ハワイ移住の平岳大、話題の映画出演でようやく感じた手応え 3年前の移住直後にロックダウン

ハワイ在住で国際的に活躍する俳優の平岳大が、映画『グランツーリスモ』の公開を記念し半年ぶりに日本へ一時帰国した。25日、都内で行われた取材会に出席し、本作の魅力を語った。

1時間に及ぶ取材会に応じた平岳大【写真:ENCOUNT編集部】
1時間に及ぶ取材会に応じた平岳大【写真:ENCOUNT編集部】

20年に海外でも活躍するため家族でハワイに移住

 ハワイ在住で国際的に活躍する俳優の平岳大が、映画『グランツーリスモ』の公開を記念し半年ぶりに日本へ一時帰国した。25日、都内で行われた取材会に出席し、本作の魅力を語った。

 全世界でシリーズ累計9000万本を売り上げた、日本発のVRドライビングシミュレーター『グランツーリスモ』から生まれた実話をハリウッドで映画化したレーシングアクション。世界中から集められた『グランツーリスモ』のトッププレイヤーたちが、本物の国際カーレースに出場するプロレーサーとなるため、日産、プレイステーション、ポリフォニー・デジタルが実施していた育成プログラム「GTアカデミー」に参加し、想像を絶するトレーニングや数々のアクシデントを乗り越え成長する物語。平は、『グランツーリスモ』シリーズの生みの親で映画のエグゼクティブプロデューサーでもある山内一典氏を演じた。

 世界一過酷な夢への挑戦が描かれる本作を鑑賞した平は「感動しました。こんなに涙が出るとは思わなかったです。思わず、ホロっとする場面があって、不覚にも泣いてしまいました」と胸を打たれていた。

 脚本は、ジェイソン・ホール氏とザック・ベイリン氏が担当した。「台本を読んでいて、ワクワクする感じはしました。これを映像化したら、すごく面白くなるだろうなと思っていました」と前もって手応えを感じていた。

 撮影現場での雰囲気は「そんなに他の作品と変わった点はなかったんですけど、(ニール・ブロムカンプ)監督が、アドリブ好きでした」と回顧。日本との違いは「たくさんあります。責任と仕事が明確に分かれている。例えば、音声さんがピンマイクを付けようと、ぼくの上着を触ったら衣装さんと大げんかになる」と苦笑いしながら裏事情を告白した。

 山内氏を演じるにあたり準備したことは「ドキュメンタリー映像を何回も見ました」。人物像については「間違っていたらあれなんですけど、結構、孤独が好き。孤高の人って感じがするし、彼の世界の中に入れる人、理解できる人は数人しかいない。でも、彼自身はすごくフレンドリーだし、レーサーの卵たちには、すごく愛情を感じるんですよね。だから、普通の存在ではないけど、すごい世界観を持っている方でシャイ、あまりしゃべらないと勝手に想像してました」と分析していた。

手を繋ぎガッツポーズを見せた平岳大(左)と生島ヒロシ(右)【写真:ENCOUNT編集部】
手を繋ぎガッツポーズを見せた平岳大(左)と生島ヒロシ(右)【写真:ENCOUNT編集部】

コロナ禍の時期は「大変でした」

 2019年12月から世界的なパンデミックをもたらした新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。20年3月26日からは、感染拡大を抑えるためハワイ州でも外出禁止令が発令された。ロックダウン直前に移住していた平は「大変でした。ハリウッドでは『8月、9月くらいから撮影は始まっている』っていうのを耳にしたんです。そうすると、全然仕事がないのは、コロナのせいなのか、俺のせいなのかと考えるようになりました。“あれ。ハワイ来たの間違ったかな?”と思っていました」と赤裸々に吐露した。

 ハワイでの生活は「子どもの幼稚園受験がありました。送り迎えとか、帰ってきたら遊んだりしています」と積極的に育児に参加している。

 拠点を変えてから約3年。手応えを問われると「それは、ありますね」とうなずきながら、「今年は3本お話をいただきました。監督やキャスティングディレクター、人の目にちょっと留まるようになりました」と活動の幅が広がりつつあるようだ。

 世界で活躍するにあたり“言語の壁”を感じるかについては「アメリカで英語ができる日本人っていう役はできるんですけど、それだと役が狭い。もっと広げるために、日系アメリカ人まではいけるかは難しいかもしれないですけど、要するに、ネイティブですよね。普通の英語をしゃべり、それが日本なのかどうなのか分からないくらいのレベルにはしたい」と意気込んだ。

 今後の活動についても「ハリウッドの大きな作品だと、オーディションの過程が3か月位あるから、大体スケジュールが読めたりするんですけど、そうじゃないやつもあるんで両立が難しいですよね」と頭を悩ませていた。

 平は、23年2月に日本国内の活動窓口を任せるため生島ヒロシが立ち上げた芸能事務所「生島企画室」に所属。同席していた生島ヒロシは、平の母親で女優・佐久間良子とのやり取りを告白。「佐久間さんとはよくお電話させていただいて、あれだけの女優さんでいらっしゃるので、細かいところも気付くわけですよ。『今日の衣装は大丈夫かしら』と伝えてきます。まぁ、『大の大人ですから大丈夫です』と伝えるわけですが、心配していらっしゃる。お母様の熱い愛情を、僕はそばにいて感じています。何かいい形で2ショットが撮れるといいなと思っています」と願った。また、平も「(作品を)大体、全部見ています。(感想は)ぼやきますね」と話した。

 平は、1974年7月27日生まれの49歳。父親は俳優の平幹二朗、母親は俳優の佐久間良子。暁星小学校、暁星中学校を経て、暁星高等学校在学中の15歳のときに単身渡米。02年に舞台『鹿鳴館』でデビュー。08年にNHK大河ドラマ『篤姫』で徳川慶喜役、11年の『江~姫たちの戦国~』で佐治一成役、16年の『真田丸』では武田勝頼役を演じた。その後、16年7月に一般女性と結婚し、長女が誕生。20年に海外でも活躍するため家族でハワイに移住した。

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