中谷美紀、初月9『ひとつ屋根の下』は緊張でガチガチ 女優を「こんなに長く続けるとは」

俳優の中谷美紀が、フジテレビ系連続ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』で、月9初主演を務める。しかも、二宮和也、大沢たかおとのトリプル主演。クリスマスイブの1日を1クールかけて描くという意欲作だ。愚直な報道キャスターの役柄で、同局の現役アナウンサー陣からレクチャーを受けるなど、丹念に役作りを重ねたという。“謎と愛と奇跡”をテーマに据えた異色ドラマに懸ける思いとは。

中谷美紀はフジ系ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』で報道キャスター役を演じる【写真:(C)フジテレビ】
中谷美紀はフジ系ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』で報道キャスター役を演じる【写真:(C)フジテレビ】

二宮和也、大沢たかおとトリプル主演『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』 30年前のドラマデビューも月9作品

 俳優の中谷美紀が、フジテレビ系連続ドラマ『ONE DAY~聖夜のから騒ぎ~』で、月9初主演を務める。しかも、二宮和也、大沢たかおとのトリプル主演。クリスマスイブの1日を1クールかけて描くという意欲作だ。愚直な報道キャスターの役柄で、同局の現役アナウンサー陣からレクチャーを受けるなど、丹念に役作りを重ねたという。“謎と愛と奇跡”をテーマに据えた異色ドラマに懸ける思いとは。(取材・文=吉原知也)

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 ある1日の出来事を舞台に、それぞれ別の人生を歩む3人の物語が並行して進んでいき、次第に運命の交錯を果たすというストーリー。二宮が演じるのは、横浜で銃殺事件の容疑をかけられた記憶喪失の男・勝呂寺誠司、中谷は銃殺事件の現場に直行したローカルテレビ局の報道キャスター・倉内桔梗、大沢はクリスマスディナーの準備に追われている孤高のシェフ・立葵時生を演じる。

 中谷自身、1日だけの時間軸を描くという設定の連続ドラマ出演は初めて。「実は衣装替えが手間になるので大嫌いなので(笑)、その意味で“着た切り雀”でいいなと心躍りました」と笑う。一方で、特殊な設定だけに、数か月に及ぶ撮影では、身体面や見た目の変化がなるべく生じないように気を配っているという。

「例えば、髪の毛の長さについて、ドアを開けた瞬間に長くなったり短くなったりといったことがないようにすることです。体調によって、顔色が変わったり、お肌のコンディションが変わったりすることもあるので、喉を大事に保つことも含めて気を付けています」。

 実力派によるトリプル主演。二宮とは初共演で、中谷と大沢がTBS系連続ドラマ『JIN-仁-』シリーズ以来12年ぶりの共演を果たすのも話題だ。

「1人で主演を背負うときより、睡眠時間が多くなることが一番うれしいです(笑)。二宮さんと大沢さんにおんぶに抱っこで、プレッシャーはすべてお二方に押し付けようかなと思います」と冗談めかす。2人との共演を楽しみにしていたそうで、「二宮さんはどうしたらあんな風に自然にお芝居ができるのかなと、スイッチの入れ方が気になっていました。大沢さんは徹底的に役作りをされる方で、(シェフ役で)お料理をなさる姿はとてもセクシーなんじゃないかなと思っています」。

 3人の個々の物語が、不思議と絡み合っていく展開。撮影自体も3人バラバラでスタートし、別作品を組み合わせるような工夫が施された。中谷は制作陣からの要望もあって、二宮と大沢の撮影の様子をほとんど見学せずに進めていったという。

 演じる桔梗は、理想の報道の在り方を追求し続け、自らの企画で立ち上げた報道番組をキャスターとして背負ってきた。ところが、報道以外の分野に力を入れるというスポンサーの意向をくんだ会社の新方針によって、桔梗に料理番組担当への異動の話が出てきて、立場が揺らいでしまう。

 キャラクター像について、「桔梗は活動的で、スクープをとることにプライドを持ち、地元の視聴者に必要な情報やニュースを伝えることを何よりも大切にしています。物事を本音で話す、とても応援しやすいキャラクターだと思っています」。

 それに、「年齢によって女性が居場所を失っていくというテーマは、多くの女性が共感してくださるのではないかなと思っています。さらには性別を問わず、上層部からの命令によって、それまでの職やポジションを失うという点においても、自分自身の年齢(47歳)と重ね合わせても興味深いテーマだと思っています」との考えを語る。

「生まれて初めてお芝居のお仕事をさせていただいたのが月9」 1993年『ひとつ屋根の下』

 報道キャスターの役作りで、力を借りたのが、フジテレビの経験豊富な女性アナウンサー陣だ。西山喜久恵、佐々木恭子、梅津弥英子の3人から、発声指導や講義を受けた。

 西山からは「キャスターは演技派でなくてはならない」と教わったという。「例えば、虐待事件の悲しいニュースを伝えた直後に、公園で藤の花が開花したという話題に移ることがあって、その切り替えについて『実は演技派である』とおっしゃっていました。キャスターやアナウンサーの皆さんは、ただニュースを読んでいるだけではない。媒介に徹しながらも、それぞれの意思があって、皆さんはその部分のきめ細やかなバランス感覚を意識していらっしゃるそうです」。プロの心構えを参考に、試行錯誤して役柄を作り上げていった。

「月9」という舞台に深い縁がある。30年前の1993年に『ひとつ屋根の下』でドラマデビューを果たした。98年に『Days』にレギュラー出演。そして今回、初主演が実現だ。

「生まれて初めてお芝居のお仕事をさせていただいたのが月9で、もう緊張してガチガチに震えたのを覚えています。当時はせりふを述べるのに精いっぱいでした。今も人前でせりふを述べるのは緊張するのですが、最近は、気負わずに、失敗してもいいやという気持ちで臨めるようになりました。この仕事をこんなに長く続けるとは思っていませんでしたが、与えられた役柄を一生懸命演じていると、また次のお仕事をいただけることの繰り返しで。本当に皆様にご縁をいただいて、支えていただいて、今に至ります」と実感を込める。

 どのように物語が交錯していくのか。主演の中谷自身も「楽しみながら」撮影を続けている力作。「月9自体が近年は恋愛ドラマ一色ではなくなってきていると伺っていますが、今回はまたちょっと異色のドラマです。普段ご覧になっている皆様がどのような反応をなさるのかとても楽しみです。物語自体が面白いので、きっと年齢関係なく楽しんでいただける作品になっていると思っています」と声を弾ませた。

次のページへ (2/2) 【写真】中谷美紀が報道キャスターを熱演する姿
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