玉山鉄二、実写映画『次元大介』に「感謝」 大塚明夫がクオリティーに太鼓判「嫉妬しますね」

人気漫画『ルパン三世』シリーズの人気キャラクター・次元大介を主人公にしたアクション実写映画『次元大介』が、動画配信サービス・Prime Videoで10月13日より世界独占配信される。2014年公開の実写映画『ルパン三世』で次元を演じた俳優の玉山鉄二が、9年ぶりに同役を演じる。配信を前に、アニメ版で次元の声を務める声優・大塚明夫とともにインタビューに応じた。

玉山鉄二(左)と大塚明夫が次元大介について語り合った【写真:ENCOUNT編集部】
玉山鉄二(左)と大塚明夫が次元大介について語り合った【写真:ENCOUNT編集部】

10月13日よりPrime Videoで世界独占配信

 人気漫画『ルパン三世』シリーズの人気キャラクター・次元大介を主人公にしたアクション実写映画『次元大介』が、動画配信サービス・Prime Videoで10月13日より世界独占配信される。2014年公開の実写映画『ルパン三世』で次元を演じた俳優の玉山鉄二が、9年ぶりに同役を演じる。配信を前に、アニメ版で次元の声を務める声優・大塚明夫とともにインタビューに応じた。(取材・文=猪俣創平)

 50年以上にわたり、日本だけでなく世界中で人気を誇る、モンキー・パンチ氏による漫画『ルパン三世』。その実写映画シリーズ最新作となる本作の主人公は、ルパン三世の無二の相棒で早撃ちの天才ガンマン・次元大介。物語は、長年連れ添った愛銃「コンバット・マグナム」に不調を感じた次元が、時計屋を営む“世界一のガンスミス(銃職人)”を探して数年ぶりに日本を訪れるところから始まる。

 玉山が9年ぶりに次元を再演した本作は、情報が解禁されると瞬く間に話題となった。“玉山”次元大介に期待する声も多く聞かれたが、自身も「プロデューサーの方が本当に大事に温め続けてくれたおかげで今回撮ることができました。すごく感謝しています」と感慨深くうなずく。

 玉山にとってお気に入りの“次元大介”は、トムス製作の『LUPIN THE IIIRD 次元大介の墓標』(2014年公開の次元が主役のOVA)とのこと。「世界観がめちゃくちゃ好きで、そういう絵作りになったらすごくいいなと思いながら、今回のオファーをお受けしました」と、目指した指針を明かす。

 次元の魅力を「余分なものを削ぎ落としていった、本当に無駄がない男」だと表現する。すると、隣でこれを聞いていた大塚が言葉を引き取り、「いつ命を落とすか分からない世界に生きていることで、不必要なものが削がれていって“次元大介”が出来上がるってことだと思うんです。でも、そこに少し恥じらいもあって……人気の秘密はそこにあるのかな、なんて思ったりします」と、説明を加えた。

 インタビュー当日が初対面だった2人。大塚は今作に出演はしていないが、玉山演じる次元をすでに見届けた。玉山に「嫉妬しますね」とはにかみ、言葉を続けた。

「とにかくかっこいいな、という感想です。次元大介をよく知ってるんだなって、研究してるんだなって思います。それが映像に出ていて、削いで削いで削ぎ抜いた、そのままいるだけで次元大介として成立させてしまう自力っていうのかな。やっぱりすごいなと思います。本当に世界観を含めて、次元大介のすてきさを玉山鉄二という男の背中に見ましたね。うん、かっこよかったです」

 大塚もまた、次元を「基本的にかっこよくなくちゃいけない」と考え、「決めるときにちゃんと見得が切れる。だけど、ルパンより前に出ちゃいけない」ことを心がけてこれまで声の収録に臨んできた。同じ次元に関わる者として、実写に挑んだ玉山へのリスペクトの思いも明かす。「どう演じるかっていうのは、生身をさらさなきゃいけない。お話を聞いていて、自分の肉体をさらしてやらなきゃいけない責任感は、やっぱり大きいなと思いますね」。

9年ぶりに次元大介を演じた玉山鉄二【写真:ENCOUNT編集部】
9年ぶりに次元大介を演じた玉山鉄二【写真:ENCOUNT編集部】

玉山は入念に役作り「“やった感”を出すのが次元っぽくないんです」

 今作で玉山は、無駄を削ぎ落としながら「シンプルな男」としてのクールな次元を作り上げていった。

「台本を読んで、シーンの最低限伝えなきゃいけない部分と、削ぎ落しても問題ない部分を自分の頭の中に入れてから撮影に臨みました。現場に入ったら監督とコミュニケーションを取って、話も聞いてもらいました。もちろん、僕一人だけじゃなくて、監督も含めていろんな人たちと作り上げた部分があります。すごく柔軟な監督さんで、とても感謝しているし、次元と向き合うにあたってとても恵まれた現場でした」

 次元のイメージといえば印象的な黒ハットとダークスーツに身を包み、愛銃コンバット・マグナムを手にした姿。アニメなどで描かれる場合、目はいつもハットで隠れているが、今作ではハッキリと出ている。大塚も「帽子をかぶっていなくても、ちゃんと『次元大介だ!』って思えるのがすてきなところですよね」と絶賛する見た目は、玉山がこだわった結果でもある。

「外見的な部分では気だるさというか、自分から何かに対して行動するのではなく、全部何かをさせられているようなイメージで行動するようにしています。壁に寄りかかったり、人のセリフを聞くときもだるそうに、とか。積み重ねというか、多分“やった感”を出すのが次元っぽくないんですよね。だから、僕の中ではそういうアプローチをしていました」

 今作では、ハードボイルドな世界観やガンアクションも見せ場となる。だが、それだけではない。玉山は「エンタメに対して、先入観を持って見てもらうのがあんまり好きじゃない」と前置きしつつ、組織に狙われ悲しい過去から言葉を発することができなくなってしまった少女・水沢オト(真木ことか)との人間ドラマを見どころにあげる。

「次元とオトの距離が詰まるまでのプロセスなどを見ていただいて、今っぽくないのかもしれないけれど、映画『レオン』みたいに女の子を命懸けで守るみたいな。普通のアニメシリーズとはまた違った感覚で、次元の普段描かれていないところが描かれているので、僕は演じていてすごく楽しかったです」

 玉山は最後に、「皆さんがお持ちになられてる、次元大介のイメージとか思い入れみたいなものがあると思うので、この作品を見てもらって、昔のことを思い出したりとか、見てた当時の自分を思い返したりとか、そういうきっかけになればいいなと感じています」と呼びかけた。

□玉山鉄二(たまやま・てつじ)1980年4月7日、京都府出身。1999年、テレビドラマ『ナオミ』(フジテレビ)で俳優デビュー。2005年、映画『逆境ナイン』で映画初主演を果たす。10年、映画『ハゲタカ』で日本アカデミー賞優秀助演男優賞を受賞。14年、実写映画『ルパン三世』で次元大介を演じる。連続テレビ小説『マッサン』(NHK)、大河ドラマ『西郷どん』(NHK)、ドラマシリーズ『全裸監督』(Netflix)など多数出演。

□大塚明夫(おおつか・あきお)1959年11月24日、東京都出身。アニメ『ルパン三世』の次元大介、ゲーム『メタルギア』シリーズのソリッド・スネーク、アニメ『ONE PIECE』の黒ひげ、などの声優を担当。洋画吹き替えでは、アントニオ・バンデラス、ニコラス・ケイジ、スティーブン・セガールなどを担当。

<スタッフクレジット>
【玉山鉄二】
スタイリスト:袴田能生
ヘアメイク:石邑麻由

【大塚明夫】
スタイリスト:森島あさみ
ヘアメイク:藤井康弘

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