先生と生徒が“禁断の恋” 疑似恋愛でファンをとりこに…「禁断の方程式」が誕生した理由
コンセプトは学校の先生と生徒の“禁断の恋愛”。そんな妄想を疑似体験できるアイドルグループが8月にデビューした。その名も「禁断の方程式」。さまざまなバックボーンを持つ5人で構成された男性アイドルグループ。メンバーそれぞれには“担当教科”も振り分けられている。そんな斬新なコンセプトを掲げて活動するメンバーに話を聞いた。
福田佑亮らアイドル経験者から元マネジャーまでさまざまな経歴を持つ5人
コンセプトは学校の先生と生徒の“禁断の恋愛”。そんな妄想を疑似体験できるアイドルグループが8月にデビューした。その名も「禁断の方程式」。さまざまなバックボーンを持つ5人で構成された男性アイドルグループ。メンバーそれぞれには“担当教科”も振り分けられている。そんな斬新なコンセプトを掲げて活動するメンバーに話を聞いた。(取材・文=中村彰洋)
保健体育担当の最年長・福田佑亮(ふくだ・ゆうすけ/27)、外国語担当の最年少・秋草楓(あきくさ・かえで/24)、国語担当の濱屋拓斗(はまや・たくと/24)、数学担当の別府玲士(べっぷ・れいじ/26)、社会担当の宮下寛大(みやした・かんだい/25)の5人からなる。
――結成のきっかけを教えてください。
秋草「事務所の方に声をかけていただいて、みんなバラバラに集まりました。集まった当初はコンセプトも決まっていなかったので、僕たちの意見も取り入れながら、作り上げたグループになっています」
――斬新なコンセプトとなっていますが、どのように思われていますか。
濱屋「先生と恋と聞いて、『わお!』ってなりましたね(笑)。でもやっていく中で、“アイドルとファン”と“先生と生徒”の関係性が意外と似ているなと思うようになりました」
秋草「年齢的にも、ピチピチの初々しいグループではないので、学生同士の恋愛というより、教師と生徒の方が年相応なのかなとも感じています」
宮下「ファンの方の総称は“アンサー”。“禁断の方程式の解”という意味で呼ばせてもらっています」
――担当教科が決まっている点も面白いですね。
福田「先にメンバーカラーが決まっていたので、『赤って言ったら国語だよね!』といった流れで決まりました。自分は白ということで保健体育担当です。決まってから、保健体育の教科書も買いましたよ(笑)。この先、もしかしたら本当の学生の皆さんとライブすることもあるかもしれません。そのときは、ただライブするだけではなくて、授業なんかもできたらいいなと考えたりしています」
秋草「ライブは授業、デビューライブも入学式と呼んでいます。これから先、新学期が何回あるのか、始業式が何回行われるか楽しみですね(笑)」
濱屋「僕たちが先生なので、生徒として制服風の姿でライブに来てくださった方もいました。しっかりとコンセプトに沿った雰囲気になっています」
――5人のこれまでの経歴などをお教えいただいてもよろしいでしょうか。
宮下「僕はK-POPに近いダンスボーカルなどをやらせていただいていました。練習生として活動していた経験があります」
秋草「僕はファンの方はご存じですが、今の事務所の社長さん、プロデューサーさんとアイドルグループを組んでいました。2人が運営側に挑戦するというタイミングで声を掛けてもらいました」
福田「自分はアイドルを約7年やらせてもらった後、シンガー・ソングライターとして2年間活動したタイミングでお話をいただきました」
別府「僕は元々アイドルグループのマネジャーをやっていて、気づいたら表舞台に立っていましたね(笑)」
濱屋「僕は、元々俳優をやっていて、ミュージカルで舞台に立ったこともありました。今回、アイドルのお話をいただいて、挑戦させていただきました」
――8月12日には初のデビューワンマンライブを成功させましたが、いかがでしたか。
別府「デビューなのに満足しちゃいました(笑)。達成感がすごかったです」
濱屋「初めてアイドルとしてステージに立って、皆さんがキラキラした目で見てくださることに感動しました。練習とかつらいこともありましたが、『アイドルになってよかった』と一気に報われた感じがありましたね」
福田「グループでの久しぶりのライブだったので、すごく楽しかったです。でも、『まだここから何か見つけられるものがあるんじゃないか』ということをとても感じたデビューライブでした。たくさんのアイドルさんがいて、僕たちがそこからどうやって抜け出していくのかを模索しないといけないなと、帰り道ずっと考えていました」
――福田さんは、過去には人気グループのメンバーとして、大きなステージに立った経験もあります。改めてスタート地点に立って、どのように感じていますか。
福田「始めた当初に戻った気がしました。常に忘れちゃいけないのは、『初心忘れるべからず』だと思っています。自分は、禁断の方程式で活動するのは、1年と自分の中で決めていて、スタッフさんにもお伝えしています。以前にアイドル活動をしていたとき、『たくさんの人に嫌な思いをさせてしまった』と思っているんです。体調不良で活動をやめたのですが、『結局できたじゃないか』と思われてしまってもしょうがないと思っています。でも、こうやって再スタートするからには、自分がこれまでに見てきたものを超えていかないと納得がいきません。それぐらいの覚悟を持ってやらさせていただいているので、全力で頑張ります」
――もし、1年後に新しい景色が見えていたら継続する可能性はあるのでしょうか。
福田「来年には29歳になります。30歳手前でアイドルをやることには不安もあります。シンガー・ソングライターとして2年間活動していて思ったのは、『やっぱりエンタメが好き』ということでした。もうちょっと違う自分を見せたいと思ったときに、この話をいただいて、1年近く悩みました。でもメンバーと会って、挑戦してみようと思えました。本当にいい仲間に出会えたと思っています。年齢の壁を感じさせず、皆さんに夢を与えることができたらいいなとは思っていますね」
秋草「僕たち4人はやめさせないためにもこの1年を死に物狂いで頑張ります!」
――現在の目標を教えていただいてもよろしいでしょうか。
秋草「1周年に向けて、東名阪ツアーをやりたいです。東京はSpotify O-EAST以上の規模の会場をワンマンライブで埋めたいです。後々は全国Zeppツアーもやりたいです」
――他のグループに負けていない点を教えてください。
福田「まだまだなので、負けていますね……。まずこのグループの武器を見つけたいですね。でも1つだけ負けてない部分があります。楓のコールです(笑)! 本当にすごくて、あれはエンターテイナーです。ライブの見どころの一つになります」
秋草「ライブ中にファンの皆さんと声を掛け合うコール&レスポンスがあるのですが、“禁断の方程式オリジナル”があるんです。皆さんに予習してきていただけると、禁断とアンサーだけの空間をどんなライブ会場でも作れるので、これは強みだと思っています」
濱屋「でもれいぴょん(別府)のダンスも強みだよね。本当に見てほしいんですけど、応援したくなるダンスをするんです」
別府「僕は初心者なので、うまくなりたいんです。だけど、僕だけ身長が小さいこともあって、『1人だけキッズダンサー混じってる?』みたいな雰囲気になるんです。それがウケてるみたいなんですけど……」
濱屋「その姿がかわいいんですよ。顔とのギャップもあって」
福田「でも成長を見られるっていうのも強みになりますよね」
――今後の展望をお聞かせください。
宮下「禁断の方程式の文化を作り上げて、日本中に発信していきたいです。そして、世界へ向けて、こういうグループが日本にはいるよというのをアピールしていけたらと思っています」
別府「今はSNSの時代なので、うまく使っていきたいです。SNSからアイドルファンではない方へもアプローチして、規模を大きくしていければとも考えています」
福田「まずはメンバー全員が飾らずに、ありのままの姿でいてほしいと思っています。どうしてもアイドルには、物語が必要だと思っていて、どのアーティストさんやアイドルさんでも、大きなステージに立つまでには物語があると思っています。作られたものではなく、飾らない、ありのままの自分たちを貫いていければと思っています」