朝倉未来と平本蓮の年内復帰は? RIZIN榊原CEOがNGなしで回答「急きょ大会を増やすとかね」
格闘技イベント「RIZIN.44」は今月24日に、1週間後の10月1日には「RIZIN LANDMARK 6」が開催される。RIZIN怒涛の1週間を前にENCOUNTでは、RIZIN.44前日特番『榊原パイセンがアベマにやってきたぞSP』(ABEMA)前哨戦を実施。ファンから集まった珠玉の質問を“地獄のプロモーター”榊原信行CEOにぶつけた。マニー・パッキャオ氏の参戦時期や「BreakingDown」戦士の参戦、朝倉未来、平本蓮についてNGなしで答えてくれた。
パッキャオの参戦、どうなった?
格闘技イベント「RIZIN.44」は今月24日に、1週間後の10月1日には「RIZIN LANDMARK 6」が開催される。RIZIN怒涛の1週間を前にENCOUNTでは、RIZIN.44前日特番『榊原パイセンがアベマにやってきたぞSP』(ABEMA)前哨戦を実施。ファンから集まった珠玉の質問を“地獄のプロモーター”榊原信行CEOにぶつけた。マニー・パッキャオ氏の参戦時期や「BreakingDown」戦士の参戦、朝倉未来、平本蓮についてNGなしで答えてくれた。(取材・文=島田将斗)
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――昨年、マニー・パッキャオ氏の参戦も発表されました。進捗状況はいかがですか。
「契約は終わっているので、いつのタイミングでどういう相手と何を見せるかだと思います。例えば朝倉海とやったり、平本蓮とやったり(朝倉)未来がメイウェザーに続いてやったとしても、あまりみんなが『すげぇ』と思わないと思う。みんなが想定する範囲を超えたサプライズになるように調整中です。
パッキャオが日本で試合するのって何十年ぶりかで、。無名時代に後楽園ホールでやった1試合だけなんですよ。7階級をチャンピオンとして制覇している鉄人だと思うのですが、彼が躍動する姿を日本で見た人はほぼいない。初物ですから、それなりにインパクトのあるタイミングと相手でマッチアップしたいのはもちろんです。来年くらいですかね」
――7月大会でヒロヤ選手が負けてしまいましたが良い試合をしていました。今後、「BreakingDown」勢で出場させようと考えている選手はいますか。
「うーん……そうですね、現時点ではそこはあんまり考えていないけど(朝倉)海のところの弟子の、なんとかニキっていますよね?。勾配ニキ(=信原空)でしたっけ? それぐらいじゃないですか。DEEPでも良い勝ち方していたしね。RIZINに出場する上では、話題性があるに越したことはないんだけど、それなりの実績と経験がないと。同じ格闘技というカテゴリーのなかだけど、選手に求められるものが違う。記念受験でRIZINに出場できたらゴールはいらない。そういう話はジョリーにも直接しました。
もちろん勝つことは大事だけど、例え負けたとしても、継続参戦できるような試合を見せられるのかが大事。この前のヒロヤなんてまさにそうだった。あの試合を見てRIZINの敷居を跨ぐなってことにはならなかったと。だから10月大会にもマッチアップしています。話題性と実績のバランスだと思います」
――「BreakingDown」の選手の相手を選ぶときはどんなことを考えているのですか。
「ケースバイケースではありますけどレベルも含めて手が合うこと。例えばヒロヤと中村優作の試合で言うと、前戦で良い試合をしたヒロヤを軸に彼のここまでのレベルとこの前の試合を受けて、誰が相手としてふさわしいかを考える。カードはどちらかを軸にして決めます。キャラクター的にも真逆とまではいかないけど、違う形のものを持っている中村選手となら面白いかなと」
朝倉未来と平本蓮の年内復帰の可能性は?
――いままでに一番マッチメイクに時間がかかったカードは何だったのでしょうか。
「なんだろうな。いつも苦しんでいるんです(苦笑)。スパッと決まる時もあればね……。例えば今回の名古屋大会。大会ってメインカードが決まると楽なんです。だから名古屋みたいになかなかメインが決まらない大会はめっちゃ苦しい。最後、俺が出て試合しようかな。『ごめんなさい』って(笑)。そうなるくらい悩みますね。誰かを口説くという点で言うとRIZINではないけど『THE MATCH 2022』の武尊―那須川天心かな」
――武尊―那須川天心は何が大変でしたか。
「お互いがやりたいって思ったタイミングがずれちゃったことですよね。実現に向けて最後動いているときに武尊は『何があってもやりたい』。一方で天心は『もういいです』っ状況。気持ちも冷めたしボクシングに行くことも決めていた。だからRIZINの後半はってキックボクシングの試合をほとんどしていないですよね。『別に武尊選手に興味ないです』って状況だった。いろいろ手を変え品を変え口説きました。これは墓場まで持っていかないといけない話があるんですよ。
ファイターとして『戦いたい』って気持ちで戦う場合もあれば、そうではない理由で戦うこともある。一番分かりやすいのは例えばお金。『やりたくないけど、金を稼げるからやる』というカードもある。選手をその気にさせるネタっていろいろあるんですよ。一番純粋なのはお互いにやりたい状態。そんな漫画みたいな世界が全部ならいいんですけど、そんな簡単なわけはないですからね。ファンの夢をなくすようなことはしたくないですけど、交渉する側はむちゃくちゃ大変です」
――ファンから多かった質問です。朝倉未来選手と平本蓮選手の年内出場はあるのでしょうか。
「未来さんは引退するんじゃないですか。蓮も分からない。もちろんコミュニケーションは取っているけど。でもまぁそれぐらい未来は(ヴガール)ケラモフとのタイトル戦に懸けていたし、あれだけ完膚なきまでにやられた試合を見たことないですから。タップしたのも初めてだと思うんですよ。僕は競技者じゃないですけど、相当へこみますよね。ある程度攻防があって、あともう一歩という試合でもない。
何もしていない。漬けられて、肘が効いたと思うんですよね。肘をあれだけ思いきり練習で打たれることはない。だからいろんな意味で未来は考えることあったと思うんだよね。個人的にはこんなことで志、闘志が折れてしまう男じゃないと思う。頭のいい人でもあるし、自分を信じられるところまで戻れば。僕は自由にすればいいと思うんですよ。
これまでもお互い意見が合って、主たる選手として戦って、富と名声を手に入れてるけど、いろんなことをかけた大一番に敗れたわけだから少しリセット。(次戦は)ゴリゴリの勝負論のある重たい試合でなくてもいい気もする。ファンは残酷だから復帰してって言うかもだけど、受験勉強やって入試に落ちて、すぐ勉強再開できるか? って。休ませてくれよって思うだろう(笑)。だから僕も今は追いかけてないです。
体の中から『やりたい』って湧き出てくるものがないとこの世界は無理なんでね。それは蓮も一緒。9月、10月に向けての試合を7月大会で発表しようかってところまでマッチアップは終わっていた。これは本人と話してないから分からないけど、有名になればなるほど、いまの自分と世の中が求めているもののギャップに苦しむんだよね。SNSの世界でカリスマ的な存在。素の平本蓮が100%ならいいんだけど、SNSで受けるために『これちょっと突っ込んでおこう』っとかいろいろあるんだと思う。いろんな意味で疲れちゃったんだろうな。蓮も少し休んでオーバーホールしておけばいい。
でも、こういうのって突然スイッチが入る。過去の選手を見ていてもそうなんですよ。やりたくないって思ってもしばらく経つと、集中してやれていたことをもう1回やってみたくなる時がくるんですよ。引退してもまぁまぁ復活してくるじゃないですか。やっぱりそのときに浴びた歓声とか。体の中から生まれたアドレナリンとか思い出すんですよ。
花道の反対から歩いている側として観客席を見ると武者震いしますよ。すごい絵が見えるから。何万人という人が自分の入場曲に乗って“俺”を見ているんですよ。これはGACKTが言ったんだけど『舞台に立つときに俺一人に何万っていう視線が来たら、それを受け止めるエネルギーがないと立てない。それぐらいものすごいものが届いちゃう』。アドレナリンが出る瞬間でもあるけど、それに押しつぶされそうになるくらいの重圧が去来する。高田(延彦)キャプテンはヒクソン戦の時『死刑台に向かうつもり』って言ってたくらい。
それから逃げ出したくなる時もあれば懐かしくなるときもあると思う。2人(未来、平本)の戦うスイッチが入るのをファンはクールダウンして待ってあげてほしい。このまま終わる2人じゃないですから」
――2人が大みそかに帰ってくる可能性も。
「十分あります。もっと前かもしれないしねぇ(笑)。10月の名古屋大会もあるし、11月のアゼルバイジャン大会もありますし、急きょ大会を増やすとかね! “一寸先はサプライズ”です」
※高田延彦の「高」の正式表記ははしごだか