ヒロミ、タレント復帰10年 若い世代との対話に苦慮も「何かをさり気なくやってあげたい」

タレント復帰から間もなく10年。58歳のヒロミが地元の東京・八王子市で音楽フェスを開催する。同市出身者で立ち上げた音楽とお笑いの融合イベント『八王子魂 Festival & Carnival 2023』(11月11、12日)で、30組超の出演者がエスフォルタアリーナ八王子(八王子市総合体育館)に集う。8月には日本テレビ系『24時間テレビ』で102.3kmを走破。ヒロミが挑戦を続ける理由を聞いた。

地元・八王子市で音楽フェスを開催するヒロミ【写真:矢口亨】
地元・八王子市で音楽フェスを開催するヒロミ【写真:矢口亨】

あふれる地元愛…11月に音楽とお笑いのフェス『八王子魂』を開催

 タレント復帰から間もなく10年。58歳のヒロミが地元の東京・八王子市で音楽フェスを開催する。同市出身者で立ち上げた音楽とお笑いの融合イベント『八王子魂 Festival & Carnival 2023』(11月11、12日)で、30組超の出演者がエスフォルタアリーナ八王子(八王子市総合体育館)に集う。8月には日本テレビ系『24時間テレビ』で102.3kmを走破。ヒロミが挑戦を続ける理由を聞いた。(取材・文=福嶋剛)

――地元・八王子で初開催の音楽フェス『八王子魂 Festival & Carnival 2023』まで残り1か月になりました。

「きっかけは仲間たちと作った『八王子会』なんですが、ファンキー加藤たちのミュージシャンメンバーと『いつか音楽フェスをやって、地元に恩返しをしたい』という話をしていたんです。それからコロナ禍になって、みんなで集まることがしばらくできなかったんだけど、医療の最前線で頑張っている八王子医療センターの方たちに応援メッセージを送ったりしていて、そんな活動を見ていた八王子の市長さん、商工会議所、観光協会のみなさんに『地元を盛り上げるイベントを一緒にやろう』と話をいただいたことで、ここまで来ちゃいました」

――ヒロミさんはアンバサダーとして参加されます。

「そう。僕が一番フェスのことを知らない人だから、不安しかない(笑)。だから、そこは専門家に任せて僕はフェスを盛り上げるために2日間、会場をフラフラと歩く現場監督だと思ってください」

――湘南乃風やKICK THE CAN CREWなど、30組超の出演者が続々と決定しています。

「ホントにこれだけたくさんのアーティストが八王子に集うことは今までもなかったですから。湘南乃風はメンバー直々に『やりたい』と言ってくれて、わざわざスケジュールを調整してくれたんですよ。ありがたいですよ」

――石森孝志市長たってのお願いで、奥様の松本伊代さんの出場も決まりました。昨年、番組収録中の骨折で全治3か月の大ケガを乗り越え、元気な姿でステージに戻ってきました。

「本人的にはまだちょっと怖いところもあるみたいです。リハビリも続けているんですけど、少しずつステージに立たせてもらっています。でも、今回は市長に言われる前から、やる気満々で張り切っていましたから(笑)。無理しない程度に頑張ってほしいです」

――先日出場者第3弾が発表され、親友の木梨憲武さんの出場も発表されました。『友よ』を歌うもう1人(藤井フミヤ)の出場もあるのでしょうか。

「あの2人とは親戚みたいなもんですから(笑)。こっちが呼ばなくても『親戚のイベントだから』ってなるかもしれないですしね。どうなんでしょう」

――木梨さんもヒロミさんと同じように仲間と一緒に曲を作ったり、アートの世界でも活躍するなど次々と新しいことにチャレンジしています。

「ノリちゃんの影響は大きいと思います。面白そうなものを見つけたら何でもチャレンジする勢いはやっぱりすごいですよ。今回のフェスの話が出た時にノリちゃんに話したら、『やれそうなことはどんどんやった方がいい』と言ってくれてね。藤井さんもそうなんだけど、ある程度、みんな歳を取ってきたから、『(やりたいことは)後回しにしないで今やっとこう』って。一緒にご飯食べながらよくそんな話をするんです」

――それが挑戦する原動力にもなっていると。

「断ることは簡単なんですよ。『無理です』と言っちゃえばそれで済むことなんだけど、やったことない挑戦ができるチャンスがあるのに、やる前から『無理』って思ってしまうことが、何かつまらない。『こんなことはできますか?』と言われたら、『まあ、やってみようか』みたいな、そんなノリの自分でいたいんです。今回もフェスが決まって、その前に24時間マラソンを走ることになったんだけど、自分の中に『そういうチャレンジもありかな』みたいなのがあったからやってみた。他にも今年は建築もの(河口湖の別荘)もあったり、来年は自分のライブも計画しているから、24時間マラソンが終わってからもずっと走っている感じがするんですよね(笑)」

『八王子魂』八王子の代表的なイベントを目指す【写真:矢口亨】
『八王子魂』八王子の代表的なイベントを目指す【写真:矢口亨】

若い世代とのコミュニケーションは「さり気なさ」が大事

――ヒロミさんは若い世代とのつながりも大事にして、多くの後輩から慕われています。世代間のコミュニケーションで大切にしていることとは。

「テレビの世界でも若い人たちとおじさんは互いに話しづらいところはあるんです。僕も歳だから、周りから気を使われることがあるんだけれど『どうしたらいいかな』って考えるのはみなさんと同じです。こう見えて僕なんか、最前列とか中央に立って『僕がやってます』みたいなのは本当に苦手なので。24時間テレビは腹をくくって走りましたけど、最後まで前に出るのは小っ恥ずかしかったんです。だから、押し付けがましいコミュニケーションは嫌なんだけど、例えばバラエティー番組で若い人たちが『こんなことを話したい』と思って、その6割くらいしか出せなかった時に、『何かをさり気なくやってあげられることで、それを8割くらいまで伸ばせたらいいな』とか、自分ができることってそれくらいですよ。『八王子会』も『地元ネタで会話できたら縦も横もつながるし、楽かも』という発想だったんでね」

――今回の音楽フェス『八王子魂』は、そんな世代を超えて多くの人たちに八王子の魅力を伝えていきたいと。

「ホント、そんな感じです。はじめは『ヒロミがいる八王子』で遊びに来てもらっていいんだけど、『八王子って面白いキャラクターがそろっているよね』とか、ヒロミという名前がそこから外れて、『八王子って面白いところだな』と思って帰ってもらえたら、それが一番です。そんな八王子の代表的なイベントになってほしいなって思っています」

――ヒロミさんのグループ(=B21スペシャル)がフェスに登場する可能性は。

「往年のグループはね、さっきも話したけれど来年、僕のライブをやろうと思っていて(フェスで)出しすぎるのもよくないから『どうなることやら』としといてください(笑)。とにかくみんなで八王子を盛り上げようと頑張っているんで、楽しい2日間になることは間違いないです。ぜひ、八王子に遊びに来てください」

□ヒロミ 本名:小園浩己。1965年2月13日、東京・八王子市生まれ。86年、ミスターちん、デビット伊東とB-21 SPECIALを結成、“お笑い第3世代”を代表する存在となる。93年に松本伊代と結婚、2男の父に(長男は俳優の小園凌央)。現在はテレビ番組のMCを多数務めながら、YouTubeチャンネル、自身のブランド『FREELY//H』を展開するなど多方面で活動。

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