秋葉原で客も店員もサイリウム片手にフィーバー アニソンカフェの知られざる世界

オタクも非オタも一緒になれる楽しみがそこにある。アニメソングを歌い、お酒も楽しむことのできるアニメソング専門のカラオケカフェ(アニソンカフェ)だ。アニメが大好きなスタッフと常連客だけでなく、来店した客同士も一緒になって、歌って合いの手を入れて盛り上がる。“オタクの聖地”秋葉原にあるアニソンカフェに、オタクではない30代記者が初めて行ってみた。

アニソンカフェ「すた~ず@AKIBA」
アニソンカフェ「すた~ず@AKIBA」

アニソンカフェ「すた~ず@AKIBA」ルポ カラオケ、コスプレで盛り上げ上手なスタッフたち

 オタクも非オタも一緒になれる楽しみがそこにある。アニメソングを歌い、お酒も楽しむことのできるアニメソング専門のカラオケカフェ(アニソンカフェ)だ。奥深いアニソンの世界やコスプレ、マニアックな会話……。それでいて個人の趣味の範囲にとどまらない。アニメが大好きなスタッフと常連客だけでなく、来店した客同士も一緒になって、歌って合いの手を入れて盛り上がる。“オタクの聖地”として有名な東京・秋葉原にあるアニソンカフェに、オタクではない30代記者が初めて行ってみた。

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 中央に用意されたステージでアニソンが熱唱される中で、ヲタ芸を象徴するサイリウムの光が交錯し、タンバリンの響きと笑い声が重ね合わさる。

 株式会社シティコミュニケーションズが運営するアニソンカフェ「すた~ず@AKIBA」。地下1階のカラオケフロアは、まるでライブ会場のような熱気に包まれた。誰かが歌えば、スタッフ店員や常連客らが絶妙な合いの手を入れ、振り付けを合わせ、盛り立てる。アニメ界ではおなじみのコールなのか、息がぴったりだ。振り付けというより動きが激しく、体全体で表現するコンテンポラリー・ダンスのようだ。

スタッフ店員はコスプレ大好き。 「BLEACH」がテーマの一枚【写真提供:ルカさん】
スタッフ店員はコスプレ大好き。 「BLEACH」がテーマの一枚【写真提供:ルカさん】

「みんなが楽しめることが一番です。スタッフだけが楽しんでも意味がない。お客様には、家に帰ってきたような感覚になってもらえれば」

 店舗責任者のルカさんは、店づくりへの熱き思いを語る。

 約20人の店員はアニメ好きであり、自ら衣装を作ってしまうほどコスプレも大好き。最近のイチオシは「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」だというルカさんは「スタッフは働き始めてからコスプレを始める人も多いですが、店員同士で教え合っています。私自身もジャケットやスカートをミシンで縫って作ります。お客様とも、新しい作品や古いアニメの情報を交換し合っています。なので、好きなジャンルが合うスタッフがいると思います」と話す。スタッフを取りまとめるルカさんは、カラオケでは“司令塔”として盛り上げ役を担う。

1階はスタイリッシュなバースタイルだ
1階はスタイリッシュなバースタイルだ

 プレイングマネージャーの佐藤五月さん(41)によると、2017年12月に開店した同店は1階がバースタイルで食べ物の持ち込みが可能で、カラオケフロアは地下1階に併設。アニソンカフェで2フロア制は秋葉原では珍しい業態という。

 客層は20代の男女から40~50代、海外からも来るといい、幅広い。

 9月中旬の取材日。木目調のシックな玄関から1階の店内に入ると、コの字型のカウンターにお客さんが座るスタイリッシュな雰囲気だ。似顔絵師のスタッフが女性店員を描いたというイラストのポスターが印象的だった。この日は、週4のペースで行われるイベントのテーマが「制服」。店員は制服スタイルの衣装だった。

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