす時間、自分の時間をどう振り分けるのか、最初はもどかしさがありました。家を守るのは女性と思ってしまって、育児や家事が思うようにできないときは罪悪感でいっぱいで……。でも全てを1人でこなすのは難しいと割り切って、考え方を変えてみました。それまでよりもいろいろなことを家族と分担するようになり、気持ちが楽になりました。お仕事の時間も、家族との時間もこれからも大切にしていきたいですね」

□木南晴夏(きなみ・はるか)1985年8月9日、大阪府生まれ。2001年に『第1回ホリプロNEW STAR AUDITION』でグランプリを手にし16歳で芸能界入り。04年に出演したドラマ『桜咲くまで』で俳優としての活動もスタートした。映画『20世紀少年』に出演し注目を浴びた。ドラマ『勇者ヨシヒコ』シリーズ、『おいハンサム!!』、『ブラッシュアップライフ』、舞台『海辺のカフカ』、『ブラッド・ブラザーズ』などの話題作に出演。またパン好きとしても知られ、パンシェルジュ2級資格を取得したり、自身が選んだパンが届く「キナミのパン宅配便」というサービスも手掛けている。10月22日からは、主演を務める日本テレビ系ドラマ『セクシー田中さん』(日曜午後10時30分)が放送される。

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