俳優の綾野剛が1日、都内で開催された映画『花腐し』（11月10日公開）の完成披露舞台あいさつに出席。柄本佑と共演した感想を語る場面があった。舞台あいさつには、柄本、さとうほなみ、荒井晴彦監督も登壇した。

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　全身黒コーデで登場した綾野は、直後に映画を見てもらうことに対する心境を聞かれると「素直にうれしいです。今から見ていただいて、どう受け止めてもらえるのか。届けられることに感謝しています」としみじみ。

　続けて、脚本を読んだときの感想については「脚本の段階で完成していました。実写化する節みたいなところがあって『これぞ脚本』ってものに出会いましたね」と絶賛。「それ以上に荒井組が持っている映画人の中に飛び込みたい。佑くん、ほなみさんと一緒にその時間を過ごしたいという思いが勝って。飛び込んだんですけど、とにかく楽しかったです」と笑顔を見せた。

　綾野は、柄本としっかり共演したのは今回が初とのことで「純粋に佑くんのファンってこともあって。本読みの段階から、せりふの初速の速さと言うか、迷わず出てくる感じに圧倒されて『まずいな……』って思いましたね。そこから現場に入っていく中で、ほなみさんも同じくですが、大きなエンジンに乗せてもらって、すでに何回もやっているかのような自然な関係にすぐになれたのは大きかったです。（柄本の）声が芳醇でうっとりしました」と口にした。

　また、特に印象的な雨のシーンの撮影について問われると「映像に映るのための雨量が必要なので、ずぶ濡れですね（笑）」と綾野。柄本は「雨のシーンは人物の前だけシャーって感じで『よく見ると奥の方は晴れているな……』ってことがある。本作でもそういう粗を探してください。ないです！」と断言した。これに綾野は「50メートル先まで！」と強調していた。

　荒井監督が『火口のふたり』に続く自身4作目の監督作として選んだ同作品は、芥川賞受賞の小説家・松浦寿輝氏による同名小説に「ピンク映画へのレクイエム」という荒井監督ならではのモチーフを取り込み、原作の「超訳」に挑んだ意欲作。切なくも純粋な愛の物語となっており、主演の綾野は、ピンク映画業界に生きる栩谷を演じた。