中学生の少女が「ほれ込んだ」スカイライン、20歳過ぎで購入 趣味のキャンプ場では「異色の存在」

中学生のときに衝撃が走った。「このクルマ、かっこいい。買いたい」。その夢を一心に、アルバイトでお金を貯めて、20歳を過ぎたときに手に入れたのは、日産スカイラインER34。女性オーナーのSERRYさんは、ドリフトを走りこなし、現在は釣り・キャンプの趣味をこの1台と一緒に楽しんでいる。「運命の出合い」から始まった愛車物語とは。

大好きな紫色をところどころに施した愛車の日産スカイラインER34【写真:ENCOUNT編集部】
大好きな紫色をところどころに施した愛車の日産スカイラインER34【写真:ENCOUNT編集部】

「アロンソやシューマッハがバリバリ走っていた頃」のF1に夢中

 中学生のときに衝撃が走った。「このクルマ、かっこいい。買いたい」。その夢を一心に、アルバイトでお金を貯めて、20歳を過ぎたときに手に入れたのは、日産スカイラインER34。女性オーナーのSERRYさんは、ドリフトを走りこなし、現在は釣り・キャンプの趣味をこの1台と一緒に楽しんでいる。「運命の出合い」から始まった愛車物語とは。(取材・文=吉原知也)

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「私にとって、夢のクルマなんです」。中古で買ってもう12年ほどになる。走る喜びをかみしめながら乗る日々だ。

 父親がクルマ好きで、ハイエースをチューニングして乗っていたという。子どもの頃に唯一、夜まで起きて見てよかったのは、F1。「アロンソやシューマッハがバリバリ走っていた頃で、父の影響もあって自然とクルマ好きになりました」と振り返る。

 そんなスポーツカー好きの少女の運命が決定付けられたのは、中学時代。「日産のCMを見て、かっこいい! って思ったんです。ドリフトしている画が流れて、『なんてかっこいい走りをしているんだ』って。スカイラインは映画や作品の影響ではなく、CMでほれ込んだんです」。

 高校時代からバイトを始めて、コツコツ貯金。マニュアルの運転免許取得も自分でお金を出した。1999年式のER34を現金一括購入。夢を実現させた。

 ドリフト競技のD1グランプリで知られる野村謙氏と交流があり、野村氏から中古車販売店を紹介され、愛車をゲット。現在もその店で親切丁寧なメンテナンス整備のお世話になっているという。

 もともとのシルバーカラーを、真っ白にオールペン(全塗装)。カスタムのエアロパーツは野村氏がプロデュースしたモデルを装着している。それに、「紫色が大好きで、ところどころに取り入れています」。内装はシフトレバーやメーターを紫色にしており、「ダッシュボードの塗装は自分でやりました」。エンジンルームにも独自のカラーリングを施しているという。一見シンプルながら、こだわりがにじみ出ている。

 それに、クルマ好きのつながり、仲間づくりにも、ある思いを持っている。「人生の趣味なので、いい意味でオープンにしていいよ」ということだ。その背景には自身の経験が。高校は女子高に通っていたが、周りの友人にはクルマに興味を持っている人はいなかった。「クルマ好きということを密やかに隠していました(笑)」。当時は趣味や楽しさを共有できない寂しさも少しあった。今はオーナーズクラブなどに入って仲間の輪を広げている。だからこそ、「もっとクルマ好きと知り合って仲良くしていきたいですね」と笑顔を見せる。

 夢をかなえた1台。「寝るところにしてもいいぐらいです(笑)。私にとって常になくてはダメな存在」というほど、愛着を持っている。買った当初はドリフトに熱中。今はたまにサーキットに行くが、普段使いで、趣味にも一緒に遊びに行く。「釣りは港に横づけして、キャンプは富士山方面に行きます。あえての4枚ドアなので、荷物も結構積めるんですよ。ちなみに、キャンプでは『こんなクルマが来たよ』と言われて、異色の存在になっています(笑)」。自慢のER34はキャンプ場の名物カーになっているようだ。

次のページへ (2/2) 【写真】現金一括購入でこだわりカスタムの実際の車体
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