元BiSHのメンバーでソロミュージシャンのアイナ・ジ・エンドが25日、都内で行われた主演映画『キリエのうた』（10月13日公開）のプレミアムライブイベントで歌唱した。SixTONESの松村北斗、村上虹郎、霜降り明星の粗品、広瀬すず、石井竜也と登壇。松村、村上、粗品とは“キリエバンド”として、一夜限りの生演奏を披露した。

　映画初主演にして、歌うことでしか声が出せない路上ミュージシャン・キリエを演じたアイナはこの日、ステージに登場するや劇中歌の「名前のない街」「燃え尽きる月」を続けて歌唱。ステージ場を縦横無尽に歩き回り、歌唱後に「あらためましてキリエです」と役になりきってあいさつした。

　その後、アイナの呼び込みで登場した村上と松村がツインギターで加わり、3人でパフォーマンスを披露することに。3人で実際にライブをするのは最初で最後だと確認し合い、アイナは「最初で最後だと思うと言葉が詰まると言いますか。1年以上前から撮影をしていた。やっと人様の目に触れられる、初めて聞いて頂けるという気持ちで、ちょっと、正直感無量ですみません、言葉が詰まっています」と率直な心境を吐露。3曲目の「ずるいよな」を展開した。

　登壇したMCの赤坂泰彦の呼び込みで広瀬、粗品、石井も加わり、トークを展開。本作にちなんで、13年前の自分に言いたいことを問われて「私、年齢秘密でやってるんですけど……」と苦笑。会場の笑いを誘った。

　また、ライブでギターを初生演奏した松村は、撮影を振り返って「今回まったく初めてだったので苦戦した。実はあれはちゃんとしたコードを押さえてなかったりしている」と言い、「夏彦オリジナルの楽譜というものを作って頂いて。なんで、（ギタリストとしては）僕は決してまだギターは弾けないんです」と謙遜していた。

　イベント最後には、松村のかわりに粗品がキーボードとしてバンドに加わり、「キリエ・哀れみの讃歌」を披露。聞き終えた広瀬はうっとりした表情で「このきゃしゃな体から、どうやったらあんなエネルギーの放出の仕方になるのか。今日もあらためて感動しました」とアイナを手放しで称賛。アイナは最後のあいさつで「感慨深い日になりました」と目をうるませた。

　出席を予定していた岩井俊二監督はコロナり患のために欠席した。

　同作は、岩井監督と音楽プロデューサー・小林武史による新作映画。アイナが同作のために6曲を制作した。石巻、大阪、帯広、東京……と岩井監督のゆかりある地を舞台に紡がれる、出逢いと別れを繰り返す4人の壮大な旅路、13年に及ぶ魂の救済を見つめた物語を展開する。広瀬は過去を捨て、名前を捨て、キリエのマネジャーを買って出る謎めいた女性・イッコを、松村は姿を消したフィアンセを捜し続ける青年・夏彦を、村上はギタリスト・風琴（ふうきん）を、粗品はキーボード奏者の日高山茶花（ひだか・さざんか）を演じた。